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永平寺団参~諸堂拝観①~

まだ薄暗い永平寺の朝の山門です。

朝の読経後、参籠者は法堂を降りて下りながら、諸堂を拝観します。
法堂は、中央の一番高いところにあり、もともと住職の説法の場所となる建物ですが、朝の読経をはじめ重要な法要の中心となるところです。観音様を安置します。

続いて承陽殿(じょうようでん)です。これは、道元禅師と懐弉禅師の御遺骨を安置するとともに、歴代の住職の位牌を安置しています。ここの梵鐘を承陽鐘といいますが、30数年前に聞いた少し甲高く心地よい音色が印象的でした。

続いて仏殿。七堂伽藍の禅宗様式の中央に位置する、お釈迦様を安置する場所で、床は中国の建物と同じく、菱形の石敷きになっています。      

そして、庫院へと進みます。僧堂と対応する位置にある台所のある建物です。三階建ての建物には、明治時代のエレべーターがあります。現在使われているかは確認しませんでしたが、イライラするほどゆっくりと動いていたことを覚えています。
庫院の入り口にある有名な大すりこぎは、仏殿の立て直しの時に不要になった旧柱だそうで、すりこぎになぞって保存しているのだそうです。このすりこぎとともに伝えられている道歌が、
「身をけずり、人に尽くさんすりこぎの
          その味知れる人ぞ尊し」
です。
           一番左がすりこぎ

残念ながら坐禅堂前は拝観できずに、ここから説明を聞きました。この付近はいつになっても緊張感がみなぎってくる場所でもあります。

階段を下りて突き当たりの浴司(お風呂)前を右に進むと山門です。
また薄暗かったですが、この付近、とても綺麗に整備されたと思いました。床が張り替えられているようでしたし、四天王像は現在修復中。南側だけが戻っていましたが、とても彩色が鮮やかで、イメージが変わった感じがしました。ご存知の方、ビックリですよ。
踏みつけられているのはあまんじゃく

冒頭の山門前の写真にある両額は、ここに入門する僧への心構えを示しています。
これまた綺麗に修復されていました。

言葉と意味は次の通りです。

家庭厳峻不容陸老従真門入(かていげんしゅん、りくろうのしんもんよりいるをゆるさず)
永平寺の修行は厳しい。どんなに偉い人であっても、真に発心修行、弁道しようと思って上山した者以外は、この山門から入ることは許されない。


鎖鑰放閑遮莫善財進一歩来(さやくほうかん、さもあらばあれぜんざいのいっぽをすすめきたることを)
しかし真に発心修行、弁道を望んで来ている者には、いつでも永平寺の山門は開けっぱなしであるから、どんな者であっても永平寺で受け入れてくれる。

私も34年前、この山門前でこの額に向かいました。夢中で覚えさせられましたが、良く意味はわかりませんでした。しかし、時代は変わってもこの精神は変わらずに伝えられているように思いますし、変えないための懸命の修行が34年どころか、700年以上も続けられてきたことに、新たな感動を覚えました。

柱だけの山門を見て、この永平寺のあたたかさと厳しさを改めて感じさせてくれました。



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