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港、宮古、釜石、気仙沼・・・ 三陸縦断列車旅 ー その3

2023年06月05日 | 乗り鉄
釜石線宮守川橋梁では列車通過直前に鹿が・・・
タイフォンの音で走って逃走してくれて事なきを得た

3日目:列車撮影と大震災伝承館他訪問
先月の東北旅行で列車+レンタカーの便利さに味を占めたので、今回も3日目はレンタカーを借り、列車では訪問しにくい場所にも行ってみることにします。

撮影場所に行く途中で見つけた日本製鉄専用橋横の線路跡

先ずは徒歩で三陸鉄道の撮影からスタート、被写体は朝通勤時間帯の盛駅に向かう列車です。「朝の通勤・通学時間帯なので2両ぐらいは繋がっているだろう」と思ったのですが残念ながら単行でした。見栄えがどうのというのはこちらの都合ですが、ちょっと心配になります。
今では釜石には高炉も無くなり、製鉄関係で働く人や施設も大幅に縮小されているようですが、駅から甲子(かっし)川の河口近い国道45号線の矢の浦橋までの途中には製鉄会社専用橋などもあって鉄の町と言われた面影が残ります。上の写真はその専用橋の横にあった線路跡ですが、今昔マップで見たところ、現在の釜石線が出来る前に鈴子(釜石鉱業)と大橋を結んでいた日鉄鉱業線の跡かも知れません。

さて、駅前に戻ってレンタカーを借り、東北横断自動車道釜石秋田線を走って宮守に向かいます。三陸地方は東西を結ぶこの道路や宮古盛岡横断道路、南北を結ぶ三陸沿岸道路など70km/h~80km/hで走行できる高規格な道路が無料で提供されており、こうして車で移動する分には便利で快適なのですが、一方で鉄道やBRTなどの交通機関にとっては大変な脅威です。
鉄道写真を道の駅から撮るのか・・・と多少うしろめたさを感じながらも道の駅みやもりに車を停め、釜石線の宮守川橋梁の5連アーチを通過する快速はまゆりを撮影します。この日の天気予報は晴れ時々雨と不安定で、ここも青空バックとはいかずいささか残念ですが、冒頭写真の鹿との衝突事故も無く傘をささずに撮影できたのも神様のご加護・・・ということにします。

ところで今回の旅行の最初の計画での宿泊地は、宮古、釜石、気仙沼でした。(最終的には気仙沼から石巻に変更)私たちの年代だと、この地名で森進一の1969年のヒット曲「港町ブルース」を思い出す方も多いと思います。という訳で、次は気仙沼に去年再建されたという、「港町ブルース」の歌碑を見に行くことにします。宮守から気仙沼までは列車だと乗換2回で4時間近くも掛かってわざわざ立ち寄るのも逡巡してしまいますが、車だと宮守からショートカット出来て現地まで約1.5時間、やはり機動力が違いますね。

青いスイッチで港町ブルースの2番の歌詞が流れる歌碑 気仙沼の部分だけ字が拡大されている
♬別れ涙で割る酒は だました男の味がする あなたの影を 引きずりながら
港 宮古 釜石 気仙沼♬

この歌碑、説明版によると気仙沼の名を広めた歌として2000年に、錨やスクリューなど
マグロ船をイメージして作られたそうですが、その後東日本大震災で破損、2022年に森進一氏の支援もあってこの場所(気仙沼市港町)に再建されたとのことです。

いわてTSUNAMIメモリアル 前方防潮堤中央に献花台がある
防潮堤に上がると眼前には穏やかな海が広がっていた

防潮堤から見た奇跡の一本松(モニュメント)と陸前高田ユースホステル
カメラ視点の高さからも防潮堤の高さが判る

今回の旅行では車窓からでも10m以上はあろうかという高い防潮堤や水門、高台に移転した新しい住宅や、逆に駅前に広がる空地など、震災からの復興の様子が散見出来たのですが、きちんとした伝承施設もぜひ見に行きたかったので、次は陸前高田の東日本大震災津波伝承館 いわてTSUNAMIメモリアルを訪問します。この施設の隣には「奇跡の一本松」としても有名な高田松原津波復興公園もあり、津波で破壊された陸前高田ユースホステルや海に向かった追悼施設も併せて訪ずれることができます。この日は6月4日に開催された全国植樹祭の準備であちこち立ち入り禁止になっていましたが、主要施設については滞りなく見学することが出来、追悼施設で手を合わせることもできました。

今の陸前高田はすっかり新しい町に見えます。道路も新しい、家や店も新しい、後日乗車した大船渡線BRTも真新しいバスターミナルに停車します。それだけ破壊しつくされた、何も残らなかったということでしょう。人口減少の中でかつての賑わいを取り戻すのは難しいかも知れないけれど、再びこの地で暮らすことを選んだ方たちに心から敬意を表したいと思います。

さて、少し殊勝な気持ちになった陸前高田を後にし、再び鉄分にポイントを切り替えて大槌町に向かうことにします。大槌町は釜石市の北隣の町ですが、ここも甚大な被害があり、高い防潮堤や水門が出来て町の景観が一変したものの、大槌城跡に上がれば海や町が見える・・・とのことだったので、ここでは城跡に上がって海と復興した町並みを背景とした撮影をすることにしました。

城跡への道 階段はしんどいが、整備されていて歩きやすかった

事前に大槌城跡は大槌町中央公民館の建物の裏手から上がるということを調べておいたので、先ず公民館駐車場に車を停めます。城跡への上り口は上の写真の様な感じで、雨上がりでもちろん人気は無く、おまけに「クマに注意」の看板まであったので、いざという時の武器?として三脚を伸ばして杖の様に持ち、スマホのストリーミングで音楽を鳴らしながら概ね60m程の階段と坂道を登って撮影したのが本館掲載のこの写真です。ネットで見つけた震災前の写真と見比べてみると改めて失ったものの大きさが分かっていただけると思います。

住民の投票で決まったという瓢箪形の屋根の大槌駅舎
2階のデッキから町を見守る「はかせ」と駅頭で演説する「ドンガバチョ」
この他、駅内にもひょうたん島のキャラクターが居る

列車撮影後、少し時間があったので大槌駅にも行ってみました。本館のキャプションにも書いたように、蓬莱島がひょっこりひょうたん島のモデルになったという事で駅にはひょうたん島のキャラクター人形やスタンプなどがあり、子ども時代にひょうたん島の人形劇を毎日楽しみに見ていた私にはとても懐かしく、ほっこりした気持ちでこの日を終えることが出来ました。

釜石駅のSL銀河をイメージしたイルミネーション
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