皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
ご主人がお気に入りのジャケットに食べこぼしのしみを付けたので
しみを取ってあげようと塩素系漂白剤を付けた所、変色(塩素ヤケ)
したのでしみ抜きをして欲しいとのご依頼です。
ジャケット(ダーバン製)
ジャケット(ダーバン製)品質表示
カシミヤ100%となっています。
ジャケット(ダーバン製) 塩素系漂白剤による変色
食べこぼししみに塩素系漂白剤の原液を付けた所、黄褐色の変色してしまいました。
これは塩素ヤケといって生地が脆化してしまっているので下手をすると穴が開く可能性が
あるので、カシミヤの塩素ヤケ、くらくらとめまいがしました。デリケート素材のカシミヤの
塩素ヤケしみ、長いしみ抜き職人人生において初めての事です。
ジャケット(ダーバン製)ラペル 塩素ヤケ
ジャケット(ダーバン製)左袖 塩素ヤケ
食べこぼしのしみの部分が残っている事を想定して、しみ抜きを基本通り行ってから
脱塩素処理を行い穴が開かない様に処理していきました。薬剤が残らない様に水洗いも
行いました。
ジャケット(ダーバン製)ラペル しみ抜き後
ジャケット(ダーバン製)ラペル しみ抜き後
こちらの部分は比較的は良く直りました。
ジャケット(ダーバン製)袖 しみ抜き後
こちらの袖の部分の塩素ヤケは何度処理してもビクともしなくて、困り果てました。
無理をすると穴が開くと大失敗の恐怖と絶望感と戦いながらどこまでやって良いかが
分からず、最後は言う事聞いてくれと、祈る思いで処理を進めていきました。
行くも地獄戻るも地獄です。カシミヤに塩素系漂白剤を付けた品物初体験です。
しみ抜きの神様が微笑んでくれました。
ある意外な方法で塩素ヤケを落とす事が出来ました。
仕上げを行うとカシミヤの表地が薄いので裏地の黒っぽい芯地が透けて見えて
少々困りましたが、最後に色掛けをして元の状態に戻しました。
ジャケット(ダーバン製)ラペル 仕上げ後
綺麗にしあがりました。
ブログ読者の良い子のみんなは、絹、ウール、カシミヤ、色柄物に
塩素系漂白剤や塩素系消毒剤をくれぐれも付着させないで下さい。
ましてや塩素系漂白剤でしみ抜きしようなどとしないでください。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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