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安楽死

人間のことではありません。電気機器のことです。

昨日、NHKのクローズアップ現代で取り上げられていた問題ですが、電気機器の劣化による火災事故が急増しているようです。実は最近、近隣でもこの事故が起きてしまいました。
数年前、N社の石油ファンヒーターが長年の使用による劣化で一酸化炭素による死亡事故が多発してリコールの対象になりました。当寺でも使っていたため回収していただき、5万円をいただいたことがありました。現在もこの回収は続いているようです。このときのメーカーの方の言葉ですが、それぞれの部品は最善を尽くして開発し、その機種は最も優れた器機でもあったが故に、心臓部とは別の他の部分が耐えられなかった皮肉な結果だったとも語っていました。

そこで、現在の生産・開発段階では、長年使用していよいよ使えなくなる時に、どんな箇所も他に害を出さずに静かにその使命を全うして壊れていく・・・。これを機器の「安楽死」と呼んで、その技術開発に力を注いでいるようなのです。

確かに、いくら便利で良い製品でも、無常ですから不死身ではありません。車や公共施設での機器はメンテナンスが義務づけられていますが、市販の多くの物は自己責任にゆだねられています。

私たちの業界でも、先年、大阪のある寺院では、除夜の鐘の撞木の留め金が外れてけが人が出たとか。もし、釣り鐘だったら・・・と考えるとゾッとします。寺の仏具も点検は義務づけられていませんから、注意が必要です。

そう言えば、仏具の中に「キョクロク」と呼ばれる導師が座る椅子があります。これが法要中に壊れて、導師さんが転げ落ちる場面があるのです。この時は、もう「ドウシヨウ!!」と焦ってしまいます(笑)。

これから、食品の賞味期限のように、製品の責任を負う「耐用責任期限」なるものが義務づけられる時代が来るかも知れません。

そう考えると、私たち生命体は、老化現象という安楽死の要素が盛り込まれた進化を遂げてきたのかも知れません。

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