自序
神国日本が興亡を賭して、人類解放の為の決戦を戦いつつあり、過酷なる局面の展開就中南に山本元帥の戦死、北にアッツ島の山崎部隊長以下勇士の玉砕、実に容易ならざる世界戦争の容姿を見る。この秋、この際、完勝の一途に邁進中の一億国民は肝に銘じて心すべきことは果たして何か?
それは他の事に非ず。吾々の真の敵を意識することである。思えば満州事変と日支事変、大東亜戦争と一連んの歴史的必然を以て、好むと好まざるとに因らず、世界の最終戦へ歩一歩突入来りしなるものを知る。
しかもその背後には影の如く付きまとう、ユダヤ勢力の恐ろしい喚馨と奸悪極まる陰謀の魔術が存在しており、今なお執拗に妖しき糸を操る彼らの術策を真に理解せずして大東亜戦争の性格も、世界戦争の意義も到底理解することは不可能である。
世上動もすると、ユダヤ問題を軽々に取り扱う者あり、或いは又何もユダヤ問題にこじつけんとする偏見論を知る。
神国日本が肇国の理想を世界に光被せんとすれば、金権と謀略を以て世界攻略を必死に企図しつつあるユダヤ人との決戦は避くべからず宿命的課題である。
されば、世界救済の一大使命の完遂には是非共ユダヤの全貌を把握するは勿論、ユダヤとの決戦を覚悟しておく必要がある。
貧書であるが、これに因りて一人でも多くの人にユダヤ問題が解って戴ければ著者としてこれに過ぎる喜びはない。付録としてユダヤ問題研究のために参考となる様な著書を紹介して読者諸彦の便に供して置く。
昭和18年6月21日
於事務所 岩佐圭奘 識
一 ロイド・ジョーヂの言
「ユダヤ人とフリーメーソンの事を知らないで一国の、総理大臣又は外務大臣たる資格はない。」・・・・これは第一次世界大戦当時世界三大巨頭の一人として」世界外交の檜舞台に話躍した英国の首相ロイド・ジョージの言であるが、それ程にユダヤ人及びフリーメーソンの勢力は坤為地の世界に根強くはびこっているのである。
ユダヤ人は別に国家を有している訳ではたいが、彼らがユダヤ人としての存在を充分計算に入れてかゝらないと外交が友好適切に行はれないのである。
それで、ロイド・ジョーヂは又言った。
「英国は大戦に勝つことはできたが、我が大英帝国もこれから没落の運命をたどることゝなるのでは無かろうかと思われる。なぜかと云うに、我が英国の指導的重要地位から今日既にユダヤ人に占められているからである。一般英国人がこの事に気づいた時には既に如何ともすることができない状態に達していたのである。最早英国の前途には光明がない。
これはロイド・ジョーヂが第一大戦当時ロンドン駐在武官であった一日本人に率直に漏らした事として伝えられていることであるが、総理大臣たる彼すらが斯様な絶望的述懐を為す程であった事からして見ると、英国に於けるユダヤ禍が既に国家の動脈を侵しているものなる事が理解できる。
数年前世界驚倒の標的となったエドワード八世退位事件は何を物語るであらうか。当時人妻であったユダヤ婦人シンプソンが秘術を盡して国王エドワード八世に接近し、その結果国王の寵愛を得るるに至り、挙句の果ては国王がそのユダヤ婦人と結婚するということになったのである。
さすがに英国の保守的輿論はそれに難色を示した。この事態に鑑み唯一の善後策としてエドワード八世が退位してシンプソン夫人と結婚生活に入りフランスで結婚生活に入り過程を結ぶことになったのであるが、我等の注意に値ひすることは、何故に英国宮中の側近者がシンプソン夫人の如き女性を宮中に出入りを許したかである。
ロイド・ジョーヂが英国の将来に絶望的予言を放ったのも要するに英国上流社会の対ユダヤ的警戒心の斯かる弛緩を看破しての事であらう。
二、フリーメーソンとは
フリーメーソン結社は秘密的な存在であって、その内容は外部の者の察知を許さないものたるが、表面的には博愛的・人道的平和機関となっている。しかし、勿論それは事実上ユダヤ族の反国家的謀略革命機関である。
フリーメーソンとは英語の読み方であって、フランス語ではフラン・マソンと読まれる。
この結社は今を去る二百有余年前、ロンドンに於いて創設されたものであるが、今は世界各国に友邦を有し、その抱擁する会員数は非常な数に上っている。勿論その詳細な数は不明であるが、米国だけでも33万、英国4万6千、カナダ2万、戦前のフランスでは役5万を数えていた程であるからその勢力はまことに侮ることの出来ないものである。
このフリーメーソンは世間を誤魔化す手段としてロータリー倶楽部と言う様な外機関を設けているが、又その結社内にはユダヤ人ばかりの純ユダヤ人秘密結社もある。プナイ・プリズと云うのがそれである。
このプナイ・プリズは1843年ニューヨークで設けられたものであって、
1 ユダヤ人会員相互の扶助
2 ユダヤ人の利益の維持、拡大
3 ユダヤ排斥運動の防止 を目的としている。
フリーメーソン結社の内容は」前述の如く極秘に付されているが、その内、二、三の知られている事は
一、会員が三十三の階級に区分されて第一級を「見習い」とし、その第一と第二及び第三の三級を合わせて「青色メーソン」と称していること
二、第三十一、第三十二及び第三十三の最上級三級をそれぞれ大監督、「秘密の最高王者」及び主上大監督と称していること
三、会員には隠語を多く使用していること
四、結社の秘密漏洩者には厳罰を以て臨んでいること
などである。
隠語に就いて例えば、「手紙を書く」と云ふ場合には「板に刻む」と語り、会衆の中に会員以外のものが混じっている場合には、「雨漏りがしている。」と叫ぶことになっている。更に面自い事はコップに水又は酒を入れることを「大砲に装弾する」と云ふことになっていることである。
尚注目すべきはことはこの結社が庶民階級のものを会員に入れないことである。「相当且つ余裕のある生活を営み得ない者」は会員になる事が出来ないことになっている。ただし学校の教師連だけは除外例を設けている。
これは要ずるにメーソン結社の秘密運動の下働きをさすに学校の教員が特別に便利・有効であるからである。
今一つ注意すべき事は、メーソン自体に幾つもの支流のあることである。リットとかオベーディエンスとか云ふ名を以て、称へられているのはそれである。
フリーメーソンを以て崇高なる人間愛を標榜しているとなすは誤想も誤想、大誤想である。フリーメーソンユダヤ人のか諜報団以外の何ものでもない。否、それは彼等の政府機関、換言せば、政府とも言い得られる。
ユダヤ人の或有力者は言った。
「ユダヤ人が一民族として生存するためには闘はなければならない。ユダヤ民族が離散して以来闘ふとことがなかったとすれば彼等は今頃生き残っていなかった筈である。併し、ユダヤ民族は闘って来た。彼等今日も戦ひ、明日も闘ふであらう。この点から考ふると、彼らが政府を持っていることは不思議なことではない。それは如何なる団体も強制力と団員相互の諒解なくては共同目的に邁進することが出来ないからである。世人はユダヤ族の政府の存在を知らないが、それが存在する事実は明瞭である。」
又ユダヤ人は非ユダヤ人の権力を倒す事に於てメーソンの力に信頼することが大きい。
被等また言ふ、
「果して何者が目に見えない非ユダヤ人の権力を倒す事が出来るであらうか。言うまでもなく我々ユダヤ人とメーソン結社の力あるのみである。」
メーソンはその勢力の及ぶ範囲は世界大であり、その深さに於ては巧みに社会各層の人心の弱点に附け込んで居るからその味方の力は大したものである。少くと彼等は斯く信じている。