皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
お盆休みでしたが、皆様いかがお過ごしでしたか?
フランス在住のお客様が着用したきものドレスをフランスの
クリーニング店にクリーニングに出した所、各所に移染(色移り)が
発生したので直して欲しいとのご依頼です。
きものドレス
昭和の30~40年代の附下袷をドレスにリメイクしたきものドレスです。
きものドレス 移染しみ
濃い空色の柄から出た空色の染料がドライクリーニングを行った事で他の柄に
移染(色移り)しました。
きものドレス 移染しみ
赤い染料も移染(色移り)しています。
まず昭和30~40年代の着物の流行で綺麗な色合いを出す事でした。
その為に柄に濃い染料をたっぷり使用した柄を染めていきました。
本来ならば蒸しを行い色止めを行いその後に友禅流し(水元)で
余分な染料や糊を洗い流していたのですが、余りに着物が売れていたので
友禅流し(水元)の工程を省いていた為に洗い張りで水洗いをすると
移染(色移り)を起こしていた事を子供の頃に両親が洗い張りを行って移染を
していた事を思い出します。最初はしみ抜き店に持ち込んで移染しみを落して
もらっていましたが、あるクリーニング店主から移染しみの落とし方を教わって
からはしみ抜き店に持ち込む事は泣くなりました。
今回はフランスのクリーニング店のドライクリーニング溶剤に水分が多かった為に
染料がたぷたぷに入っていた柄から染料が溶剤の水分によって染料が溶け出して
脱液工程で他の部分に移染した事が原因です。昭和30年~40年代の製造者の
無責任が一番です。フランスのクリーニング店もある面気の毒の気もします。
きものドレス 移染しみ抜き後
空色の染料を除去しましたが、地色の赤い色も抜けて白っぽくなりました。
きものドレス 色掛け後
色掛け(色修正・染色補正)をして白っぽくなった部分を補正しました。
きものドレス しみ抜き後
赤い色の移染は白っぽくならなかったので色掛けを行っていません。
きものドレス 仕上げ後
綺麗に仕上がりました。
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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