私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

〝節目の年〟の光華寮訴訟?

2007年02月05日 | 台湾
今年は日中国交樹立35周年(そー言や香港返還10周年でもありますね!)という節目の年であり、逆に言えば日華断交35周年(35回忌?)の年でもあります。もっとも、先週土曜日の台湾研究会/福岡李登輝友の会の年頭例会でも「昔は台湾と国交があったと言っても、それは国府を〝全中国の代表〟と見なして日華平和条約を結んでいたという関係でありますから、私自身は〝台湾との国交云々〟という面においてはいささか疑問に思う次第ですが・・・・」といった趣旨の雑感を述べました。
「温故知新」という故事宜しく、過去の国会議事録等を適当に眺めておりました中で「特に独立運動などをやって、蒋介石先生はこれを非常にきらっている、大陸反攻を目ざしておられる。私たちが見るときに、台湾ははっきり申し上げて、一つの中国、一つの台湾、あの台湾はもう大陸反攻をやめて、あそこが国連の場で認められて、一つの国家として成り立っていくのがしあわせだと思うのです。あそこは極楽島のような島です。そういう運動をする者は蒋介石がこれを政治犯として、あの老骨にむちうってやっておるということについては、わが国も警戒をしなければならぬ。(昭和43年04月26日衆 - 内閣委員会 - 18号 受田新吉)」という件は、まさに〝先見の明〟ともいうべき正鵠を射た発言(中台問題に関して、実際に同議員の指摘通りに事が進まなかったのと、ニクソン訪中に引きずられた佐藤榮作首相が中台和平案等でのイニシアチブを発揮できなかったのは残念に思います・・・・)と思いました。その後の答弁で同議員自ら「何應欽将軍とはしばしば会談をやっておる。個人的にも非常に懇意な、台湾へ寄ると、何應欽将軍と二人だけで三時間でも四時間でも話す間柄である」と述べていただけに個人的には興味深く思った次第ですが・・・・

◆光華寮訴訟20年ぶり動き、最高裁が確認手続き(日経)
◆光華寮問題、中日共同声明に基づく適切な処理を希望(人民網)

京都にある光華寮は、その名称共々時代的な雰囲気が漂っているようで、京都での学生生活時代に「判例で有名な建物だから」ということで見に行った友人によると、まさにお化け屋敷のような感じだったのだそうです。しかしながらそうしたボロ屋でも「中国、台湾を巡る外交問題を背景に、訴訟では台湾の訴訟当事者としての能力などが争点になっている」(日経)状況下で、20年ぶりに最高裁が動くということになると、外交問題として沸騰するのは避けられないでしょうね。(世間的にはマイナーなのかとは思いますが・・・・)
20年前の大阪高裁での判決文については、(1)大使館建物等旧政府が一国を代表する立場において所有・支配していた財産やそれに準じる領事裁判所建物等は、政府承認の切り替えの時点で新政府に承認される(2)(1)に該当しない財産は先行政府の所要のままで差し支えない、といった理解をしておった次第ですが、「台北から北京への政府の不完全承認」という判断がベースにあったのででしょう。少なくとも〝統治の実態〟としての台北政府は依然として存在している訳であり、台湾の当事者能力云々を改めて問題にするのは如何なものかという疑念は拭えません。
日華断交当時、駐日大使の林金茎氏は、悄然とした思いで麻布の〝中国大使館〟の傍らで外交文書等を焚きにくべ、鍵を外務省に引渡しにいったのだそうですが、台北郊外の陽明山にある〝日本大使公邸〟は依然として日本国の財産なのだと内田前交流協会台北事務所長の著書に記されていました。朝鮮総連のような反社会的組織がが税金面での優遇措置を受けている一方、断交後に設置された台北駐日経済文化代表処には営業税のようなものがしっかり課せられているという好対照ぶりも、改めて何なのやらという思いもいたします。

光華寮の件が20年程も放置されていた間、審理を預かっていた最高裁に外交面での〝圧力〟が全くなかったとは思えませんし、関係各位も中国の内政問題とみなし、日本の司法判断にはなじまないという苦慮から〝放置〟していたのではないかという気もするのですが、日中国交35年云々と今回の光華寮訴訟の動きに邪な関連のないことを願うのみです。

「日中共同声明」やら「中台問題」といった言葉はさておき、「司法権の独立」と言えば「大津事件」が頭に浮かびます。「歴史を鏡とする」という姿勢は大切にしたいものですが・・・・

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2 コメント

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蒸気機関車の (BOOSUKA)
2007-07-18 16:27:34
蒸気機関車のこの写真を見て日本の京都の梅小路
の蒸気機関車の車庫の博物館といっしょだなと感じましたよ
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彰化はあまり行かないか・・・・ (tsubamerailstar)
2007-07-19 23:48:46
>BOOSUKA様

彰化機関区は出入り自由でヲタにはたまらんですねぇ。なかなか短期間の旅行ではスルーしそうなところですが。(笑)

台湾新幹線の彰化駅が開業しても、ここ(彰化市内)に行くなら台中が最寄駅で何とも紛らわしい。(汗)
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