前回は、自分を保つことの重要性について書きました。
そして今日はそうすることのできなかった人のお話しを
していこうと思います。
ずっと気になっているエネルギー・ワークの手法があります。
エネルギー・ワークとは、一種の気功だと思ってください。
身体の中には、目には見えないけれどエネルギーの通り道が
あります。
東洋医学では、それを経絡と呼びます。
「気」の流れが乱れると、その部分が不調を起こして
病気の原因になるとも言われます。
エネルギーワークは、気=エネルギーを
身体や精神に流すことで、心身のバランスをとる
ヒーリングの1つです。
ある日ネットで、私が興味をもっている手法を学んだという方の
ワークショップを見つけました。
その講師は私が学びたいと思っているエネルギー・ワークを
補助的に用い、独自のエネルギーを使って施術しているとの
こと。
とにかく申し込んでみよう!
そして行ってきました。
講師いわく、とあるエネルギー・ワークの本を読んでいたら、
読んでいる途中から、何らかのエネルギーが使えるように
なったのだそうです。
その当時は身体のあちこちが不調だったのが、
突然使えるようになったエネルギーワークによって自分の
身体を治すことができた。
そして試しに人にも使ってみたら有効であることが分かり、
この1年ほどヒーリングのセッションを行いながら、
誰もがこのエネルギーを使えるようになればと
ワークショップも開いているのだとか。
そのエネルギーはダウンロード型。
レイキで言うところのアチューンメント(伝授)です。
つまり、師から弟子にエネルギーを授けることで、
すぐさま弟子も使えるようになるタイプで、修行要らず。
講師からエネルギーを受け取ること5分ぐらい。
なるほど、確かに新しいエネルギーをキャッチすることが
できました。
内臓型冷え性の私。
自分のお腹に、久ーしぶりに人間らしいぬくもりを感じました(!)
私が普段行う「レイキ」やその他のエネルギー・ワークでは
遠隔(遠く離れた人へエネルギーを送ること)でも治療できる
のですが、クライアントさんの身体に直接手を触れた方が
ヒーリングの効率がよいとされています。
しかしその講師の手法は、手を身体に触れるよりも、
むしろ30cm~1mぐらい離した方がエネルギーが
強まるのだそう。
デモンストレーションで、1mぐらい離れた場所から
クライアントさんの背中にエネルギーを送るのを見せて
いただきました。
すると、エネルギーを送られているクライアントさんの
肌が、妙な動きをし始めます。
適切な表現ではないけれど、
筋肉の上で5cmぐらいの芋虫がニョロニョロと
這うように波打ってくるのです。
けれどクライアントさん本人には皮膚が動く自覚はなく、
生物学的にもやろうと思って動かせるような動きでは
ありません。
エネルギーワークを始めて分かったことですが、
私は骨を動かすのが得意なようです。
エネルギーを送ると「自然治癒力」が高まるのか、
歪みのある部分の骨や筋肉が、本来の場所に戻ろうと
動き出します。
骨盤は特に動きやすく、8cmぐらい動いたこともあります。
けれどその講師によるエネルギーは、骨や筋肉が自らの力に
よって元の場所に動くというよりは、外部からの刺激によって
変容を起こしているという感じでした。
これは興味深い!
そう思いました。
しかし講師自身がそのエネルギーを使い始めて間が
ないせいか、自分がつながっているエネルギーが
どんなものなのか不明確なようでした。
ひいては受講生への説明が漠然と抽象的です。
「あたたかい感じ、色が見えれば白なら大丈夫。
だけど冷たい感じ、オレンジや赤だったら、それは違う存在で、
危ないのでつながり直してください」
受講生は私を除いてヒーリング初心者。
その説明で大丈夫なの???
またヒーリングの本質をよく理解していない上で
使えるようになってしまったのが災わいしてか、
受講生へのリスクの説明がないことにも不安を持ちました。
エネルギーワークでは、施術する側にリスクが起こる
ことがあるのです。
私のような憑依体質だと、相手の痛みや不調を
変わりに引き受けてしまう。
そのため、自分の身体を防御したり、セッション後には
浄化することは欠かせません。
その日の受講生の中に、整体の仕事をしている人がいました。
彼が患者さんからのネガティブな影響を受けているのが
私には分かっていました。
話してみると本人にも自覚があり、ありとあらゆる病気や
怪我をしていると言います。
そして防御も浄化もしていないと言います。
気の毒になってそれらの方法をアドバイスしたところ、
横でそれを聞いていた講師から「そうなんですかー」と
言われたのに驚きました。
そうしてワークショップは終わり、1日おいて火曜日のこと。
知らない人からのメール。
読んでみると、ワークショップの講師の友達という人から
でした。
メールには、講師から頼まれてメールしていること、
できるだけたくさんの関係者に知って欲しいと書かれ、
講師からその友達へ送られたメールが添付されています。
内容を要約すると、
私は騙されていた。
エネルギーワークでつながっている先は高次の存在だと
思っていたけれど、実際は低次元の存在であった。
自分がエネルギーを人に流すことで、よくない霊を拡散
させるのが目的だった。
このエネルギーはとても危険。
絶対使わないでください。
私は今、身体が動かなくなってしまいました。
ワークショップを行った部屋にも近づかないでください。
私は多分、死にます。
・・といったもの。
にわかには信じがたく、目を疑う内容でした。
精神的に破綻してしまったのか、それとも本当に身体が
きかなくなってしまったのか、判断できませんでした。
私自身はネガティブな影響を受けた自覚は無いのですが、
そのメールの後にもお友達からのメールが何度か続きます。
「除霊の仕方はわかりません」「相談されても困ります」など
混乱ぶりが伝わってきます。
まぁ。なんと気の毒な・・・。
そして私、大丈夫か!?
こんなとき頼れるのはスーパー・スピリチュアル・カウンセラーの
N様!!
すぐさま相談してみると、
「えりりんは大丈夫。講師が心配している、エネルギーワークで
よくない霊を拡散させるということもないから大丈夫」と
お墨付きを頂いて安心(^^)
講師のお友達にもメールで報告し、
講師が早く元気になりますように。
彼が死に引っ張られないよう支えてあげてください、と
伝言をお願いしました。
その後、講師もだいぶ落ち着いてきた、と再びお友達から
メールを頂いて、私も心配から開放されつつありました。
しかし、これで終着とはいかなかったのです。
3日ほどして、お友達からメールが。
今度はごく限られた人にしかお知らせしていませんと
書かれた上で、講師が亡くなったことをお知らせください
ました。
読んだ瞬間、「ああ、食い止められなかったか」と
思いました。
人の死にまつわるエピソードを、こういう場で公開することに
ついて賛否両論あるかもしれません。
私もとても迷いました。
けれど、今回の件によって多くの人が学べることが
たくさんあると判断し、ここに掲載することにしました。
エネルギーワーク自体が危険だというわけではありません。
けれど、リスクを知った上で行うのと、知らないままに
行うのとでは大きな違いがあります。
エネルギーワークはとても有効な手段ですが、
単に技術を習得するだけでなく、「誰に」学ぶか、ということが
とても重要であることを私は今回のことで強く感じました。
師となる人の人柄、信頼度、知識、経験。
そして「目的」。
先日、「見習い魔法使い症候群」について書きましたが、
なんとなく不思議な世界に憧れる・・・という意識の人が
気軽に手を出すものではないように思います。
それはエネルギーワークだけを言っているのではなく、
人の悩みを聴く人、身体を治療する人、全般についてです。
スピリチュアルや癒しが流行りの昨今、
誰もがカウンセラーやセラピストを名乗ることができます。
最近では「なりたい職業NO.1」にセラピストやヒーラーが
入っているとか。
人のために尽くしたいと思う人が増えることを
私は歓迎します。
だからこそ、セラピストを名乗るからには責任を持って
仕事を全うしてほしいし、自分が受けるリスクについても
あらかじめ覚悟してほしいと思います。
このたび亡くなった講師は、ヒーリングの力はあったけれど、
それを使いこなす術を身に着けていなかったように思います。
また心理カウンセラーの目から見れば、自分の問題を
かかえて余裕のない状態で他者の援助に関わっているのが
わかりました。
他者を援助することで、自分の問題を先延ばしにしていた、
という方が合っているかな。
改めて『自分を保つこと』の重要性を思うこととなりました。
私はあまり死者とコンタクトをとる機会がありません。
しかし今回これを書くにあたり、一言断っておくのが筋だろうと
思って、亡くなった講師にチャネリングしました。
その方は自分がよくない霊を拡散してしまったと未だに
悔いているので(私はそんなことないと思うのですが)、
私がこのブログを通じて、リスクについての情報を拡散する
ことを承知してくれました。
講師のご冥福を祈ると共に、協力に感謝します。