きものと洋服でお困りのあなたへ !!

創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

袷から単衣に仕立て直しについて

2016年08月02日 | 着物(仕立て)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

突然ですが、問題です。

「一度も着用していない仕立て上がりの付下げ袷が有ります。

単衣に仕立て直しをしたい場合皆様はどういたしますか?」

選択肢は三つ有ります。

①一度も着用していないので、そのまま仕立て屋さんに行き、

 仕立て屋さんで胴裏と八掛を解き仕立ててもらう

②着物の洗い張り店に持ち込み解き筋消しをしてもらい

 その後仕立て屋さんに仕立てをしてもらう 

 (解き筋消しとは 全体に解き、は縫いをして、

 その後アイロンと湯のしを行う、洗いは行わない)

③着物の洗い張り店に持ち込洗い張りをしてもらい

 その後仕立て屋さんに仕立てをしてもらう

 (洗い張りとは 全体に解き、は縫いをして

 生地を水洗いをして、湯のしを行う)

 
皆様はいかがしますか?
 
正解はございません。
 
たまたま似た事例が有り、
 
呉服店は①を選択しました。
 
私自身は③を選択しました。
 
①を選択した呉服店、付け下げ袷を仕立て屋さんに持ち込み
 
仕立て屋さんに胴裏と八掛を解いてもらいその後家庭様アイロンで
 
折れ目を伸ばして仕立て直しをして呉服店に納品しました。

付下げ単衣に仕立て替え 掛衿 

掛衿にすじが残ってしまいました。

付下げ単衣に仕立て替え 掛衿  

蒸気アイロンのプレスにて筋を消しました。

付下げ単衣に仕立て替え 元衿 すじ

元衿にすじが残ってしまいました。

付下げ単衣に仕立て替え 元衿 すじ

蒸気アイロンのプレスにて筋を消しました。 

付下げ単衣に仕立て替え 袖 

袖は振りが縮んしまい型崩れしていました。

採寸すると1分縮んでいました。 

付下げ単衣に仕立て替え 袖 折れすじ

押しの工程で発生したのか袖に折れすじが有りました。

付下げ単衣に仕立て替え 袖 折れすじと歪み直し

蒸気アイロンのプレスにて筋を消しました。

付下げ単衣に仕立て替え 内揚げ折れすじ 

後身頃の内揚げも筋が残っています。

付下げ単衣に仕立て替え 内揚げ折れすじ  

蒸気アイロンのプレスにて筋を消しました。

この付け下げの生地が縮緬地の為に長期間の保管で生地の伸縮が発生していた事により

仕立て替えで元の寸法通りに仕立てると収縮したことで以前にへらの後や折れスジがずれてしまいまし。

この折れ目や筋を家庭様アイロンで直して更に生地が収縮しました。

仕立て屋さんは家庭様のアイロンでプレスをした結果、袖の振り他全体的に

収縮がありますがこれ以上の修正は出来ないと思います。

仕上がりを見た呉服店が当店に為に全体プレスと筋消しの依頼があり、プレスを行いました。

①を選択した場合仕立ての料金と解き料金で良いと思っていた所プレスの必要が出て追加料金が発生しました。

 

②を選択した場合は追加のプレス代金は不要ですが

生地を水洗いしていない為に後後のメンテナンス費用が発生し易いです。

 

似た事例が当店にも有りました。

縮緬の小紋の袷を単衣にして欲しいとの依頼でした。

私自身の判断は③の洗い張りと仕立てをおすすめいたしました。

理由は第一に縮緬は保管中に収縮しやすく部分的に解き縫直しをしても仕立てしずらく仕上がりが悪い事

第二湯通しをせずに仕立ててあったので余分な染料が残留している可能性と風合いが悪く

仕立てづらい事を考えての判断でした。また湯通しをすると水が掛かってもウオータースポット現象が起きずに

後後のメンテナンスの費用がやすくなります。

こちらは洗い張り料金(表地のみ)胴裏と八掛が返品の為に単衣料金で洗い張りを行い

後は仕立て料金でした。

 

解説

①仕立て料金+解き料金+プレス料金が必要でした。

仕立て屋さんの使用している家庭アイロンでは仕上がりで折れすじやヘラの跡が消えずに

プレス加工が必要になって来ます。もう少し上乗せすると洗い張り仕立てをしたほうが

綺麗に仕上がったと呉服屋さんは少々後悔していました。

仕上がり具合と料金の関係でどちらが安いか高いでは無く、

根本解決を考える事が後後費用が掛からない場合があります。

しかし正解がある訳ではございません。筋があっても私は気にせず

着るはと言う方は①を選択して下さい。

一度も着ていなくても、高温多湿の日本、北海道は冬に暖房を入れます。

結露が起きやすくて、やはりカビが生えやすい環境ですのでご注意ください。

仕立て替えの場合は一度も着用していなくても、着物の寿命を伸ばす為に

洗い張りを行う事をおすすめ致します。

 

着物のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

 札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

 電話011-811-6926 FAX011-811-7126

 メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

 ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

 ブログランキングに参加しています! 

皆様の応援がとても励みになりますよろしくお願いいたします。

 ポチッと押してください。

 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

PVアクセスランキング にほんブログ村

 こちらもポチッポチッと押して下さい。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 縞柄お召袷 黄変しみ 丸洗... | トップ | ヴァレンティノ ブラウス ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

着物(仕立て)」カテゴリの最新記事