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布教教化に関する告諭

布教教化方針とともに、曹洞宗管長猊下の名のもとに布教教化に関する宣言(告諭)が、発表されています。

       《平成20年度 布教教化に関する告諭》

 「愛語(あいご)は愛心よりおこる、愛心は慈心を種子(しゅうじ)とせり」

 人を生かし、人を仏道に導く言葉が愛語です。愛語は人を愛することにはじまります。人を愛するとは、無限の縁(えん)の中で支え支えられているお互いを自覚し、慈しみあう心を根本とします。

 現代ほど言葉の乱れた時代があったでしょうか。
 粗雑な言葉は世の乱れを生み、愛心なく慈心のない生命(いのち)を軽視した社会に拍車をかけます。 言葉は思いのあらわれであり、単なる言語や伝達手段ではありません。自らの人格を宿し、自らの人格をつくるのです。一語一語を大切にしなければなりません。
  現実に、家庭も国際社会も言葉で動いているのです。好ましい関係は好ましい言葉によって結ばれます。赤子(あかご)を前にして限りなく優しくなれるその心で、共に語り合いましょう。徳ある行いは素直に讃え、徳至らぬときにこそ慈しみを忘れてはなりません。

  曹洞宗が掲げるスローガン「人権・平和・環境」の実現は、毎日の生活からかけ離れたところにあるのではありません。愛語の実践が、柔らかにして他を思いやる自己を育て、ひいては人権を尊重し、平和を願い、環境に思いがいたる人を育むのです。
  お釈迦さまの教えを受け継ぎ、正しい信仰に生きる私たちの愛語の実践が、慈しみあふれる社会を築く第一歩なのです。
  日々(にちにち)、愛語を心がけてまいりましょう。

南無釈迦牟尼仏 

        
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お互いに、みほとけの絆を構築するために、昨年までは、同悲同苦の精神を強く呼びかける「同事行」を実践徳目としてきました。
今年は、この同事の精神をさらに踏み込んで、「愛語」の実践を呼びかけています。悲しみ苦しみを共にする心を持つと言うことは、実践行としての言葉かけにも表れなければなりません。

「愛語(あいご)は愛心よりおこる、愛心は慈心を種子(しゅうじ)とせり」

という言葉は、道元禅師の著書『正法眼蔵』の「菩提薩四摂法」の巻にある言葉です。慈愛に満ちたことばは、慈しみの心より発せられるもので、その心は各人の中に深く根付いていなければならない。そのような心を培うことが大切なのです。
四摂法は、
 
布施(見返りを求めない施しの心・行い)
 愛語(慈しみの心から発せられる言葉)
 利行(他を大切にする心・行い)
 同事(自分ごととする仏の心・行い)
の4ですが、別項目ではなく、まとめて考えることが重要で、愛語だけが取り出された訳ではありません。
そのような気持ちで、愛語に着目して日常を振り返ってみようとするのが、本年度のねらいと考えられます。

私自身、反省することばかりです。

実は、最近、母の愚痴が多くて、「くよくよ考えてもしょうがないでしょ」とつっぱねてしまいます。
ところが、テレホン相談で同じような相談があると、「ふーん、そうなの。それで・・・、」と辛抱強く聴いています。
これはいけないと気がつき、うちでも傾聴相談を心がけるようにしました(笑)。

      

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-04-19 01:06:20
最近、自分のダメな部分が気になります。
そこは直すべき部分だと思い、注目しています。
でも、直すのって難しいですねぇ
頑張ります
 
 
 
Unknown (サエ)
2008-04-19 01:06:58
↑のコメント、サエです。
名前忘れました(笑)
 
 
 
→サエちゃん (tera)
2008-04-19 07:20:33
自分の直すべきところが気になるくらいに分かってもらって、注目されている自分は幸せ者だと思うよ。

直すのって確かに難しいと思うんだけど、気づくのはもっと難しいので、99パーセントはもう達成しているようなものだよ。
あと1パーセント、頑張ってね!!
 
 
 
愛語 (風月)
2008-04-19 17:24:48
私も母の言葉を右から左に聞いていることがあります。それでももっともよい相談相手というのは、自分の意見を言うよりも、相手のいうことをただ聞ける人と、永六輔さんもラジオで言っていました。

右から左では駄目ですよね。じっと聞くようになるべくいたしましょう。
 
 
 
→風月さん (tera)
2008-04-20 13:25:12
愛語とは、慈心より発っせられるものだということを痛感します。「黙って聴く」ということも無言の愛語なのだと思います。
永六輔の言われる「ただ聞く」ということ、親しい人ほど難しいですね。
気をつけたいと思います。
 
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