Trips with my RV.

RVでの小旅行。

ネバーエンディング・ヱヴァンゲリヲン?

2012-11-25 13:47:14 | 映画
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q HD


序と破はTVで2週連続で放送していたので、新劇場版BDを持っている我が家なのにTV版を観てしまった。噂ではTV放映版はバージョンが違うと云う。TV版は1.01で、BDは1.11なのでBD版の方がバージョンが新しい筈なのに・・・TV版の数字が若いバージョンの方が映像が新しいとはコレ如何に、である。

で、2週に亘ってTV放映版を観たらマインドコントロールにかかって土曜日にはQを観に行きたくなってしまう。(本来なら、すこし落ち着いた頃・・・2~3週間後に行こうと思っていた筈なのに・・・)レイトショーなら空いている・・・と変な思い込みに囚われて土曜の夜にフラフラとムービックス倉敷に行ってみたら空席無しで満員御礼だった。え゛、2週連続TV放映後の初日を甘く見ていたようだ。

人混みが嫌いな私は(大混雑するだろう日曜日はガマンして)こうしてブームも去りつつある月曜のLSで観た次第。人混みが嫌いな私は(大混雑するだろう日曜日はガマンして)こうして月曜のLSで観た次第。今時には珍しい二本立てで、冒頭には約10分の『巨神兵東京に現わる』が上映された。これは東京都現代美術館で2012年7月10日より開催された展覧会「館長 庵野秀明特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」にて公開された特撮短編映画であり、商売度外視の役所の金を使って現代の最高の技術でミニチュア特撮映画を創ったモノだ。何度か公開が延期され、大幅に予算オーバーを繰り返しながら・・・建設業界に於ける追加工事の如く(実際に、特撮ミニチュアは建設工事なのだろうが)途中まで出来かがったミニチュアでは映像作品にはならないと追加予算に次ぐ追加予算で当初の予算計画の数倍を投入して創った商業的には絶対達成不可能なミニチュア特撮の最高峰である。今後は、ミニチュア特撮に携わる職人さんも居なくなるので、今後はこれ以上のミニチュア特撮が創られる事は絶対にないだろう。この貴重な文化的遺産は映画館の大スクリーンでこそ観るべきだろう。

以下は、ネタバレである。ネタバレと云っても正鵠を突いていると云う自信はないのでEVAの解読を心掛けて居られる方には雑音にしかならない。そもそも庵野秀明氏は謎解き厨をディする事に喜びを見出す変態なのだ。






























新劇場版は「序破急」で描かれるのかと思っていた。序破急は、日本の伝統音楽の概念だが、剣術や華道等々に代表される芸道一切・・・○○道と云う日本人好みの芸道教育全般で使われた三段構成の概念だ。雅楽では、「序」が無拍子かつ低速度で展開され、太鼓の拍数のみを定めて自由に奏され、「破」から拍子が加わり、「急」で加速が入り一曲三部構成を成す。新劇場版「序」が封切られた時点で3幕構成だと宣言したにも等しいのだが、お金儲けと云う大人の事情で4幕構成+αとしたくなったのだろう。

四段構成を表す「起承転結」と云う言葉がある。元々、漢詩の絶句(4行詩)の構成の事で起承転合とも云う。「起」は物語の導入部。これから物語を読む上で必要な知識を紹介する部分だ。「承」は、「起」で提起した事柄を受け、さらに進めて理解を促し、物語の導入である「起」から、物語の核となる「転」へつなぐ役目を果たす部分。ここは単純に「起」で紹介した物語を進めるだけで、次に続く「転回」または「展開」が誤解されることがないように備えておくものであまり大きな展開はないのが普通。「転」は、物語の核。物語の中でも最も大きな転機を見せる部分であり、読者が知らなかった事柄や想起を超える展開をすることによって関心や興味を引く部分である。「結」は、物語が進んだ結果「転」での結末が最終的にどうなったのかを描いて物語を締めくくる部分であり「オチ」だ。この上には五段構成を意味する「起承鋪叙結」も、六段構成の「起承鋪叙過結」も控えているが、今回の「Q」の内容は「鋪(=具体説明)」では断じて無く「起承転結」に於ける「転」であると思えるので、次回作は「結」である筈だ。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と続いてきて、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」だ。シンが真か新かも判らないが「ヱ」が「ェ」の旧TV版の表記に戻っている。

こうした小ネタを庵野氏自らがチョコチョコ考え出されているのか否かは判らないが、御本人のインタビュー記事では娯楽目的の創作物として、意図的にシナリオ考証から逸脱させる(辻褄を合わせない)と仰っておられる。過去監督という立場で携わって思い道理に出来た作品は、意図的に尻切れトンボとなる様に創ってきていて、その理由が制作時間が足りなかったとか、予算不足とか、様々な言い訳を連ねているが、恐らく全部嘘だろう。

この理由は、庵野秀明が「ツンデレ(初めはツンツンして敵対的だが、何かのきっかけでデレデレと過度に好意的状態に変化する)」と云う言葉の真反対の「デレツン」の乙女であるからだろう。「デレツン」の乙女と云う表現が穏当でなければ、メンズ・フレンドリーな露出的衣装(マイクロミニ等?)を着ていながら過剰な貞操観念の鎧を着た女性・・・的な傾向が強いのだろう。

現存する最高レベルのオタクである同氏は世のオタクの好みの最大公約数を熟知した上で、小賢しいオタク共をディスりたい(disrespectしたい)欲望に燃えているのだろう。だから・・・一般人レベル以上の謎解きを始めると・・・不幸になってしまうのだ。先ずは公式サイト上での次回作の公開予告が消滅している。「:Q」封切り直後には確か「2013年公開」となっていた筈だったが・・・、腹を立てて次回作をボイコットする不届き者が戒心する時間的余裕を加えたのだろう。来年中に新劇場版のエンディングを観られるとは思わない方が良いだろう。



破のエンディングで「最強の拒絶タイプ」(by 冬月)である第10使徒(旧TV版第14使徒ゼルエルの進化形)に、搭乗者(綾波レイ)ごと零号機を捕食される光景を見たシンジが、総てを捨てても綾波を助けようとした処、内部電源切れした初号機を「疑似シン化第1覚醒形態」に覚醒させ「神に近いモノ」へと変貌させてしまう。シンジは、その「神に近いモノ」の力を借りて第10使徒を圧倒し使徒のコアから捕食された零号機のコアとレイを救い出したモノの取り込んでしまい・・・更に形象崩壊した第10使徒をも取り込んでしまい初号機は「疑似シン化第2形態(コアを2つ持つ三眼)」へ変貌しサードインパクトが開始されてしまう。「破」の終了後(エンドロールの後)に、月より飛来したMark.06を駆る渚カヲルが、槍で初号機のコアを貫いて、既に開始されていたサードインパクトを強制終了させた。

戦闘作戦指揮を執っていた葛城ミサト1佐(NERV戦術作戦部作戦局第1課課長)は、薄々「碇ゲンドウ(NERV最高司令官)」や「ゼーレ」らは「特務機関NERV」を隠れ蓑に EVANGELIONを使って、地球人類の為にならない「人類保管計画」なる得体の知れない計画を実行中である事は判っていて、人類を死滅させてしまうサードインパクトを防ぐ事が自らの使命だと「特務機関NERV」とは独立して活動していた節がある。

だが新劇場版「破」では、「行きなさい!シンジ君!!」制止する赤木博士「ミサトー!?」を封じて「誰かの為じゃない、あなた自身の願いの為に!」と叫んでしまった。(ま、この命令が届いたとは思えないし、止めなさいと云われても頭に血が登ったシンジ君が人の意見を受け入れるとは思えないが・・・)これは旧TV版での絶命前の心変わりと同じなのカモ知れない。全人類の行く末よりもシンジ君自身の願いを果たせと告げた訳だ。つまり・・・、全人類を犠牲にしてもシンジ流の人類保管を果たせと云ったのだ・・・と思う。

「初号機が、ヒトの域を超えている」
「プラグ深度、180をオーバー!もう危険です!」
「やめなさいシンジ君!ヒトに戻れなくなる!」

「僕がどうなってもいい。世界がどうだっていい。だけど綾波は、­せめて綾波だけは、絶対助ける!」

シンジ君は自らの行動が何を招くかは一切知らないし想像もしていないだろうが、旧TV版でも新劇場版でもE計画担当の赤木リツコ程の完全さは無いにしても、セカンドインパクト只独りの生き残りとしても葛城ミサトはサードインパクトのもたらす無関係な人類への災厄は知らない筈が無いのだ。事前に察知した渚カヲルがサードインパクトを収束させる事は(少なくとも)葛城ミサトには予測不可能だった筈なのだ。

そして、第10使徒のコアに融合してしまっていたレイ・・・ 「駄目なの、もう・・・私はここでしか生きられないの」 を引き剥がした。

この明確な目的意思が欠如したサードインパクトが進行していたらと仮定して、旧TV版の様にカヲルがシンジ君へ適切なナビゲーションを施せていたとは思えない。新劇場版のシンジ君はサードインパクト時点ではカヲルは知らない人でしか無いし、レイは自らと融合していて自分自身に認識がないサードインパクトの意味を考えたりはし得ないからだ。だから、起きてはいけないサードインパクトはカヲルに止められた・・・のだろう。

その後は、セカンドインパクトを生き残った人類も大部分がサードインパクトの犠牲となり死んでしまった地球では、サードインパクトの責任追求の為に「特務機関NERV」職員の投獄や解体が行われ、シンジ君とレイ(と第10使徒も)を取り込んだままの初号機は宇宙空間に放棄されたのだろう。

新劇場版Qが描くのは、このサードインパクトから14年後の世界である。

本文欄に引用した予告編は・・・


「レイとシンジを取り込んだまま凍結されるエヴァ初号機。」

KEEP OUT
EVA-01 RESTRICTED AREA
NO ENTRY BEYOND THIS POINT
( 立ち入り禁止
EVA-01関係者以外立入禁止
このポイントを超えて進入禁止)

「廃棄される要塞都市。」

KEEP OUT
TOKYO-Ⅲ
NEAR THIRD IMPACT
GROUND ZERO
(立ち入り禁止
第三新東京市
ニア・サードインパクト 爆心地 )

「幽閉されるネルフ関係者。」

KEEP OUT
NEAR THIRD IMPACT EYEWITNESS
DEBRIEFING IN PROGRESS
NO ENTRY WITHOUT AUTHORITY
(立ち入り禁止
ニア・サードインパクトの目撃者
ディブリーフィング(緊急事態ストレスPTSD対応聴取)進行中
   権限なしに立入り禁止)

  「ドグマへと投下されるエヴァ6号機。」

KEEP OUT
LILITH PRESERVATION SITE
ACCESS STRICTLY RESTRICTED
(立ち入り禁止
リリス保全サイト
厳しくアクセス制限中)

「胎動するエヴァ8号機とそのパイロット。」

KEEP OUT
EVA-08 CONSTRUCTION AREA
NO UNAUTHORIZED ENTRY ALLOWED
(立ち入り禁止
EVA8号機の建造場所
権限の無い立ち入りは許可されない)

「ついに集う、運命を仕組まれた子供達。」

KEEP OUT
SEELE CHILDREN'S ASSEMBLY IN SESSION
DO NOT ENTER
{立ち入り禁止
ゼーレの子供達の集会が召集
立ち入り禁止)

「果たして、生きる事を望む人々の物語は、どこへ続くのか?。」

KEEP OUT
PRIVATE CONFERENCE BETWEEN
MARI MAKINAMI ILLUSTRIOUS & XXXXXXXXX
DO NOT ENTER
(立ち入り禁止
マリ真希波イラストリアスとXXXXXXXXの
個人的な駆け引き)

『次回 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 Q Quickening』
「さぁ~て。この次も。サービス、サービスゥ!。」

で、この予告編を信じて映画館に足を運ぶと・・・見事にしてやられる。 「レイとシンジを取り込んだまま凍結されるエヴァ初号機。」" TOKYO-Ⅲ
NEAR THIRD IMPACT GROUND ZERO" 「幽閉されるネルフ関係者。」 「ドグマへと投下されるエヴァ6号機。」 「胎動するエヴァ8号機とそのパイロット。」 は、恐らく・・・「破」と「Q」の間の14年間に起きていた事で、今回の「Q」では一切描かれていない。更に、「ついに集う、運命を仕組まれた子供達。」も "PRIVATE CONFERENCE BETWEEN MARI MAKINAMI ILLUSTRIOUS & ■■■■■■■ " も「Q」では描かれていなかったので、これも「破」と「Q」の間の14年間に起きていた事なのだろう。だから、このバージョンの「Q]の予告編は、「破」から「Q」の間の14年間に起きていた事であり、直接「Q」の内容に 関係がありそうなのは 「果たして、生きる事を望む人々の物語は、どこへ続くのか?。」と 『次回 ヱヴァンゲリヲン新劇場版 Q Quickening』位だろう。

「レイとシンジを取り込んだまま凍結されるエヴァ初号機。」
" TOKYO-Ⅲ NEAR THIRD IMPACT GROUND ZERO"
「幽閉されるネルフ関係者。」
「ドグマへと投下されるエヴァ6号機。」
「胎動するエヴァ8号機とそのパイロット。」
「ついに集う、運命を仕組まれた子供達。」
"PRIVATE CONFERENCE BETWEEN MARI MAKINAMI ILLUSTRIOUS & ■■■■■■■ "

・・・等々が、起きた14年間が過ぎた。シンジ君とレイと第10使徒を取り込んだ初号機を奪還するシーンからスタートする。奪還と云うからには、この初号機が封入された十字架形の棺は、新地球政府が衛星軌道上に永久に投棄されていた筈のモノだ。自動防衛の為の質量兵器(マスドライバー)が装備されている。改2号機+ロケットブースターで取り付いたアスカが減速させ周回軌道から落とし大気圏再突入させようとしている。地表に降ろした初号機を反NERV組織ヴィレ(WILL-E)の旗艦「AAAヴンダー」の主機(メインエンジン)にしようと思っているのだが・・・、その「シンジ君とレイと第10使徒を取り込んだ初号機」の棺には使徒(第10使徒改)が居た。(まぁ、当たり前だろうけど)

軌道高度を稼げなかったコネメガネ(真希波・マリ・イラストリアス)が遠隔射撃で援護する中、改2号機のアスカが第10使徒改を撃退しようとしていたが大気圏突入まで時間がない。そこで応えてくれる筈のないシンジ君に「何とかしなさいよ!バカシンジ!」助けを求めてみたら初号機が(目からの?)光線兵器で参戦し第10使徒改を撃退。ヴィレ(WILL-E)は初号機奪還する「US作戦」に成功する。改2号機の持つ大気圏再突入シールドで改2号機は初号機を地上に降ろす。この流れ星を見た「カヲル」は、「お帰り碇シンジくん、待っていたよ」と言う。

反NERV組織ヴィレの旗艦「AAAヴンダー」の中でシンジ君が目が覚める。どうやら、奪還した初号機からサルベージされたらしい。(因みに、レイはサルベージされなかった。元々レイは初号機コアにダイレクト・インプラントされサルベージ不可能となった碇ユイから僅かにサルベージされたユイの一部だったのでユイが補完された訳)そして、14年経ったミサトやリツコら元NERVメンバーと再会する。

ネタバレとして、大部分の映画紹介では粗筋をツラツラ書いてきたが、封切り後1週間を経て、多くのサイトでは細かい台詞入りで詳細なアラスジが公開されているので拙ブログでは割愛する。

で、庵野氏の嫌いな謎解きだ。

何故、葛木艦長はサルベージされたシンジ君に冷たいのか?・・・だが、綾波レイ(Ver.2)たった1人助ける為に世界を滅ぼし、シンジ自身の望む人類補完もやり遂げなかったから・・・だと思う。「行きなさい!シンジ君!!」「誰かの為じゃない、あなた自身の願いの為に!」と全人類の幸福よりも、葛城ミサト自身の幸福よりも、シンジ君の望む幸福を受け入れる覚悟をした・・・にも関わらず裏切られたからだ。(裏切られたと感じる自分自身が存在している事に怒っている)復讐の為に、ダメなファザコン息子を育成してみたが、結局は全世界を犠牲にして親子で失われた碇ユイを取り戻そうとしているだけだった。だから、EUのバックアップを受け組織されたヴィレに加わっているのだが、再び駄目シンジにチャンスを与えてしまう。

アダム若しくははリリスと呼ばれる「生命の起源」が存在し、それを元に「汎用ヒト型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」を製造し、定期的に使徒が攻めていると云う世界観は単なる舞台装置であり、駄メンズ好きに立派なメンズとなるように育成された少年が、少年自身も駄メンズからの脱却を頑張ったけど・・・やはり根っからの駄メンズは駄メンズのままだった。でも、駄メンズ好きの女性は、裏切られても騙されても駄メンズが好きなんだよねぇ~と云う話。育成ゲーなので、今回が駄目でも次回もチャレンジすればOKだけど、恐らくやっぱり、次回は次回で駄目なんだろうけど・・・と云う終わりの無い話。
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