私の「認識台湾」

個人的な旅行(写真)の記録を主眼としつつも、実態は単なる「電子落書き帳」・・・・

馬政権のかじ取りは多難:石原都知事

2008年05月22日 | 台湾

ROC総統府のHPを眺めてみたところ、「中華民國(台湾)」の表記が「中華民國」へ変更されているようですね。英文表記は何故か〝Office of the Republic of China(Taiwan)〟のままですが、馬氏は就任演説でも「台灣民主萬歲!中華民國萬歲!」いった調子でチャンポンだったようで・・・・

◆石原知事、台湾新総統に苦言(産経)
◆「台湾、第2の香港にするな」 石原知事、陳水扁総統と会談(産経)
◆台湾住民7割が馬英九新総統の対中開放政策を支持(産経)

就任演説終了後の昼食会には日本側の出席者74人も招待され、「馬新総統は、たどたどしい日本語であいさつをして会場の笑いを誘っていた」とはご同慶の至りですが、KMTに親しい立場の石原・平沼両氏が早速ダメ出しする場面もあったようですね・・・・
讀賣・産経両紙は社説で『日本に言及はなかったものの、「理念が通じ合う国家との連携」という表現で日本との関係強化をにじませたようだ。式典会場の巨大スクリーンに演説の翻訳が英語と日本語だけで映し出されたことも馬氏の日米重視の姿勢をうかがわせた』(産経)と一定の評価を与えていますが、「歴史的関係が深く民間交流も拡大する日本に言及しなかったのは残念だ」(中日)という失望感も見られます。臨席していた平沼氏は「4年後の就任演説でははっきりと『日本』と入れていただきたい」と不満を述べたようですが、この人はこういうメンツには拘るでしょうね・・・・
石原氏も「『台中合作』なんて言っていると、このままでは台湾は第2の香港になってしまうのではないか」「国民党が来てから60年だって? 台湾ってもっと昔からあったんですから。その辺の認識が台湾人のアイデンティティーと違う」と馬氏の対中姿勢や歴史認識に疑問符を付けているようですが、この「第2の香港」云々発言は、退任する陳総統との会談を受けてのコントラストでしょう。

台湾の民意は対中開放政策に概ね賛意を示しているようですし、日米両国も両岸のデタントに繋がる対話促進を期待しています。北京側も当面は「微笑外交」に努めるのでしょうが、先だって台湾のWHOオブザーバー参加案が否定されたように、台湾の主権や国際的な認知欲求に対して譲歩する気配は一向に見られません。「一つの中国」を前面に出し、台湾の外交的空間を圧迫する北京の外交攻勢にKMT馬政権がどう向き合うか、主権問題を棚上げにした有益な関係構築がどこまで出来るかは未知数ですね。中台直行便や観光客開放はすぐにでも可能でしょうが、EPAの枠組みに近い「両岸共同市場」の任期中の実現は困難だと思います。

KMT馬政権に変わっても、年間百万人以上が往来し、USD3億以上の貿易黒字を稼がせていただいている重要な隣国である事実に変わりはありませんが、林金茎さんのような日本語世代が取り持つ日華関係という光景は過去のものとなりそうです。旧来の浪花節的な対日アプローチも今後は後退局面でしょうから、その辺の変化には日本側も敏感であるべきでしょうね。

    



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