
風の声
漆黒の夜の畔か。或いは朝の輪郭が目覚めていたのか。
解らない。
眠りが途切れては繋がる狭間に、僕は風の声を聴いた。
一度では、ない。
確信はないが、数度、目覚めては聴き、眠りの水底に沈んだ、そんな気がする。
激しかった。
それは怒り狂っていたようにも、哀しみ悶え泣いていたようにも感じられた。
つかささん、ねつを、はかる、です!
さぼてんに言われるまま測った熱は、八度を越えていた。
ねてください、すぐに。
はい。
みな、熱のせいなのか? それもこれもなにも解らない。
何より僕には、午前十時の窓すら開けることが出来なかった、のだ。
2017/11/11
10:05 am
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