少年トッパ

2021年に読んだ本でTOP10 <後編>

昨年読んだ本の中から、小説以外でTOP10。こちらも、たぶん7割ぐらいが昨年刊行された本です。

◎評論・ルポルタージュ・エッセイ

<TOP10(好きな順)>
『嫌われた監督』鈴木忠平
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』ブレイディみかこ
『言語学バーリトゥード』川添愛
『日本の<メロドラマ>映画――撮影所時代のジャンルと作品』河野真理江
『山口百恵 赤と青とイミテイション・ゴールドと』中川右介
『一度きりの大泉の話』萩尾望都
『巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか』安田理央
『一〇年代文化論』さやわか
『松田聖子と中森明菜 [増補版] 一九八〇年代の革命』中川右介
『なぜオスカーはおもしろいのか? 受賞予想で100倍楽しむ「アカデミー賞」』メラニー

『嫌われた監督』は、2004年から2011年まで中日ドラゴンズの監督として采配を振るった落合博満に関するルポルタージュ。って説明するまでもなく、ベストセラーになっているので誰もが知ってますよね。
あ、でも、それは東海エリアだけかも。週刊文春に連載されたものなのでもちろん全国に流通しているのでしょうが、名古屋の本屋では一時期どこに行ってもこの本がドドーンと平積みになっていました。
で、内容はいうと、これがもうめっぽう面白いわけです。あの騒動の裏側でこんなことがあったのか、あの時に実はこんなことを落合さんは考えていたのか、という事実が次々に明かされるので、当時のドラゴンズを知っている方なら間違いなく楽しめるはず。
僕も当時の落合さんの言動や立ち居振る舞いにシビれた一人です。何と言っても就任一年目に選手を一切放出しなかった、という時点で大好きになったわけです。
この本を読むと、落合さんがいかに深い洞察力を持っていたのかが、よく分かります。冷酷非情なイメージもありますが、実は人情家であったとも思います。
とはいえ、もちろん厳しい指導者であるのは間違いないわけなので、こういう人の下で仕事をするのはずいぶん大変だとも思います。自分じゃ絶対に務まりませんわ、はい。

映画に関する本で一番勉強になったのは『日本の<メロドラマ>映画――撮影所時代のジャンルと作品』。著者の河野真理江さんは昨年、35歳の若さで逝去されたそうです。本当に惜しい方を亡くしたものです。

他に読んだ本は以下の通り。順不同です。

『忍びの滋賀:いつも京都の日陰で』姫野カオルコ
『いまこそ「社会主義」 混迷する世界を読み解く補助線』池上彰、的場昭弘
『日本の戦争映画』春日太一
『ゼロエフ』古川日出男
『連合赤軍事件 50年目の真相』
『「原っぱ」という社会がほしい』橋本治
『そして映画館はつづく──あの劇場で見た映画はなぜ忘れられないのだろう』
『脚本の科学 認知と知覚のプロセスから理解する映画と脚本のしくみ』ポール・ジョセフ・ガリーノ、コニー・シアーズ
『もぎりよ今夜も有難う』片桐はいり
『岩井俊二:『Love Letter』から『ラストレター』、そして『チィファの手紙』へ』
『人新世の「資本論」』斎藤幸平
『花粉症と人類』小塩海平
『エロ本黄金時代』本橋信宏、東良美季
『見るレッスン~映画史特別講義~』蓮實重彦
『扉はひらく いくたびも―時代の証言者』竹宮惠子、知野恵子
『「させていただく」の語用論 人はなぜ使いたくなるのか』椎名美智
『女のお悩み動物園』ジェーン・スー
『調子悪くてあたりまえ 近田春夫自伝』近田春夫
『阿久悠と松本隆』中川右介
『SMAPと平成』中川右介
『萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命』中川右介
『昭和45年11月25日―三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』中川右介
『悪の出世学 ヒトラー・スターリン・毛沢東』中川右介
『ウディ・アレン追放』猿渡由紀
『ふだん使いの言語学:「ことばの基礎力」を鍛えるヒント』川添愛
『あなたの知らない映画の世界 皆殺し映画通信 地獄へ行くぞ!』柳下毅一郎
『超空気支配社会』辻田真佐憲
『学校では習わない江戸時代』山本博文
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