【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

申告漏れ、所得隠し、脱税

2011-08-03 17:00:00 | 税務調査
税に関する事件、つまり人や企業が税額を過少に申告しておりそれが国税局や税務署に指摘されたことをマスコミが報道する場合、「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」という言葉が用いられます。

「申告漏れ」は比較的柔らかい表現で、どちらかといえば「うっかりミス」といった感じです。「所得隠し」と「脱税」は、事件を犯罪と同列に扱っている場合に用いているようです。

★解釈誤り(いわゆる見解の相違)
わが国の多くの税目が税法に則った申告納税方式を採用していることから、申告に当たっては納税者の自由な解釈が介入します。当然、解釈を誤って過少に申告してしまうこともありますが、これを「申告漏れ」「所得隠し」「脱税」のいずれに当てはめるかが問題となります。心情的には「申告漏れ」でしょうが、「所得隠し」「脱税」と表現されている場合もけっこう多いです。

★加算漏れ(会社の交際費など)
法人税が課税されるのは会社の利益(一事業年度の収益総額‐費用総額)ですが、法人税が課税される所得の計算に際しては交際費の一定部分は費用から除かなければなりません。つまり、「利益+交際費の一定部分=法人税が課税される所得」として計算します。この交際費の「加算漏れ」の扱いもまちまちです。交際費以外にも利益の計算上は費用になるものであっても所得の計算上は加算が必要となるものは数多くあります。

★仮装・隠ぺい、許されないほどの無知
最終的にはこれが決め手になるでしょう。仮装は事実関係をねじ曲げることです。隠ぺいは事実関係を隠すことです。許されないほどの無知は、当然知らなければならないことを知らなかった、要するに「重過失」です。マスコミが報道する税に関する事件のほとんどは、背後に「仮装・隠ぺい」「許されないほどの無知」が潜んでいるのだと思います。そんなことから、報道の対象となった人や企業もマスコミに対して報道の表現方法についてクレームをつけないのでしょう。