センセーのデモンストレーションを見せていただいてから、だんだんとマキ割りのコツがつかめていった。恐怖によるためらいが軌道を狂わせ、衝撃を殺してしまう。躊躇なしに打ちつけることが肝要なのだ。迷いを払った一撃は、面白いように丸太を切り裂きはじめた。ごつくて強大な敵を一刀のもとに仕留めると、快感が背骨を突き抜ける。スッパスッパと、夢中になってオノを打ちこんだ。繊維がねっとりと入り組んだものなどは多少手をわずらわせたが、そんな陰険な相手ほど、討ち倒して勝利したときのカタルシスは大きい。オレは新たに没頭できる仕事を見つけた。
大量にできたマキを積み上げながらふと見ると、代々木くんはそのむくつけき背を焚き口に丸め、一心に炎を育てていた。こちらからひょいひょいと投げわたすマキを、遠慮なしにひょいひょいと火にくべ、小さな瞳いっぱいにオレンジ色の幸福感をたたえている。いつの間にか彼は、いちばんおいしいポジションを持っていったのだ。あなどれないやつだ。こっちがせっせと手にマメをつくっている間に、オオアリクイはせっせと高火度をつくりつづけた。
東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
大量にできたマキを積み上げながらふと見ると、代々木くんはそのむくつけき背を焚き口に丸め、一心に炎を育てていた。こちらからひょいひょいと投げわたすマキを、遠慮なしにひょいひょいと火にくべ、小さな瞳いっぱいにオレンジ色の幸福感をたたえている。いつの間にか彼は、いちばんおいしいポジションを持っていったのだ。あなどれないやつだ。こっちがせっせと手にマメをつくっている間に、オオアリクイはせっせと高火度をつくりつづけた。
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