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港、宮古、釜石、気仙沼・・・ 三陸縦断列車旅 ー 昔日編

2023年06月08日 | 乗り鉄
ヨンサントオ時点での巻頭地図
三陸鉄道はもちろん、気仙沼線の本吉~前谷地もまだ未開業な一方で
山田線茂市からは小本線が浅内まで伸びる

毎度のことですが東北本線の全線電化が成ったヨンサントオ時点での時刻表を少し眺めてみます。(1968年10月号交通公社時刻表参照)

先ず八戸線ですが、今の八戸駅は当時尻内駅と呼ばれており、今の本八戸が当時は八戸でした。八戸の市庁舎などは本八戸にあるので、どちらかというと東京など他地域の人が分かり易い様に駅名を変更した(1971年実施)ということでしょう。

ヨンサントオ八戸線 下り時刻表

今は定期列車は普通ばかりの八戸線に、当時は上野から久慈までの急行があったり、鮫まで青森や深浦(五能線)からの直通列車があり、鉄道の役割の変化(凋落?)を目の当たりにする思いですが、本数的に見ると久慈までが当時は10本(急行含む)に対し今は8本、逆に鮫までは当時が9本、今は13本と、八戸近辺とその先で本数の格差が拡大しているように見受けられます。
所要時間を見ると流石に急行列車は俊足ですが、普通列車は概ね2時間程度で、現在の1時間45分程度よりは少し時間が掛かっていたようです。

ヨンサントオ 山田線下り・釜石線上り時刻表

その1、その2の記事で書いたように山田線は元は盛岡から宮古経由で釜石を結ぶ路線だったので、時刻表も上半分は盛岡から釜石ですが、下半分には釜石から花巻まで釜石線の上り時刻表が一体に記されています。面白いのは盛岡→宮古→釜石→花巻と走る急行が2本、普通が1本あることで、まさに乗り鉄向き。今回もこういう列車があったら便利だったでしょうね。。。

盛岡~宮古間の列車本数は当時は急行3本、普通5本ですから現在の快速2本、普通2本の2倍で、当時はまだこの区間の旅客輸送の中心的な役割を担っていたという事でしょう。(106急行バスは1978年から運行)所要時間については当時の急行と現在の快速の間には大きな差はなさそうです。尚、この区間では山間部のスイッチバック式の大志田、浅岸駅(上米内~区界間)と、平津戸(松草~川内間)の3駅が廃止になっていて、乗客が少ない現状ともつながります。

宮古~釜石は現在は三陸鉄道になり普通列車のみが11本の運転です。本数は当時も急行4本を含めて11本で変化はありません。所要時間は当時の急行は1時間10分程、普通は1時間30分で、今の三陸鉄道の普通は2駅(八木沢・宮古短大、払川)増えて1時間25分程度ですからまずまずといったところでしょうか。

釜石~花巻では当時は全線走破する急行が5本、普通が6本、現在は快速3本、普通8本と、列車種別は違いますが本数的には同じです。所要時間については当時の急行は2時間程度、今の快速は1時間45分程度なので、これは少し改善していると言えそうです。


ヨンサントオ 大船渡線 下り

大船渡線は東日本大震災で鉄道線が気仙沼までになってしまいましたが、一ノ関~気仙沼間の列車数でみると当時は急行3本を含んで14本、今は普通ばかり9本と多少寂しくなりました。普通列車の所要時間は当時も今も1時間40分程度で余り変化がありませんが、1986年に猊鼻渓(げいびけい)駅が新設されたので駅数はプラス1になっています。
気仙沼~盛間は当時は急行3本を加えて12本の列車でしたが、今は同区間はBRTになって、全区間走行するものだけでも15本、加えて陸前高田付近を起終点とする区間運転が20本程と大幅に増加、駅(停留所)数も倍近くに増えたにもかかわらず、全区間の所要時間は1時間20分程度で列車当時と大差なく、鉄道ファンとしてはいささか複雑ですが、地元の利用者にとっては鉄道時代より便利になったように思います。

ヨンサントオ 石巻線 下り

石巻線はヨンサントオ当時は女川行が10本、石巻行きが1本、現在は女川行10本、石巻行3本、仙石東北ラインから石巻経由女川行1本と、本数的には少しですが増加しています。特に電化方式の違いを克服する為に気動車で運転している仙石東北ライン経由の仙台~女川間の列車など「その手があったか・・・」という感じですね。所要時間の方は小牛田~女川間は1時間10分~20分で大きくは変化していないようです。

今回乗車した線区での利便性の変化を見ると山田線の本数の減少が目立ちますが、三陸鉄道含めてその他の地域は50年前と比較すると、少しの所要時間改善はあったものの大同小異のサービス水準・・・といったところでしょうか。道路環境が劇的に改善している中、鉄道のサービスは余り変わらなかった訳で、この水準であと10年経ったらどうなるか、不安が頭をよぎる結果となりました。

ところで、今回の旅行も4月と同様に東海道新幹線+東北新幹線で6時間以上掛けて関西から東北に向かったのですが、当時の時刻表だと、もちろん時間は掛かりますが夜行列車という選択肢も提供されていたことに気付きます。新幹線接続だと早起きしても昼過ぎの列車に乗るのがやっとですが、半日前倒しにはなるものの夜行列車を使えば現地で朝から行動できます。JR各社が新幹線に乗せたい気持ちも分かりますが、もう少し幅広い選択肢が提供されたら・・・と改めて思いました。

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