ちまたから蛇の姿が少なくなったという印象は誰しも持っているだろう。蛇そのものに遭遇したくない人の方が多いだろうから、それを危惧する人も少ないだろうが、もちろんわたしもできれば遭遇したくない。マムシといえばそんな蛇の中でも噛まれると死にも至る注意したい蛇である。天竜川東岸の地域ではマムシが多いと言われ、子どものころ天竜川東岸地域の山の中に遊びに行くと、注意しろとよく言われたものだ。そう言われたものの、実際にマムシに遭遇したことは数えるほどだった。その後社会人になって飯山で過ごしたころ、関田山脈の麓の現場に行ってそれまで遭遇したマムシの数を一気に上回る数のマムシに1箇所で出会った。上回るなどという比ではなく、周囲には数えられないほどのマムシがとぐろを巻いていたのである。足をどこへ持っていこうか、と思うほどの状態で身動きができなかったほどだ。一緒に行った先輩もマムシは得意ではないようで、まともな調査もできずに現場を後にした。まさにこの季節、そして日本海側のジメッとした空気が異様な暑さを呼んでいた日だった。その後同じような現場に遭遇したことはなかったが、飯山にはマムシが多いという話を聞いた。
先ごろ我が家の水田の畦草を刈っているとまさにマムシに遭遇。しばらくすると水田の中に入っていったが、ちょうど妻が田の草取りをしていた時期だけに、妻も心配に。その後その水田で遭遇していないが、周囲でもそのあたりにはマムシがいると言われていたようだ。マムシが生息するところでは「やはり」という具合にマムシに遭遇するもの。妻の実家の周囲の土地にはけっこう「あそこにはマムシがいる」という場所があるが、幸い言われるほど遭遇していない。いても気がつかないだけで、昨年もわたしが草刈をしたあとに、妻が「マムシが切られて死んでいた」と教えてくれた。刈払機による草刈りはともかくとして、素手で作業をするようなときは注意をしなければいけないのだろうが、遭遇する機会が少ないのでそんな注意はすっかり忘れてしまう。わたしの生まれ育ったところではマムシに出会うことはなかったので、わたしの記憶の中の「マムシ」は縁遠いものという感じだ。
先日豊丘村の現場で作業をしようとしていると、地権者の方に「このあたりにはマムシがいるから気をつけて」と注意された。雰囲気的には今までマムシに遭遇した環境とはちょっと違うのだが(けっこうドライな環境)、聞くところによると周囲の水田では稲刈りの際にバインダーでマムシを一緒に刈ってしまい、稲架に干そうとしたら稲束にマムシが挟まっていたなんていう話もあったとか。
以前にも触れた ようにわたしは“かぶれ”安い。そして“かぶれ”るとマムシ酒を塗る。良いのか悪いのか解らないが、一応自分では効き目があると思っている。