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創業106周年きものと洋服のお手入れ専門店 一級染色技能士の仕事事例と日常生活

クリーニング店で直せなっかったトートバッグ(シタ パランティカ)黒地からでた移染(色泣き・色移り)しみ抜き・色掛け(色修正・染色補正)綿素材

2023年10月21日 | バッグ・財布・毛皮

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

クリーニング店がトートバッグのクリーニングに依頼を受けて自社工場でクリーニング作業を

して、取手が汚れていたので作業を行った所、黒地から移染(色泣き・色移り)して自社工場では

直せないので当店に何とか直して欲しいとのご依頼です。

トートバッグ(シタ パランティカ)

白地の帆布生地に黒地の帆布生地が縫い付けて有って、一部に黒い皮革のベルトが

付いています。本来製造者はバッグのクリーニングを考えていないと思います。

クリーニング業者は危ない橋をいくつも渡らないといけません。危ない橋を渡る為には

最高性能の洗剤、しみ抜き剤、しみ抜き機剤、作業者の経験と技能と度胸と愛と勇気が必要です。

アンパンマ~ン助けてと叫んでも助けてくれません。

トートバッグ(シタ パランティカ)取手部分 白地の移染(色泣き・色移り)

水洗い(ウエットクリーニング)を行った所黒地の移染は無かったのですが

水洗い(ウエットクリーニング)で白地帆布生地の汚れが落ちなかったので

汚れを落とそうとして使用したアルカリ性の石鹸を使用した所、黒地帆布生地から

染料が色泣き(浮き出て)白地の帆布生地に移ったとの事でした。

トートバッグ(シタ パランティカ)白地生地の汚れ

よく見ると白地生地にも汚れが残っています。

最初にトートバッグを見て作業をイメージすると、ある意味この状態で色泣きを直すには

最悪な組み合わせと思いました。着物の仕立て上がりの状態でしみ抜き作業を行っている

経験から裾の表地のしみ抜き作業をしていて濃い色のぼかし八掛の色止めが悪くて

色泣きした場合は解いてしみ抜き作業をしてから、補修縫いを行っている経験から

仕上がって状態でしみ抜きを行いますが、最悪の場合は解いてしみ抜き作業を行うので

お直し屋さんに直せるか確認をしてからの作業になる事をご了承いただいてからの

しみ抜き作業を行いましたが、やはりしみ抜き作業を行い、その時は色素が落ちて

綺麗になりましたが、乾燥すると色素が復活してきました。

仕方なくお直し屋さんに直せるかを確認してから、解いて作業を行いました。

トートバッグ(シタ パランティカ)白地帆布生地取手 移染

解いての作業であらば難しい事はなかったので再度しみ抜き作業を行いました。

トートバッグ(シタ パランティカ)白地帆布生地取手 移染しみ抜き後

再度色素しみ抜きを行いましたが、色素が復活してきました。

困った時は原点に返って基礎に忠実に行う事の格言にしたがった所、

綺麗に落とす事ができました。

トートバッグ(シタ パランティカ)白地帆布生地部分の汚れと移染

解いて見ると黒い取っての部分からの移染はバッグ本体にも有りました。

トートバッグ(シタ パランティカ)黒地帆布生地部分退色

黒地の帆布生地部分はしみ抜き作業で色泣きと移染を繰り替えしてしているので、

当然退色しています。お直し前に色掛け(色修正・染色補正)で補正するので

ご安心下さい。

トートバッグ(シタ パランティカ)白地帆布生地部分のしみ抜き後

白地帆布生地の汚れ落としと移染処理をすると、真っ白になってしまったので、

この状態でお直しをすると、本体と余りに本体との色の差が出てしまっていますので、

本体に合わせて生成り(オフホワイト)に色掛け(色修正・染色補正)で補正を

行います。

トートバッグ(シタ パランティカ)白地帆布生地部分の色掛け(色修正・染色補正)後

せっかく白くなっても周りから浮いているくらいの白さでは、クレームの原因ですので

生成り(オフホワイト)に色掛け(色修正・染色補正)で補正しました。

違和感無く補正しました。

トートバッグ(シタ パランティカ)黒地帆布生地部分の色掛け(色修正・染色補正)後

白い部分に黒い色素が付着しない様に色掛け(色修正・染色補正)をして脱色(退色)

部分を補正しました。

トートバッグ(シタ パランティカ)仕上げ後

私の出来る事は全て行った後にお直し屋さんにバトンタッチです。

トートバッグ(シタ パランティカ)お直し後

今回の作業で腕の良いお直し屋さんも綺麗に直していただき、私にとってのアンパンマン

でした。自ら作業を手掛けて作業をして、お直し後の完成品をみて胸を撫で下ろしました。

これでクリーニング店も胸を張って納品出来ると思います。

 

着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる 

山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。

〒062-0902

札幌市豊平区豊平2条2丁目2番20号

電話011-811-6926 FAX011-811-7126

営業時間 9:00~18:00

休日 日曜・祝日

メール mitsuyasenpo@train.ocn.ne.jp

ホームページ http://328senpo.sakura.ne.jp

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