南部吟遊詩人の写真館

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会下(えげ)の十王堂

2012年03月27日 05時07分02秒 | 遠野小景
私は決して霊感の強い方ではない。
今まで、幽霊なんてものは見たことがない。
一度見てみたいものだが…見えたら見えたでそれはさぞ怖いもんだろうなあ。

そんな霊感のない私でもなんだか遠野ではビンビンに怪しい雰囲気を感じる場所が多々ある。
どうもそれは寄せられた「思い」の強さに起因するものらしい。

今回、遠野を歩いていて、ふと見つけた「会下(「えげ」と読むらしいです)の十王堂」。
ここも、なんだかビンビンに「感じる」スポットでした。
こういうのは、「パワースポット」とは言わないんだろうなあ…。

目印は大きな木です。どうしても分からなければ近くにあるスーパー「三丸屋」の人が教えてくれます。

まるで天を突くように伸びる楡の木は本当に大きいです。

近づくと…

こんなかんじ。

小さなお堂の左手に小さな祠がある。

木の根本には多くの石碑が…。はっきり言うと、不気味だ…。

祠の横には遠野に多い「山神」と、かまどの神「荒神」が祀られている。

この祠は珍しく瓦のような素材…何を祀っているかは不明。
ときどき遠野の神社は見たこともない名前の神様の社とかあるから、実にエキサイティング(つーか怖い)


お堂には嬉しいことに鍵がかかっていないので、自由に拝観できるらしい。

説明板です。ななめになってすいません。
ちなみに十王は「①秦広王②初江王③宋帝王④五官王⑤閻魔王⑥変成王⑦泰山王⑧平等王⑨都市王⑩五道転輪王」だそうです。→ウィキペディアに行く(けっこうわかりづらいページです)

観光施設でもないので、中は清潔とはいかないが、一応靴下でも大丈夫なレベル。

正面中央の閻魔大王は赤く彩色されていた跡が見られます。

左側と…

右側。やったら数が多いっすね。ハンパねえ~~。

入口の案内板では「葬頭河婆」とされていましたが、多分、奪衣婆(だつえばあ)だと思われます。

棚の左側の木像はなんなのか不明です。なんだか随身っぽいような…。

たぶん、これは役小角(えんのおづぬ)。平安時代、奈良の葛城山にいたという修験道の開祖です。
やはり遠野は修験道が深くかかわっていると思われます。

役小角の隣のこの像はわかりません。不勉強ですいません。

右側の棚です。赤い頭巾はおそらく地蔵菩薩です。冥界信仰(浄土信仰といった方がいいかな…?)でほぼ必ず十王とセットで祀られます。

これは多分、護符(おまもり)に使われた版木でしょう。

こちらは弘法大師(空海)。密教の影響を受けているあたりが、修験道っぽいです。

右側の随身。判別不能です。しかし、段ボールを置いているところがやたらに生活臭い…。物置かっつーの。


説明板にあったように、ここは昔田んぼだったようですが、いまでは宅地造成中。昔をしのぶ陰もありません。
これも時の流れのなせる業なのでしょう。


【撮影日:2012/3/23】

↓会下(えげ)の十王堂の場所はコチラ!↓


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