【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

個人事業者の支払う生命・損害(地震)保険料で必要経費になるもの

2012-06-28 17:00:00 | 所得税の確定申告
個人事業者が支払う生命・損害(地震)保険料のほとんどは必要経費ではなく、所得控除である生命保険料控除あるいは地震保険料控除として扱われ、支払った保険料のわずかしか所得から減額することができません。

●従業員を被保険者とする生命保険の「掛捨て」保険料
家族従業員は除かれます。事故があった際に事業主が受け取る保険金は、その全額を従業員に対する見舞金や退職金に充当しなければなりません。要するに「事故があろうがなかろうが、保険料相当額の負担が事業主に生じる」ということです。その負担は従業員の安心のためなのです。事業主の節税のためではありません。

●事業用に融資を受けている金融機関が保険金の受取人である生命保険の保険料
このようなことが融資の条件になっている場合があります。恐ろしい話ですね!金融機関は事業主が死亡により廃業しても融資した資金を保険金で回収できるのです。この場合の保険料は利息と同じです。必要経費にさせてもらわないと困ります。

●事業用資産に対する損害(地震)保険の保険料
事業用の店舗や工場に対するものは掛捨て部分を必要経費にできます。事業用の自動車の自動車保険料が必要経費になるのと同じ理屈です。

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★会社形態なら保険で「ガンガン!」節税できるのに!
個人事業者の保険料の扱いは、会社形態で事業を営んでいる(規模的には個人事業形態でもおかしくない)小規模事業者が保険で「ガンガン!」節税をしているのと対照的です。会社形態ならば、代表者本人のみならず、その家族役員や従業員が被保険者の保険料の多くを会社の経費にすることができます。

★保険金を受け取ったときの扱い
これがけっこうややこしいです。説明はまたの機会にさせていただきます。