記者の武智幸徳さんが、3月9日付の日経のコラム「アナザービュー」
で「歩くサッカー」のことを紹介しています。
― 「おそらく日本で初めて」という触れ込みのサッカー大会に過日、
参加した。題して「ペンギンズ・カップ」。サッカー最大の禁忌は手を
使うこととされるが、この大会は「走るのもダメ」。ゆえに動きがペンギン
に似るので、こういうタイトルになったらしい。 (中略)
確たる統一的な競技規則はないものの、実際に試合をし、戸惑った
のはやはりルールの違い。ピッチの広さ、ゴールの大きさはフットサル
と同じだったが、クロスバーの高さを超えるボールを蹴ってはいけない。
ボディーコンタクトも禁止。何より困ったのはどうしてもペンギンになり
きれないこと。夢中になると速足でボールを追いかけ、笛が「ピー」。
(中略)
関係者によると、英国には900を超すチームが存在するという。
日本でも「ウォーキングサッカー協会」や「ウォーキング・フット
ボール連盟」が設立され、普及に取り組んでいる。(中略)
最大の魅力はユニバーサルな特性だろう。老若男女を問わず、
障がいの有無も関係なく、緩やかに、いろんな人とケガの心配
も少なく、一緒にまぜこぜになってサッカーを楽しめる。速度を
落とすことで、サッカーが、それまで予想だにしなかった人と
人との出会いを生む。そこから新しいコミュニティーが生まれる
可能性がある。 ―