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漢和辞典ファン日記

初心者ですが漢和辞典ファン。漢和辞典に見つけるあれこれを記事にしてまいります。

「餡」とは何か。

2009-04-10 11:34:30 | 日記
bean jam bread or anpanどうやら日本語の「餡」は英語では「bean jam」というのかな。辞書に載ってただけだから、一般にそう言われるのかどうかはわからないけど。

で、「日本語の」と書いたのは「餡」を「あんこ」や「くずあん」と理解するのは日本語用法だと書いてあったから。じゃあ本来はなんだよと言えば「まんじゅうなどの中に入れる、甘い物や肉・野菜など」(新漢和大字典)。

のわっ。てえと中国じゃあ「あんまん」も「にくまん」も、みんな「あんまん」なのかな。ってか、日本風のあんまんってのは日本にしかないものかな。

まあ、好き嫌いが多くて中華料理はほとんど食べられないんだけど、確かに「餡」をそのような意味で使うことがあるのは知っている。

ちなみに「あんかけ」ってのはなんだろうな。中国語風の意味で野菜やら肉やらがかかってれば「あんかけ」なんだろうか。そう思って『広辞苑』を見てみた。すると「くずあんをかけた料理」とある。む~ん「くずあん」ってなんだ。なんとなく日本風な「餡」のイメージもするけど、それはたぶん違う。中国風の餡の「のこりもの」みたいなイメージかなあ。

そんな馬鹿なことを考えつつ「くずあん」をやはり広辞苑で見てみた。「葛粉でとろみをつけた餡」だとのことだ。ただそれだと日本風の「餡」との違いが(すくなくともぼくには)わからない。続きを読んで納得した。「だし汁を醤油・味醂などで調味し、葛粉を水で溶いたものを加えて、混ぜながら煮立てて透明にする。餡かけ料理に用いる」とある。なるほどなあ。

ちなみに「調味」という単語を自分で発したのは二十年ぐらいぶりだな。もちろん「調味料」という形では使ってたけど「調味する」と動詞で使ったのは本当に久しぶりだ。


「髪」は「長い友だち」だっけ?

2009-04-09 14:37:58 | 日記
rabbit in my roomどうでもいいことだけど。腰まで髪を伸ばしてたことがある。面倒だったんだよな。ある日、公衆電話(時代がわかるか^^)で話していると、隣にやはり腰まで髪を伸ばした野郎がやってきて、その二人を後ろから眺める気持ち悪さを感じて切りに行った。

さらにどうでも良いことなんだけど、ぼくの時代、「髪は長い友だち」という CM が流行ったことがある。「カロヤンハイ」という製品の CM だったみたい。YouTube で探すとあっさり見つかった。この後「かみがしら」の左側は「長」じゃないじゃないかと話題になったりした(笑)。でも結構覚えやすいよね。「よく見れば、点無し口なし『専門家』」よりは「物語」がある。

で、「髪」。

この字の部首が「」で「かみがしら」というだけで結構お腹一杯だな。不勉強きわまりないけど知らなかった。

この「髟」だけで髪の毛や髭を表すんだそうな。

「髪」の方は会意形声で「髟」に「犮」(はねる、ばらばらにひらく)で、発散するようにひらく髪の毛を意味するんだとか。「毛」が類義語で「髪」の方は「開く」ってのが大事な要素らしいんだけど、これはよくわかんない。

『新漢和大字典』の意味欄に「ごくわずかなもののたとえとしても使われる」というのがあってちょっと驚いた。字にもともとハゲの要素を含んでいるのかと思った^^。もちろんそういう意味じゃなくて「間髪を入れず」のような場合の「髪」のこと。

四字熟語には「髪短心長」ってのもあるらしい(まあ、日本語じゃ読めないから「かみみじかくこころながし」と読む)。これは「年をとって髪は短くなっているが、その知慮はすぐれて深いこと」を意味するんだと。

う~ん。年をとると髪は短くなったかな。それとも隠居すると短くしなくちゃならないというような歴史的意味かな。あるいは「短」に「少」というような意味があるのかな。

その辺はまたそのうちに。

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「寺」はもともと「寺」ではない…

2009-04-08 11:50:03 | 日記
a temple本当は「時」を調べようと思ったんだけど、含まれる「寺」が気になった。

「寺」とは『新漢和大字典』によれば会意兼形声文字。「寸(て)+音符之(足で進む)」によるもの。「侍るや接待の待の字の元字」。

む。寺は「土」+「寸」じゃないんだな。「土」に見えるのは「之」。尚「之」は象形文字で、足の先が線から出て進みいくさま」を描いているんだと。面白いね~と思ったら『漢辞海』では「会意文字」だとなっている。「出る、草が屮(=芽ばえ)を過ぎて、枝や茎がいっそう成長して伸び出すのに象る」。

どっちだろうなあと思ったら『日本語漢字辞典』のは両論併記。草が出る方を「一説には」という形で記してる。

なお寺に話を戻すと「漢代に西域から来た僧を鴻臚寺(コウロジ)という接待所に泊めたため、のち寺を仏寺の意に用いるようになった」。へ~。

そういう経緯があるので『漢辞海』では第一義に「役所」という意味をおいている。またこちらでも『新漢和大字典』と同じ故事が引かれている。

「土」は、土を盛り上げる象形文字だから、それでも「寺」を説明できそうだけどね。また『日本語漢字辞典』には「土」の部分を「止」とする説も紹介されている。

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「子」は何の「象形」なんだろうな。

2009-04-07 09:53:25 | 日記
toy bear「子」という字をみてみた。これが象形文字だろうことは想像してたんだけど、辞書によって何の象形なのか、違った解釈をしているのが面白いな。

最初に見たのは『新漢和大字典』。「こへん(子)」の説明をするところに「『子』は、子どもの頭がおおきいさま」であると書いてある^^。解字欄には「小さい子どもを描いたもの」と。ふむ。偏の説明が面白いな。

続いてみてみたのは『漢辞海』。なんか難しいことが書いてあるぞ。曰く「十一月に当たる。[この月に]陽気がきざし、万物が滋(しげ)りはじめる。したがって人の場合も[生まれはじめを]いうのである」。

尚、これまで記してこなかったが、『漢辞海』の「なりたち」欄は西暦二〇〇年ごろに中国人が分析した『釈名』を現代語に訳している。「古代の中国人自身の言語感覚による解釈であり、さらに歴代の中国人の言語観を形成してきたものである」。難しいのはまあ当たり前。

ただ、こうして説が分かれていると「なんか面白そうだぞ」ってのはわかる。だから「なんか面白そう」なものを期待して『新明解』も確認してみた。まずまず期待に応えてくれたな。
象形、赤子のかたち。頭と両手と足(おしめをつけているから一本になっている)とにかたどる
なるほど~。

ちなみにこの『新明解』。字源については「漢字の字形がやさしく覚えられるために文字の成り立ちを通説に従って示した。説明上必要なものには古代の字形をも示した。学界の定説になっていない新説にはなるべく触れないことにした」と書いてある。

う~ん。「おしめをつけているから一本になっている」ってのは結構ラディカルに感じたんだけどな^^。まだまだ勉強が足りません。

余談ながら『漢辞海』も『新明解漢和』も三省堂。

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「児」ってのは「頭の割れたやつ」のこと?!

2009-04-07 08:55:00 | 日記
a bear playing around「児」って字を見てみたよ。旧字は「」。

なんか解字欄を見て怖くなったんだけど、これは象形文字。「上部に頭蓋の上部がまだあわさらない幼児の頭を描き、下に人体の形を添えたもの」。

くく。旧字が割れているように見えるのは、本当に割れてるんだな…。なんか相当に怖い感じがしてしまうんだけど^^。

ちなみに「ロートル」は「老頭児」と書き、もともと中国語。ほえ~、知らなかったな。広辞苑にも出てる。「(中国語)老人。としより」。

ちなみに個人的には「ロートル」の表現を使わないわけではないが、人が使うのをあまり耳にしない(笑)。

尚、Amazon に何か「ロートル」関連の本でもないかと調べたら、完全に的を外す返答を戻された。いや、ツボには入ったけどさ。やってくれるよなあ、Amazon。

Amazon渾身のギャグ