陶芸教室 夢工房あすか

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日日是好日/連載26

2019-09-07 00:06:03 | 日日是好日/連載
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 第八章 : たくさんの「本物」をみること/その9

大分で陶芸教室を開いてから、福岡県の小石原焼 (こいしわら) へよく出掛けた。小石原焼の翁明窯の鬼丸隆行さんは、私が東京芸大の陶芸講習会に通っていた時にアシストしてくれたお一人である。福岡 ・ 小石原に戻って来られたと知って直ぐに訪ねた。

上野公園に隣接した東京芸大では、その当時、「陶芸の公開講習会」 を開いていた。大分に転居する年の春と、その前の年の2年間にわたって、延べ6ヶ月間ほどこの講習会に通った。その時にアシスタントをしてくれたのが当時大学院生だった鬼丸さんだった。

その時の参加者の写真がある。これは絵付けの講座だった。この他に二つ講座があったので参加総数はこの3倍くらいになるだろう。その時の私の写真も出てきた。精悍な顔をしている? 一見、准教授みたいだ?? この時期は、髭を生やし陶芸家気取りで、夢に向かって最高に燃えていた時である。

全員写真の最前列の左から5番目が、東京芸大の当時の島田文雄教授。最上段の右から3番目が鬼丸さん。そして、最前列の左端が私である。(掲載をお許し下さい)






この講習会の期間に、米国人陶芸家の学内講義があった。講習会参加者も出席してよいと言うことだったので参加したが、部外者は私一人だった。6、7割くらいが女生徒さんだった。学生気分に浸った。質問時間に手をあげる生徒さんがいなかったので、私が最初に質問をした。この頃は怖いもの知らずだった ・・・ 。

これもまた余談だが、講習会の時に菊練りをしてたら、当時の豊福助教授 (現教授) から不意に 「菊練りが上手いね」 と言われた。多分 「素人にしては・・・」 という前置きがあったのだろうが聞こえなかった。「日日是好日」 を書いていたらこんなことも思い出した。お墨付きをいただいたのかな?!


小石原はのどかな山村だ。素朴で温かな雰囲気が漂っていた。そして、ビックリするくらいに大きな窯業地であった。関東の益子焼のような規模に感じた。この山里には大きな窯元が60軒くらい広く点在していた。茅葺屋根の趣のある大きな窯元が多い。大変気に入って4,5回ほど訪ねた。最近は、白内障に緑内障、飛蚊症などもあり、長距離運転や夜間の運転がきつくなったのでご無沙汰している。小石原は数年前に集中豪雨で大災害に見舞われている。みんなが復興に向けて頑張っている。また訪ねてみたいと思ってるのだが ・・・ 。

教室の生徒さんたちにも、翁明窯の鬼丸さんを紹介してきた。足立さんが音頭をとって、教室の陶芸仲間と一緒に翁明窯を5、6回ほど訪ねている。ある時などはマイクロバスを借りて古田さんの運転で10数人で訪ねていた。翁明窯の荒土の陶器は、素朴さに品があり使いやすい。生徒さんにも大人気だ。

生徒さんたちは、小石原に往訪するたびに、翁明窯を振り出しに鶴見窯など5,6軒の窯元めぐりをしている。どの窯元も喜んで迎えてくれるらしい。ここでも足立のおばさんの快活さと行動力がいかんなく発揮されている。ろくろ挽きの実演なども即興的に見せてもらったりしている。親しくなって飛びカンナの道具までもお土産にもらってきている。

翁明窯の鬼丸隆行さんは、私がブログで紹介するまでもないが、若手陶芸家として大活躍している。“萩焼大賞” をとってから日本伝統工芸展では “総理大臣賞” などを受賞している。作品は宮内庁のお買い上げになっている。受賞作品は小石原焼の陶器ではなく、東京芸大の大学院で学んできた磁器である。普段は陶器で食器づくりに励んでいる。

翁明窯の鬼丸隆行さん作の7寸皿 (21.5㎝径)。
我が家の食卓に毎日のように出てくるお気に入りのお皿!
10数年ほど前に購入した。



翁明窯元のお父さんの荒土の中鉢も実に素朴でいい! 使い勝手もよい!
お母さんが施した白化粧土のお玉掛けもまた絶妙である!






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大分市内にある数少ない 陶芸教室 「夢工房あすか」 です。
意外にも近くにあるのに気付かない人たちが多いですが、
下記の教室案内をご覧下さい。陶芸を基礎からコツコツと学ぼ~う。
電動ろくろもスムーズに習得できます。

☆ 教室案内 : https://blog.goo.ne.jp/asuka1
☆ 自費出版 : 『生活にうるおいを与える食器づくり』
   こういう本があるといい。こういう本が欲しかった。残りは数部。
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