皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今や絶滅危惧種となっている呉服業界ですが、呉服に携わっている加工業者も
高齢化と需要減から激減しています。呉服問屋さんも色掛けが出来る
しみ抜き(染色補正)業者がいなくなって困っているとの事で紹介を受けまして、
作家物の訪問着仮縫い新反のしみ抜きのご依頼です。
訪問着仮縫い新反(作家物)
裾のリボンに阿部容子なっていたので、調べると友禅作家と分かりました。
訪問着仮縫い新反(作家物)落款
下前衽に落款が入っていますが、保護の為に白生地で覆っています。
訪問着仮縫い新反(作家物)袖山 黄変しみ
展示中の付いたと思いますが、しみが付き長期間の保管で黄変化したしみです。
訪問着仮縫い新反(作家物)しみ抜き途中
古い血液しみを疑い処理しましたが、黄変しみが薄くなっただけでした。
黄変抜きをすると地色が抜けました。これでも染色補正技能士なので色掛けをして
補正します。
訪問着仮縫い新反(作家物)染色補正後
仕立て上がりの場合は表側のみしか色掛けが出来ないですが、新反の仮縫いの為に
裏側の後に表側に色掛けを行いました。長時間の製作時間後に完成する
友禅着物ですが、1か所のしみの為にB級品となると価値ががくんと下がる為に
染色補正と言う職人がいます。
染色補正は、染色の工程やその後の保管や着用に伴い発生した、しみや汚れ、
焼けや変色などを取り除き、修復することです。
江戸時代の享保年間頃に、公家や女官の礼服の染色工程においておきる汚点や難点を
除去するために、染色補正が生まれました。古くは御手入師として起こり、やがて直し物屋、
落し物屋と呼ばれたそうです。染色補正という言葉が使われるようになったのは1970年代頃と
いわれます。着物や反物の染色や加工の工程において、あるいは着用・保管の間にできたしみ、
汚れを除去し、変色を直す染色補正は、着物のお手入れになくてはならない存在です。
一級染色補正技能士は1972年(昭和47年)より検定試験が始まり合格者は労働大臣
(現厚生労働大臣)より一級技能士を称する事を許されます。
訪問着仮縫い新反(作家物) 仕上がり
早く嫁入り先(買い手)が決まる事をお祈り申し上げます。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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