少年トッパ

『ベイブルース 25歳と364日』に感涙。



 高山トモヒロの『ベイブルース 25歳と364日』を読んだ。ベイブルースってのは、90年代の前半にメキメキと頭角を現していたお笑いコンビ。しかし、上り調子の真っ只中だった1994年10月、ボケ&ネタ作り担当だった河本栄得は劇症胆炎で急逝する。残された相方である高山トモヒロが当時の苦悩と愛惜の想いを綴ったのが、この本だ。また、貧乏だった子ども時代、河本と共に野球部で過ごした高校時代、お笑い芸人への道を無我夢中で突き進んだ時期、そして河本を失ったあとの高山の失意の日々も描かれている。文字通り涙なくして読めない自伝であるが、笑わせてくれるところも多い。さすが芸人、泣かせる話の中でも随所にサービス精神を発揮して、読者を楽しませてくれるのだ。

 現在大活躍している芸人の名前もたくさん出てくるし、お笑い好きなら絶対に読むべき一冊。いや、何かに打ち込んでいる人、打ち込みたいものが見つからず模索している人にも、必ず何か得るものがあるだろう。そういう意味では、全国民必読と言っていいんじゃないだろうか。大げさじゃなく、マジです。
 ベイブルースは名古屋のテレビ局でレギュラー出演していたので、僕もよくテレビで見たもんだ。『興味のルツボ』という番組で披露された短いネタを見た時は、スピード感ある話術とテンションの高さに唸らされた。あとから知ったのだが、それは河本が入院する少し前に収録されたものだった。もしも彼が病魔に襲われることがなければ、ベイブルースはお笑い界のトップランナーとして今も走り続けていただろう。

 河本と高山の写真が奥付の前のページに載っている。芸人コンビらしく、おどけた格好をしたものだ。いっそ表紙にも二人の写真をデカデカと載せればいいじゃん。と思っていたら、表紙カバーを取ったら思いっきりカッコつけた二人の写真が! いかにもヤンチャそうな佇まいが、なんとも微笑ましい。

※YouTubeで検索したら、ふたつ映像が見つかりました。興味のある方は見てみて。
http://www.youtube.com/watch?v=8sT72jqsht4
http://www.youtube.com/watch?v=E0dJOF4acIg
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