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打倒テオフィモへの旅は続く /絶対王者の復活ロード第2章 - ロマチェンコ VS コミー プレビュー -

2021年12月12日 | Preview

■12月11日/MSG(Hulu)シアター N.Y./ライト級12回戦
元3団体統一王者/WBC・WBO1位 ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ) VS 元IBF王者/IBF4位 リチャード・コミー(ガーナ)

よもやの王座転落から早や1年と2ヶ月。

半年前の6月27日、およそ4年ぶりにラスベガス(ヴァージン・ホテル)のリングに登場した絶対王者は、テオフィモに大善戦した中谷正義をシャットアウト(9回TKO勝ち)。

復活への雄叫びを上げたウクライナ最大のボクシング・ヒーローが、復帰2戦目の相手に選んだのは、IBFのベルトを保持していたコミー。周知の通り、コミーもテオフィモとの対戦経験を持つ。

2年前の2019年12月14日、同じ殿堂MSG(2万人収容のメイン・アリーナ)でテオフィモの挑戦を受けたコミーは、強烈かつ鮮やかな右カウンターを浴びて第2ラウンド1分余りで轟沈。同年2月に獲得したばかりのベルトに別れを告げた。


テオフィモと戦った2人との連戦は、当たり前だが偶然などでは有り得ない。

五輪を連覇したアマのP4Pキングに大枚を投じて渡米させ、2戦目にフェザー級の世界戦を用意して以来、良好円満な関係を維持するトップランクの仕掛けであり、ロマチェンコ自身も納得づくのマッチメイクに違いない。

ところが・・・。肝心要のテオフィモに大異変が発生。先月27日に同じ会場で行った防衛戦で、オーストラリアの伏兵ジョージ・カンボソス・Jr.に判定負け。割れたジャッジのスコアはいずれも僅差(114-113,112-115,111-115)で、テオフィモは頑として敗北の受容を拒否。


「ダイレクト・リマッチ?」

ファンと関係者の視線が両陣営の動向を注視する中、口火を切ったのは憤懣やる方ないテオフィモ・シニア。

「聞きしに勝る酷いスコアだ。息子はベルトを盗まれた。オージーに与えられていいラウンドは、せいぜい2つか3つだ。後(9~10ラウンズ)はすべて息子のものだ。ニューヨークだけじゃない、試合を観戦した世界中のファンが、真の勝者が誰なのかを知っている。」

「再戦?。無い。勝利したのは我々だ。リマッチなど不要。140(ポンド/S・ライト級)に上がるべき時だ。135(ポンド/ライト級)でやるべき事はすべてやった。」


もともとテオフィモには減量苦の噂が絶えず、楽勝を予想された中谷戦での苦闘も、調整ミスが原因ともっぱらだった。

入札になったカンボソス戦の札をトップランクが落とし損ね、相次ぐ延期にフラストレーションを溜め込んだテオフィモは、絶対王者とのリマッチに否定的な見解を示した上で、カンボソス戦後の転級をテオフィモ自から語ってもいた。

「イージー・ファイト。初回で倒す。何の問題もない。その後は階級を上げる。ロマチェンコ?。完璧に勝った相手ともう一度やる必要がどこにある?。」


そう豪語したテオフィモは、言葉通りに開始ゴングと同時に強引に接近。強打を打ち込んで倒しにかかったが、ディフェンスへの意識と反応が手薄になったところをカンボソスの右で急襲され、先制のノックダウンを奪われてしまう。

立ち上がりの攻勢がけっして雑だった訳ではないが、上から目線で相手を見下ろすことにも限度はある。「格下のアンダードッグ扱い」はトラッシュトークの範疇に止めて、本番のリング上にまで持ち込むべきではなかった。

一度狂った歯車は、容易に元へは戻らない。正常な回転を回復できないままラウンドは進み、結果的に粗い攻防へと雪崩込んでカンボソスに利を与えてしまう。

冷静に立ち上がってさえいれば、おそらくは失わずに済んだであろう3本のベルトを譲り、丸腰での帰宅を余儀なくされる。


テオフィモ・シニアの発言を伝え聞いた新たな統一王者は、専門記者のインタビューを受けて逆襲。

「彼とのリマッチだけが選択肢じゃないからね。どの階級へ行くのも彼の自由だし、我々が言うことは何もない。どうぞお好きなように。」

「何しろこの階級はグッド・ネームに事欠かない。選り取り見取りだ。緑のベルト(WBC王座/デヴィン・ヘイニーが保持)も、できるだけ早く巻きたいと思っている。」

「だからこそ、マッチメイクには注意が要る。3つのベルトを懸けるのに相応しい相手かどうか、よくよく見極めないとね。」


機を見るに敏な妖怪ボブ・アラムは、早速メディアを使って認定団体をけん制(指名戦指示の重複回避)。先週末、無事防衛に成功したWBC王者ヘイニーとの4団体統一戦も視野に入れつつ、まずはカネのかからないプロモーションを開始。

「あらためて断るまでもないが、ロマは現在WBCとWBOのトップ・コンテンダー(1位)だ。両団体(とIBF)には、ロマを正式なロジカル・コンテンダー(指名挑戦者)として認めるよう求めたい。」

「オーストラリアは(ボクシング興行にとって)素晴らしいところだよ。ジョージ・カンボソスは、彼のホームで何時でもロマと戦うことができる(指名戦ではなく選択試合として)。」

「そんなに難しい話(交渉)にはならないだろう。遅くとも来(2022)年の暮れまでには、2人はオーストラリアで雌雄を決することになる。」


テオフィモとの再戦を強く望み、名誉の回復を追い求めるロマチェンコだが、直接的な雪辱の機会を得るのは簡単ではなく、日々困難な状況へと推移している。

コミーから赤いベルト(IBF)を奪ったテオフィモとの決戦前夜、4団体(フランチャイズ王者に横滑りさせられたが本来はWBCも保持)統一後の次なる目標について問われた絶対王者は、4階級制覇(更なる階級アップ)への野望を述べると思いきや、S・フェザー級への回帰に言及。

「130ポンドがベスト・ウェイト。135ポンドでは、体格差を感じることが少なくない。」

140ポンド契約でのパッキャオ戦も含めて、S・ライト級での新たな展開を構想していたに違いないアラムは、さぞかし拍子抜けしたのではないかと推察する。

ヘイニー,ライアン・ガルシア,ジョジョ・ディアス,カンボソスに加えて、ジャーボンティ・デイヴィス(マッチメイクの問題はさておき)らとの熱いライバル争いに大きな期待が持てる若きヒスパニック系の新星(テオフィモ)へと、御大アラムの中心軸が傾いたのではないかと、そんな気がして仕方がなかった。


だがしかし、ロマチェンコを破った途端、王様気取りで露骨な条件闘争に出てきたテオフィモ親子を、アラムが不快に感じていたのは疑う余地のないところ。

カンボソスとの指名戦の条件を巡るやり取りでカチンときたアラムは、幾らでも妥協・妥結できたに違いない交渉を敢えて入札に持ち込み、エディ・ハーンを巻き込んで自らの持ち出しを抑えた上で、テオフィモ親子にお灸を据える手段に出た。

突然割り込んできた(?)新興勢力のTriller(トリラー)が、600万ドル超(およそ6億5千万円)を張り込んで興行権をさらって行ったのは、完全に想定外のハプニングだったと思うが、その後のトタバタ劇には苦笑いするしかない。


眼前にぶら下がった巨大なニンジン(400万ドル超の報酬)を取り損ねたばかりか、虎の子のベルトまで失ったテオフィモが本当に140ポンドに上がった場合、ロマチェンコがその後を追って増量に打って出る確率はいかばかりか?。

多分だが、限りなくゼロに等しいと率直に思う。アラムの描く青図に従い、カンボソスから主要3団体のベルトを奪還することで、テオフィモへの雪辱も果たしたとの大団円を演出する腹積もり・・・。


完勝以外の答えを持たない中谷戦に続いて、ファイナル・プレッサーに登場したロマチェンコは、今回もまた余裕綽々。緊張の度合いは中谷の時よりやや高めではあるものの、落ち着き払ってジェントルな受け答えに終始。

「幾ら何でもお上品過ぎやしないか?」

互いにリスペクトを示し合うなごやか過ぎる(?)会見には、そんな斜め目線のチャチャを入れたくなるくらいの雰囲気が漂い、それは前日計量まで続いた。トラッシュトークにも応じたテオフィモ戦のヒートアップぶりが、どれだけ異常な状態だったのかをあらためて実感させられる。

追い詰められたテオフォモ戦の終盤、やらずもがなのヘッドバットまで繰り出し、らしくないラフ・ファイトに活路を求める姿には正直失望させられたが、中谷戦で披露した水も漏らさぬ出はいりと距離&間合いのコントロールは、絶対王者の健在を示すには充分なものだった。


直前のオッズを見てみよう。

□主要ブックメイカーのオッズ
<1>BetMGM
ロマチェンコ:-1000(1.1倍)
コミー:+600(7倍)

<2>5dimes
ロマチェンコ:-1400(約1.07倍)
コミー:+925(10.25倍)

<3>betway
ロマチェンコ:-901(約1.11倍)
コミー:+450(5.5倍)

<4>ウィリアム・ヒル
ロマチェンコ:1/8(1.125倍)
コミー:5/1(6倍)
ドロー:25/1(26倍)

<5>Sky Sports
ロマチェンコ:1/10(1.1倍)
コミー:6/1(7倍)
ドロー:20/1(21倍)


身長(公称173~175センチ?)とリーチ(180センチ)に恵まれ、戦績が示す通りパワーとスピードにも十分なアビリティを持つコミーは、綻びを見せたロマチェンコにはもっとリスキーな相手だと思う。

思いのほか差が付いたオッズは、テオフィモに早い時間帯で倒されたショックに引きずられる部分が大きいと感じる。

かく言う私も、中差以上の3-0判定でロマチェンコだろうと、その勝利までを疑う気持ちにはなれないけれど、無理に倒しにかかることなく、ジャブを多用して一定の距離をキープできれば、圧力を受けたロマチェンコが出足を逡巡する場面も有り得るのでは。

「サイズのアドバンテージを武器にしない手はない。リチャードは大型のライト級だ。勿論スピードもある。テオフィモのパワーに脅威を感じたロマチェンコは、明らかに腰が引けていた。わかっていない連中もいるが、リチャードのパワーも凄いんだ。」

ニューヨークに活動の拠点を移したガーナのパンチャーをサポートするアンドレ・ロジアー(ダニー・ジェイコブスのコーナーを任された名トレーナーの1人)が、どんな分析と準備で戦術を用意したのか。


自由自在に出はいりさせない事が第一にはなるが、敢えて引いて構えてロマチェンコの飛び込みを待ち、右の強打を合わせることにこだわり過ぎると、あっという間にペースを持って行かれる。

絶対王者を混乱に陥れる前にそうなってしまうと、ほとんどやりようがない。待ち過ぎることなく、能動的かつ先手で動く。どこまでも丁寧に、そして慎重に。

我らがリナレスにも叶わなかった難事を、テオフィモはやってのけた。もう一度やれと言われても、おそらくやり切れる自信がない。再戦に積極的になれないテオフィモ親子の事情は察するに余りあるけれど、コミーがどんなやり方で体格差と身体能力のアドバンテージを活かすつもりなのか、その点は要注目。


◎ロマチェンコ(33歳)/前日計量:134.4ポンド
前WBA・WBO統一ライト級王者(WBA:V2/WBO:V1),前WBCライト級(V0),元WBO J・ライト級(V3),元WBOフェザー級(V3)王者
※現在のランキング:WBA4位/WBC1位/IBF5位/WBO1位
戦績:17戦15勝(11KO)2敗
(2013年10月デビュー)
アマ戦績:397戦396勝1敗(2敗,あるいは3敗など諸説有り)
2012年ロンドン五輪ライト級金メダル
2008年北京五輪フェザー級金メダル
2011年世界選手権(バクー)ライト級金メダル
2009年世界選手権(ミラノ)フェザー級金メダル
2007年世界選手権(シカゴ)フェザー級銀メダル
2008年欧州選手権(リヴァプール)フェザー級金メダル
身長:168センチ,リーチ:166センチ
左ボクサーファイター


◎コミー(34歳)/前日計量:134.2ポンド
元IBFライト級王者(V1)
戦績:33戦30勝(27KO)3敗
アマ戦績:不明
※活動期間:2009年~2011年
身長:173(175)センチ,リーチ:180(177)センチ
※()内は以前に記載されていた数値/コミーは182~183センチと紹介される場合有り/Boxrecの身体データは誤記載が多く注意が必要
右ボクサーファイター


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□リング・オフィシャル:未発表


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■絶対王者の復活はあるのか?


※完全制覇の雄姿再び・・・?


読んで字のごとく、「The Undisputed Champion(疑問の余地が無い真実のチャンピオン)」としてライト級に君臨したロマチェンコ。

自らが「ベスト・ウェイト」と認めるS・フェザー級でも、その存在&安定感は頭1つ抜けていたが、伝統のライト級を安住の地と決め、4団体の完全制覇へと歩み出す。

きっかけとなったのは、アマ時代を通じてキャリア初となるノックダウンを喫した上、ポイントでリードを許しながらも、第10ラウンドに我らがリナレスをボディ1発で沈めた2018年5月のWBAタイトルマッチだった。


会場は今回と同じ殿堂MSGで、130ポンドのラスト・ファイトと位置づけた(筈の?)リゴンドウ戦(2017年12月/6回終了TKO勝ち)から、リナレス,WBO王座を吸収したホセ・ペドラサ(2018年12月/12回3-0判定勝ち)戦と、3試合続いて殿堂のリングに登っている。
※130ポンドのWBO王座を獲ったローマン・マルティネス戦(2016年6月/5回KO勝ち)を含めて通算4度登場

翌2019年は、英国のチャレンジャーとの2連戦。4月にロサンゼルスのステープルズ・センターで、リナレスと2度戦ったアンソニー・クローラを4回KOで一蹴すると、8月には大西洋を渡ってルーク・キャンベルに大差の12回3-0判定勝ち。

キャンベル戦には空位のWBC王座が懸けられ、この勝利を持って3団体を統一。コヴァレフから175ポンドのベルトを強奪したカネロにすぐに取って代わられはしたものの、リング誌のパウンド・フォー・パウンド・ランキングで栄えある1位に輝くなど、”絶対王者”の冠に相応しいボクシング・キャリアの絶頂を迎える。

そして残るIBF王座を手中にするべく、昨年10月のテオフィモ戦へと駒を進めたのだが、予期せぬ展開と波乱の結果が待っていた。


テオフィモに3本のベルトを譲り、リング誌P4Pランキングも大きく後退(直近では8位)。階級別でも、リング誌から目出度く新王者の認定を受けたカンボソス、1位に居残るテオフィモの後塵を拝して、2位に甘んじざるを得ない。
※3位:ヘイニー,4位:ジャーボンティ・デイヴィス,5位:ライアン・ガルシア(我らがリナレスは8位)

年齢的(年明けの2月に34歳になる)には、キャリアの第4コーナーに差し掛かっていると表してよく、長年磨き続けた技術がいきなり錆付くことは無いにしても、フィジカルの水準をどこまで維持できるのかという、トップ・アスリートなら誰もが直面する「加齢による衰え」との闘いはより一層厳しさを増す。

「映画マトリックス」になぞらえられた独特のムーヴィング・センスは、「ハイテク」の呼称に象徴されるロマチェンコの独自性を嫌でも際立たせるが、「ハイテク」を「ハイテク」たらしめる鋭い反応と敏捷性は、優れたスピード(手足&身体全体)によって担保されている。

ロマチェンコにとって「スピードの劣化(とりわけ脚=下半身)」は由々しき一大事であり、反応の鈍化は命取り以外のなにものでもない。かつてのマイク・タイソンがそうだったように、「小兵の不利」が一気に健在化して、リカバリーのしようがなくなってしまう。


雪辱に燃えるテオフィモはロマチェンコとのリマッチに否定的で、ステージ・パパのコメントに従って本当に140ポンドに上がるようなら、再戦の目は十中八九費える。

そうこうしているうちに、今が盛りのジャーボンティ・デイヴィス(27歳)、若いヘイニーとガルシア(ともに23歳)へと、135ポンドの主役は確実に移って行く。

S・ライト級のベルトを返上したデイヴィスは、ライト級を主戦場にするとの意思を明らかにしてはいるが、ウェイトの維持はけっして楽ではない。

また、テレンス・クロフォードとショーン・ポーターの指名戦がまとまったとは言っても、ヘイモンのグループとGBP&トップランクを巡る対立の構図が根本から改善された訳ではなく、身体は小さくともパワーとバネに恵まれ、140ポンドでも充分にやれるフィジカルを証明したデイヴィスとのマッチアップは、ロマチェンコが積極的に望むところではないだろう。


リナレスとテオフィモが示した「ハイテク絶対王者攻略法」の具体的な技術と手法は非常にハイ・レベルで、誰もが容易に真似できるものではないが、今後ロマチェンコと対峙するボクサーとそのチームは、多かれ少なかれ参考にしてくるのは間違いない。

完成度は前二者には及ばないにしても、スピード&アジリティを併せ持つヘイニー,ガルシアなら、それなりの格好にはできそうだ。

しかもこの2人には、ロマチェンコとディヴィスにはない「サイズ(特にガルシア)」がある。まだまだ甘さと青さを残してはいるが、できるものなら対戦は回避したいと、ウクライナ陣営が交渉に消極的になったとしても不思議はない。


※プロ入り以来変わることのないチーム・ロマチェンコ/左から:実父でトレーナーのアナトリー,マネージャーのイーギス・クリマス(旧ソ連のトップ・ステート・アマを次々渡米させた辣腕),ご存知ボブ・アラム,ロマチェンコ


”ハイテク絶対(元)王者”をとりまく環境は、日々過酷さを増すばかりといった様相だが、それでも中谷戦のパフォーマンスは良好と評するべきある。

攻防の荒々しさと激しさが必ずしもマイナスとは言い切れないカンボソスを、テオフィモに比べて組し易いと断定するのは早計ではあるものの、ウクライナ陣営は「狙い目」だと捉えているのでは。

カンボソス戦を確実に引き寄せる為にも、今回の内容と結果は中谷戦以上に重要なポイントになる。ただ勝つだけでは駄目だということ。


一度はIBFの王者になりながら、テオフィモに敗れてロマチェンコとの4団体統一戦をフイにしたコミー(ロマチェンコより1歳年長)も、この一番にボクシング人生を賭けている。

2018年の始め、長年コンビを組んだヘッド・トレーナー,カール・ロッコと別れて、新たにチームを組んだアンドレ・ロジアー(ダニー・ジェイコブスをサポート)とは、テオフィモに喫した大きな敗北の後も関係を継続。


※写真左:コミーとアンドレ・ロジアー(現在のチーフ・トレーナー)
 写真右:世界の檜舞台を目指していた頃のコミーとカール・ロッコ(元チーフ)


2017年の夏、ニューヨークの新たな顔役ルー・ディベラとプロモート契約を結び、ロジアーのホームタウンでもあるビッグ・アップルに活動のベースを移して以降、チーム体制の大幅な刷新や見直しに着手する動きは無し。

ヘイモンのグループと緊密な関係を築きつつ、アラムとデラ・ホーヤ,エディ・ハーンとの共催も問題なくこなすディベラの傘下に入ったことは、コミーのキャリアを大きく前進させた。


※コミーとルー・ディベラ(現在のN.Y.を代表するプロモーター)


「準備に抜かりはない。過去最高にハードなキャンプで追い込み、最高の状態に仕上がっている。」

「元IBF王者」の肩書きに厚みをつけ、ボクシング人生のラストにもう一花を咲かせる為にも、明白な勝利は難しいにしても、拮抗したラウンドを1つでも増やして、好勝負の評判だけは確保しておきたいところ・・・。


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■主なアンダーカード

ヘビー級の若きニューカマー,ジャレッド・アンダーソン(プロ10連勝全KO)、15連勝(6KO)中の中量級プエルトリカン,ジョン・バウサが8回戦に登場する他、ウェルター級のニュー・ジェネレーション,サンダー・サヤス(プエルトリコ/11連勝8KO)、リオ五輪のL・ヘビー級代表からプロ入りしたジョセフ・ウォード(アイルランド/6勝3KO1敗)も6回戦を予定。

今年2月にデビューして3戦をこなした後、東京五輪の代表として来日。見事銀メダルを持ち帰ったキイショーン・デイヴィスが、6回戦でプロのキャリアをリスタート。

キイショーンの実兄ケルヴィン・デイヴィス(185センチのウェルター級/3戦全勝2KO)も、4回戦に出場。

また、話題のS・ミドル級,ニコ・アリ(モハメッド・アリの孫/2戦2勝2KO)が、8月のデビュー戦から丁度2ヶ月のスパンで3戦目を迎える(4回戦)。

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