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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

昨年の年末調整が間違っていた。

2007-07-22 12:33:04 | 源泉徴収と年末調整
年末調整から半年以上が経過した今頃になって、税務署や従業員(役員、社員、職員など給与、給料、賞与、ボーナスなどをもらう人)に指摘をされて昨年あるいはそれ以前の年末調整に間違いが見つかることがあります。

(1)会社が単純な計算ミスをしていた場合(ミスの原因が会社にある場合)
各種控除(扶養、配偶者など)の金額、税率を誤っている場合がこれに該当します。

(2)従業員が年末調整に必要な情報の連絡を怠った場合(ミスの原因が従業員にある場合)
配偶者や扶養親族、生命保険料などの情報に誤りがあった(扶養控除等申告書など年末調整に必要な書類が正確に記入されていなかった)場合がこれに該当します。

よくもめるのは、従業員の税金が増える場合です。結論からいえば、ミスの原因がどうであれ不足する税額を納付する義務は会社にあるということです。つまり、税務署に税額の不足を指摘されて「あいつ(従業員)の税金だから、あいつから取ってくれ」は通用しないということです。当然、後ほど従業員に不足する税額を請求することはできますが、この請求に関して税務署は一切関知してくれません。

従業員の税金が増える原因が会社のミスである場合には、不足する理由を説明するとともに、ひとこと従業員に謝罪もしておくべきです。ただし、従業員の「私は絶対に(不足分を)払わないぞ!」には応じる必要はありません。給与所得者(従業員)は会社で源泉徴収と年末調整を受けること、後日不足分があった場合には会社経由で不足分を納付しなければならないことは法律で決まっているからです。これは、会社(法人)の税金に後日間違いが発見された場合に不足分を納付しなければならないのと同じことです。

税額が減る場合ですが、従業員自身に還付申告をしてもらうことになります(会社が税金を取り戻すことも可能ですが、従業員自身で還付申告するほうが早く、しかも従業員に直接戻ってきます)。この場合も、ミスの原因が会社にある場合には謝罪するとともに、税務署に申告にいく時間は公休扱いにしてあげてもよいと思います。

なお、このような事態を防ぐためには、まずは従業員に扶養控除等申告書など年末調整に必要な書類を正確に記入してもらい、年末調整を早期に終わらせて従業員に源泉徴収票を手渡し、1月末(平成19年分でしたら平成20年1月末)までに誤りがある場合には報告させるということを徹底することです。1月末まででしたら、年末調整の再調整ができるからです。

【住民税への影響】
当然変動してきます。つまり、今後毎月天引きする住民税の額(特別徴収)が変わってくるということです。(市町村役所から変動後の税額が通知されてきます。)

【なぜ、税務署は誤り(配偶者や扶養控除の誤り)に気がついたのか?】
またの機会に説明させていただきます。