真夏の１泊家族旅行②～遠い遠い!? 目の前のプール～

　そうして到着したスパリゾートハワイアンズ。
　こんな山の中にハワイがあるのかと心配になるようなところにハワイアンズは見つかったのですが、ハワイの入った建物に入るまでが大変。
　
　"日帰り駐車場"という案内板と誘導員に導かれるまま、さらに山のほうに車を進めると、はるか彼方までビッチリ車で埋まった駐車場。
　"どっからこんだけの車がきたの～？"と不思議になるくらい。
　そしてその駐車場にある坂を登ると、そのまた上に、さらに切り開いて舗装した綺麗で広～い駐車場があった。
　そこも既に半分近く車で埋まっていたが、とりあえず停める場所があって良かった良かった……でもここからさっきのハワイの入った建物まで歩いたら１㌔近くあるぞ～。大変だ～。
　ここに来るまでに、駐車場から歩いていたたくさんの家族を見たが、こっから歩いてたのか～？　オヨヨ～ッと思ったら、停めた場所の近くに20～30人が並んでいる列が。
　どうやらマイクロバスでピストン輸送をしているらしい。
　中にはバスに頼らずに自ら歩いていく"つわもの一家"もいるのだが、アタシもママも３人の娘をかついで１㌔近く歩くほどのつわものではない。
　ましてや１泊２日の旅行は始まったばかりで、ここで体力を使いきっていいわけではないのである。

　　　　　

　バスでようやくハワイの入った建物の近くへ。
　そこからハワイ並みの暑さの中、ハワイの入り口まで250ｍ歩く。
　ハワイはママの胃袋のように何でも吸いこんでしまうのか、四方八方から現れる家族連れを次々と飲み込んでいく。
　
　ようやくアタシら家族もハワイの中へ。
　"さ～、みんな着替えて泳ぐぞ～っ"と思いきや、"目の前の更衣室は超混雑してるからスパ施設の更衣室を使え"（もちろんそんな言い方はしてないが）とアロハを着た従業員が大声で案内している。
　もちろん案内されているそばから、目の前の更衣室に吸い込まれていく人と押し出されてくる人を見ているので、そのスパ施設の更衣室がどこにあるのかは判らないが"そこに行くしかない"と決心する。

　ママは「みいちゃん」をおぶっているのに、「ふうちゃん」は抱っこしてとせがむ。パパは荷物を持ち、「ひいちゃん」の手を引いて、人が行き交う通路を大移動。
　表示に従い進んで行くと、"これがハワイか～"というプール群が現れた。

　でっかい浮輪を持ってスライダーに並ぶ人たち。
　流れるプールに身を任せて遊ぶ親子。
　子供向けの滑り台があるプール…。

　今すぐにでも遊びたいのに、アタシらはまだ普段着。
　それらのプールの頭上にある通路を、どこにあるか判らないスパ施設の更衣室目指して歩いていく途中なのだ。
　すれ違う人は既に水がしたたる水着姿。普段であれば『プール入るよう…』とワガママを言い出しそうな娘たちであるが、人の多さに圧倒されているのか"おりこうさん"についてくる。

　途中でエレベーターまで使い、ようやく到着したスパ施設４階の更衣室。目の前の吹き抜けから見えるのは水着で入れる温泉プール。どこもかしこも人だらけである。
　さてさて、男女に分かれている更衣室。ママに娘３人を全部預けるわけにもいかないので「ひいちゃん」はアタシと男子更衣室へ。
　中に入ると、入り口の従業員の説明通り、確かに空いている。これなら着替えもラクチンだ。はるばるプールの上を歩いてきた甲斐があったというものだ。

　あっと言う間に着替えは完了。長女「ひいちゃん」の着替えは一番楽チンなのだ。
　と、思っているパパの耳元で『おしっこ…』と訴える「ひいちゃん」。
　プールに着いてから言われるよりは10倍ありがたい。
　今着た水着をまた脱がせてスッポンポンで更衣室の中のトイレへ。更衣室も空いてるくらいなので誰も入っていない。
　和式便器だったので、アタシが足を持ってさせてあげる。
　「ひいちゃん」も和式便器は３回目。慣れたものである。

　さてそんなこんなで時間を取ったと思っていたが、待ち合わせ場所の更衣室前にママたちはなかなか現れない。
　「ひいちゃん」は吹き抜けから遊ぶ子供たちを羨ましそうに見ているというのに…。

　ようやく現れた水着姿のママと「ふうちゃん」、「みいちゃん」。
　なんでも、着替えさせようとしたら「みいちゃん」はオムツにウ○チをしていたのだという。しかも"ドヒャ～"と。
　そこでママは更衣室から繋がっているスパ（簡単に言えば浴場）にオシリを洗いに行っていたのだという。
　浴場だからみんなハダカなのだが、ママと「ふうちゃん」は服のまま侵入していったので、好奇の目で見られていたらしいのだが、そんな目なんか何とも思わないのがママなのである。
　道理で遅かったワケだ。

　これでようやくプールに入るスタンバイＯＫ。
　はるかかなたの駐車場に車を停めてから１時間経っている。
　やれやれ…日本のハワイとはいえ、時間がかかるものだな～と思いながら、さっき来た通路をまた戻っていく家族５人でありました。

（つづく）