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RVでの小旅行。

映画「バトルシップ」を観に行きたい

2012-04-05 21:01:11 | 映画
ハワイでのリムパック(環太平洋日米合同演習)の最中に謎のエイリアンが襲来、敵の張ったバリヤーの中に残された三隻の戦艦に残された兵士たちがエイリアンと死闘を繰り広げる・・・と云う話。何と云っても、ユニバーサル映画100周年記念作品で在りながら本国よりも日本公開の方が1ヶ月も早いという異例中の異例だ。

「バトルシップ」の意味は勿論「戦艦」である。「戦艦」とは、水上艦隊の主力として敵艦隊との決戦を任務と想定されていて、大口径砲とそれに耐え得る装甲を備え、極めて巨大な艦種となり、主力艦と呼ばれ、戦艦の保有数=海軍力だった時代もあった。だが、旧日本海軍の「戦艦大和」に代表される大艦巨砲主義としての超弩級戦艦は第二次世界大戦末期には航空戦力に取って代わられた。今日の海戦に於いては、レーダーを駆使し直接目視できない距離で戦闘を行う事となり、巨大な標的として航空戦力や潜水艦への防御が劣る戦艦の役割は既に実戦では存在しない。アメリカ海軍が、最後までアイオワ級4隻を保有していたが、単なる艦砲射撃用プラットフォームとしての保有であって、本来の戦艦としての役割ではない。それも退役したので、現在は保有している国はないし、予見し得る将来に復活する可能性もない。つまり、題名の「バトルシップ」=「戦艦」は今日には存在しない過去の遺産である。これが題名に付いている時点で、映画の落とし処は・・・退役している筈の戦艦が謎のエイリアンとの闘いに雌雄を決し・・・人類が勝利する映画となる筈だ。

そして、ユニバーサル映画の意図としては、第二次世界大戦で日米が開戦した地ハワイでの日米共同しての対エイリアン戦での勝利を以て日米が共同すれば世界の問題は総て解決できるだろうと云う一種のプロパガンダとなっているのだろう。ユニバーサル映画100周年記念作品で日本人「浅野忠信」がハリウッド2作目なのに準主役として抜擢されている事からも明らかだ。

大艦巨砲主義的「戦艦」は、今日の海戦では全く役に立たない。現代の海戦はイージスシステムを搭載したミサイル巡洋艦やミサイル駆逐艦であり、そのミサイル・キャリアを守る為の航空戦力とセットとなっている。作中の架空のリムパックにしても同じ事だ。視認できる敵艦に艦砲射撃をするのではなく、レーダーレンジ内の見えない敵艦に誘導兵器を叩き込む・・・やられる前にやっつけるのが現在の海戦のセオリーだ。この架空のリムパックでは「バトルシップ」と云う名のゲーム・・・日本名「海戦ゲーム」を模して行われる様だ。


エイリアンによる侵略モノ映画「スカイライン ー征服ー」での過去記事「スカイライン ー征服ー 2011-06-20 23:28:15 | 映画」にも書いたが、地球制服にやってくるエイリアンは、人類には実現出来ない恒星間航行を果たして地球に到着している訳で、その科学力の差は歴然と存在する為に人類に勝ち目は無い筈だ。そう云った意味で映画「スカイライン ー征服ー」は、有料予告編と酷評したモノの、当然の帰結として人類はエイリアンに征服されてしまった。悲しい現実だが、恐らく、当然の筋書きとなるだろう。但し、映画「スカイライン ー征服ー」では異形の身体に移植されたジャロッドは人類としてのアイデンティーを保持している事から、続編が創られようが創られまいが、人類からの反撃が始まる事は明らかだろう。(過去の米国ドラマ「謎の円盤UFO」の様にエイリアンは地球人類を生体部品として欲していると云う設定だ)

だが、公開されている予告編と先週貰ってきた映画パンフレットを眺めて考えると・・・、本作では科学技術では大きく劣る人類が、過去の遺物である戦艦の艦砲射撃に拠ってエイリアンのガンシップに一矢を報い、あわよくば、恒星間航行をしてきた高度な科学技術を持つエイリアンに勝利してしまうと云う筋書きなのだろう。

舞台がハワイという設定から、その戦艦はミズーリ以外考えられない。尚、ミズーリは動態保存されていてクルーOBが働いている見学ツアーに参加すると砲塔を旋回させてくれるらしいので艦砲射撃は可能なのかも知れないが・・・、都合良くミズーリに40.6cm砲の砲弾が置かれている筈は無いと思うのだが・・・。

エイリアンの誘導兵器防御システムが、人類の電波誘導兵器を脅威と認識し、無誘導で放たれる巨大戦艦の艦載大砲を脅威と看做さない・・・事が(もし)勝敗を分けるとすれば、艦砲射撃初弾でエイリアンのガンシップを壊滅させなければならない筈だ。初弾で充分なダメージを与えられないと二弾目の発射を待ってくれない事になる。最も、恒星間航行を可能とする科学技術を保持するエイリアン船なら人類に誘導兵器を封じるECM(電子妨害装置)は当然装備しているだろうから、誘導兵器を無誘導(慣性誘導)で打ち出す事が緒戦の反撃方法となるのカモ知れない。だが・・・誘導兵器から誘導を解除すると、狭いバトルフィールドの中ですら命中するとは思えない。敵ガンシップが大人しく巡航ミサイルの到達をホバリングして待っていてくれるとは思えない。現在の艦対艦ミサイルはGPSとINS(慣性航法装置)を搭載していて電波やレーザー誘導に頼らず飛ばす事も可能だが、高速で移動する敵ガンシップの動きを事前に予測して目標位置で爆発させる設定を行い続けるのは基本的に不可能だ。カメラ誘導(可視光ホーミング)ならECM下でも誘導攻撃可能だろうが・・・、恐らく登場しないと予想する。私は特段軍事マニアでは無いが、日米合同軍の武器選択に着目すべきカモ?

ま、何れにしろ、御都合主義で無誘導(慣性誘導)でぶっ放すミサイルが敵艦の数を削ったモノの、人類側の戦闘艦は全滅し、最後の敵艦をミズーリの艦砲射撃でぶっ潰す・・・御都合主義のハッピーエンドとなる筈だ。

申し訳ないが、本来なら舞台道具として何を持ってこようと・・・人類には勝ち目がない筈だ。エイリアン達はハワイに設置されたパラボラアンテナを奪取しエイリアン本隊に連絡しようとしている・・・と云う設定自体がウンと肯けない。量子通信ではなくパラボラアンテナで行う通信は恐らく通常の電波通信の筈で、ローテクのパラボラアンテナから超光速通信が放たれるとも思えないので、もしエイリアン攻撃船3隻を撃滅したとしても常識的な通信可能範囲内には敵本隊は居る筈だ。通常の電波通信で情報を送信する以外の通信手段を彼らが持ち合わせないのも肯けない話だが、そうだとすれば、恒星間航行が可能なエイリアン船1隻でも逃げ帰れば電波通信以上の早さで情報が伝達される筈なのだ。偶発的に人類の水上艦と戦闘に入ったとしても大気圏内から最大速力で離脱を図れば、人類の水上艦の攻撃レンジ外からジックリと殲滅する事も可能の筈だ。

負ける筈のないエイリアン側が負けてしまう人類側ハッピーエンドの陰には、エイリアン側の歴史的に御馬鹿な指揮官の存在が在るのかも知れない。予告編とパンフレットで筋書きは読めてしまうが、その無理を、どう辻褄を合わせるのかが見物だ。歴史的なB級SF超大作となる筈の「バトルシップ」・・・絶対見に行くぞ~。

#尚、私が得意がって粗筋を捏造して披露してしまった為・・・、行きたくな~い「シャーロック・ホームズ・シャドーゲーム」の方が良いと妻子に言われていて・・・、メンズデーの最終上映を独りでコッソリ観に行く事になるのカモ?水上艦対恒星間航行可能なガンシップの戦闘、そして、火を噴くミズーリの50口径40.6cm砲・・・、竹槍でF4を撃墜したと云われるベトナム戦争を彷彿とさせるハンディキャップ戦に辛くも勝利する日米合同軍の勇姿を観に行かなければ・・・と思いませんか?

映画「バトルシップ」公式サイト
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