2000年 中国映画
久々に中国映画、と思って楽しみに観たら
これはなんとも、大変な戦争映画でした。
監督主演をこなす、ジャン・ウェン。
とても好きな俳優さん。
その監督としての才能も舌を巻くばかり、
ちなみにこの映画はカンヌ映画祭において、審査員特別グランプリを受賞。
主演の一人、日本人花屋小三郎役は香川照之。
中国が日本占領下に置かれている時代、
ある山間の村に住むマーの元に、
「私」と名乗る男がやってきて麻袋2つをマー(ジャン・ウェン)に預けていく。
麻袋には日本人と通訳の中国人が入っていた。
二人を尋問しておけ、誰かに話せば全員殺すと脅され、
仕方なく引き受けるマー。
「私」が誰なのかわからない、暗くて顔も見れなかった、
ずっと銃を突き付けられて顔は見れなかった。
日本人だからといって簡単に殺すわけにもいかない、村人たちは
二人を生かして世話をすることにした。
殺せとわめく花屋。
殺されたくない通訳の中国人、
助かりたいがために花屋に偽の中国語を教え、罵倒の言葉の代わりに
新年のあいさつの言葉を教え、それがきっかけに村人と花屋の間に
奇妙な信頼関係が生まれていく。
しかし、いつまでも食わせておくわけにはいかない、
殺そう・・という話になった。
とても殺せない、というマー。
マーは気弱で心優しき男なのだ。
「私」と名乗った男は一向に現れない。
もう死んでるかも、だったら花屋たちをどうする?
そうだ、日本軍に引き渡し、褒美をもらおう。
穀物荷車2台分はどうだ。
そうだそうだ、そのくらいはもらって当然だ。
恐る恐る日本軍のところに行ってみると
なんと、隊長が6台分の穀物をやろうと言う。
半信半疑だったが
みんなで村に行って大宴会が開かれる。
日本軍も中国人の村人たちも、等しく座って酒を飲んだ。
しかし、何故か日本人隊長、猪吉の顔色がどんどん変わっていく・・・。
これから起こる惨劇を誰も知らない・・。
恩は仇になって返され、友情はもろく、
善人の仮面をかぶった鬼たちが暴れる。
どこまで行っても「戦争」という鬼が追いかけてきて
生きることを許してくれない、
そんなラストの映画です。
救いのない物語が好きな人はいないだろうが、
フィクションと言えど、現実にあっても少しもおかしくない物語、
そして理解し合えない日本人と中国人の溝を描いてもいる。
もちろん、中国本土では上映禁止、国外持ち出し禁止。
それなのに許可を得ないうちにカンヌに出品して
栄誉ある賞を受賞した、どうしようもなくすごい映画。
随分ネタばれしましたが、
観ないことには何も訴えかけてこない映画なので
ストーリーよりも映画自体の画面であるとか、カメラワークであるとか
脚本、セリフのひとつひとつ、
そんなものをぜひ観てほしい映画。
モノクロの画面が「鬼」の正体を見せてくれるかも。
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久々に中国映画、と思って楽しみに観たら
これはなんとも、大変な戦争映画でした。
監督主演をこなす、ジャン・ウェン。
とても好きな俳優さん。
その監督としての才能も舌を巻くばかり、
ちなみにこの映画はカンヌ映画祭において、審査員特別グランプリを受賞。
主演の一人、日本人花屋小三郎役は香川照之。
中国が日本占領下に置かれている時代、
ある山間の村に住むマーの元に、
「私」と名乗る男がやってきて麻袋2つをマー(ジャン・ウェン)に預けていく。
麻袋には日本人と通訳の中国人が入っていた。
二人を尋問しておけ、誰かに話せば全員殺すと脅され、
仕方なく引き受けるマー。
「私」が誰なのかわからない、暗くて顔も見れなかった、
ずっと銃を突き付けられて顔は見れなかった。
日本人だからといって簡単に殺すわけにもいかない、村人たちは
二人を生かして世話をすることにした。
殺せとわめく花屋。
殺されたくない通訳の中国人、
助かりたいがために花屋に偽の中国語を教え、罵倒の言葉の代わりに
新年のあいさつの言葉を教え、それがきっかけに村人と花屋の間に
奇妙な信頼関係が生まれていく。
しかし、いつまでも食わせておくわけにはいかない、
殺そう・・という話になった。
とても殺せない、というマー。
マーは気弱で心優しき男なのだ。
「私」と名乗った男は一向に現れない。
もう死んでるかも、だったら花屋たちをどうする?
そうだ、日本軍に引き渡し、褒美をもらおう。
穀物荷車2台分はどうだ。
そうだそうだ、そのくらいはもらって当然だ。
恐る恐る日本軍のところに行ってみると
なんと、隊長が6台分の穀物をやろうと言う。
半信半疑だったが
みんなで村に行って大宴会が開かれる。
日本軍も中国人の村人たちも、等しく座って酒を飲んだ。
しかし、何故か日本人隊長、猪吉の顔色がどんどん変わっていく・・・。
これから起こる惨劇を誰も知らない・・。
恩は仇になって返され、友情はもろく、
善人の仮面をかぶった鬼たちが暴れる。
どこまで行っても「戦争」という鬼が追いかけてきて
生きることを許してくれない、
そんなラストの映画です。
救いのない物語が好きな人はいないだろうが、
フィクションと言えど、現実にあっても少しもおかしくない物語、
そして理解し合えない日本人と中国人の溝を描いてもいる。
もちろん、中国本土では上映禁止、国外持ち出し禁止。
それなのに許可を得ないうちにカンヌに出品して
栄誉ある賞を受賞した、どうしようもなくすごい映画。
随分ネタばれしましたが、
観ないことには何も訴えかけてこない映画なので
ストーリーよりも映画自体の画面であるとか、カメラワークであるとか
脚本、セリフのひとつひとつ、
そんなものをぜひ観てほしい映画。
モノクロの画面が「鬼」の正体を見せてくれるかも。
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