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外相暗殺で揺れるスリランカ和平 (BBC 毎日新聞)

2005-08-14 14:28:09 | アジア・オセアニア関連
スリランカのラクシュマン・ガディルガマル外相(73)が12日夜、コロンボの自宅で何者かに銃撃され死亡した。犯行声明はなく事件の背景は不明だが、軍は少数派タミル人の反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)の犯行の可能性があるとしている。
ガディルガマル外相は同国北部ジャフナ出身のタミル人キリスト教徒。94年から01年まで外相を務め、LTTEがテロ組織として認定されるよう国際的キャンペーンを張り、LTTEの憎悪を集めたとされる。昨年4月の総選挙でスリランカ自由党(SLFP)が政権に返り咲き、再び外相に任命された。
軍報道官は2週間前に外相の自宅周辺のビデオを撮影していたタミル人2人を逮捕したことを明らかにしたうえで、「外相は常にLTTEから脅威を受けており、われわれはLTTEの関与を強く疑う」と語った。しかしLTTEでは、外相暗殺に関していかなる関与もしていないと、事件への関与を全面的に否定している。
外相暗殺は、停戦継続に極めて大きな影響を与えることから、政府内にも「LTTEと断定するのは時期尚早」との慎重な見方もある。
同国では93年、プレマダサ大統領が爆弾テロで死亡。99年には爆弾テロでクマラトゥンガ大統領が片目を失明したが、02年の停戦発効後は主要な政治指導者を狙ったテロ事件は起きていなかった。
クマラトゥンガ大統領はLTTEとの対話路線を表明しているが、タミル人の分離独立に反対するガディルガマル外相は、LTTEへの譲歩に対しては批判的で、先日の大統領の誕生日祝賀メッセージでも、ノルウェーの和平促進における役割についての公平性に疑問を呈している。LTTEとはいわば対極の立場をとるガディルガマル外相は、シンハラ人で絶大な人気を誇っていた。 (BBCのサイト-1BBCのサイト-2毎日新聞のサイトから)

民族対立、宗教対立と言われるものの難しさは、異なる民族同士が鋭く対立するという単純な構図に留まらないところにあることをあらためて感じさせる事件。意見の対立する同じ民族同士の骨肉の争いは民族対立・宗教対立をより複雑なものにする。
まず最初に排除すべきなのは、異なった価値観・宗教観といったものではなく「暴力」だ。そこから始めないと一般の市民は救われない。

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