都立に入る!

日比谷高校が小学生に注目するわけ

[2021年7月2日 更新]
先日こんなツイートをした。

なぜ日比谷高校が小学生対象の学校見学会を実施するのか。
私はその理由を考えてみた。
結論から言うと「中受生、特に都立中受検生を引き込むため」である。

◆都立中の受検生
中学受験には大きく2パターンある。都立中と私国立中だ。
国立(こくりつ)には東大附属中のように、科目横断型の適性検査タイプの入試もあるが、多くは私立トップ校の受験生が国立トップ校にも挑んでくる。逆もしかり。
よってここでは私国立中でひとくくりとする。

都立中を受検すると、試験日が同じなので国立中は受けられない
よって2月3日以外で私立中を受けるか、他の中学は受けないかのどちらかになる。
私の意見だが、都立中第一志望の家庭は「学費がタダでいい教育を受ける環境がある」ことを重視する。
よって、都立中が不合格ならそこそこの私立中に行くことはせず、3年後に都立高校受験をする道を選ぶ方が多数派だ。
一方、私立中第一志望の家庭は、第二第三志望でもいいからどこかしらの私立中に進学する方が多数派だ。
だから私立中受験の方が準備期間も長い。もちろん受ける学校のレベルにもよるが、上位校を目指す子ほど受験勉強開始の時期は早い。

小3の三学期から小4進級時に通塾を始めるのが最多だがこれは「遅い方」だと考える。上位の生徒はもっと早くから動いている。
一方の都立中受検生。受験勉強開始は小4の三学期から小5進級時が一般的ではないだろうか。小6進級時というケースも珍しくない。

4年近く受験勉強をしてきて「第一志望の私立がダメだったから、また3年後に高校受験しよう」というのは子どもにとっても親にとっても酷だろう。せめて次は6年後の大学受験にしたいと考えるのも無理はない。
だが都立中受検は準備期間が短い。実際「都立中がダメなら都立高校を目指そう」というケースが多いのだ。

こういう都立中受検生に小学生のうちから日比谷高校を見てもらう。
そうすれば都立中に落ちてしまった子が、高校受験では日比谷を目指すという目がある。
都立中を受けるための勉強を重ねてきた子だ。学力は高いと見ていいだろう。

◆都立中は800人のうち680人が不合格
都立中は倍率が高い。おおむね5倍前後になる。
例えば2021年度の両国高校附属中は
 受検者 804名
 合格者 120名
実倍率6.70倍である。

最も低かった武蔵高校附属中が3.04倍。

武蔵と富士は高校募集停止により合格者が昨年度より40名も増えた。だから倍率が昨年度よりぐっと下がった。
ちなみに2020年度は富士5.10倍、武蔵4.10倍だった。

都立中受検者の大半が不合格になる。
その半数以上は地元の公立中学校に通う。彼らは3年後、高校受験生になる。
そこを日比谷高校は狙っているのだろう。

◆最初の高校は印象深い
都立中受検生は都立中の見学にもいくだろう。そこで見るのは中学生。
高校生もいるだろうがどうしても「自分のちょっと上」である中学生に目が行くものだ。

だが日比谷高校には高校生しかいない。
小学5・6年生から見たら立派なオトナだ。しかも都内トップクラスのお利口な高校生である。小学生が憧れを抱くのは想像に難くない。
しかも場所は永田町。ちょっと歩けばテレビや教科書で見た国会議事堂がある。インパクト十分である。

他の都立高校、例えば西や戸山だと表面的な自由さだけを小学生が受け取る可能性がある。
だが日比谷高校にはその危惧は不要だろう。受験勉強をしているような小学生が憧れる高校生がたくさんいる。

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