桂木嶺のGO TO THE THEATER!~Life is beautiful!~

歌舞伎中心とした演劇・クラシック音楽・美術展・映画など芸術全般のレビューを書きます。優れた芸術は応援します!

地上波で「シン・ゴジラ」を楽しみました♪おもしろかった~(^_^)/

2017-11-13 02:06:34 | 映画

 

きのうの夜は非常になやみました。

なぜって、「クラシック音楽館」ではエッシェンバッハさんが指揮をされるというし、

テレビ朝日では、東宝の金看板である「シン・ゴジラ」を放送するというし・・・

でも、「クラシック音楽館」は録画することにして、「シン・ゴジラ」を鑑賞することにしました。

 

結論から言うと、やっぱりとても面白いですね!

公開当初は、「政治映画」としての側面をずいぶん喧伝されて、

正直「それはちょっと・・・(;^_^A こまるでしょ」と思っていたのですが、

そのムーブメントからすこしさめて、あらためて地上波で見ますと、

すなおに特撮映画の王道をゆく作品だったのだとおもいます。

もちろん、庵野監督の才気がほとばしっているのですが、

やはり伝統的な「ゴジラ映画」の基本はちゃんとおさえてくれていて、

昭和29年版の「ゴジラ」の本来のおもしろさをわかってくれているので

誰が見てもとても面白いし、ゴジラの恐ろしさと日本人像がよく描けている意味において秀逸でした。

 

キャストは300人を優にこえますが、主演の長谷川博己さんが、文字通り辛抱立役で立派ですね!

彼の官僚像や、竹野内豊さん、高橋一生さん(彼も熱演していましたね)、高良健吾さん、市川実日子さん(すばらしい!彼女こそ主演女優賞にふさわしい!)、石原さとみさん(英語はみごとでしたが、キャラクターがなんだか変でしたね^^;)がそれぞれ、「ちょっとイタイけど、でもそれなりにせいいっぱい生きているみなさん」になっていて、キャラクターの造型が見事でしたので、最後まで楽しめた功績は大きいし、庵野監督のドラマ作りの見事さだと思います。(特に、お名前はわからないのですが、泉を演じた方は、「いるいるこういうひと!」というリアルさがあってよかった!津田寛治さんもさすがの名演でした!)カメオ出演された俳優さんたちも、とても楽しまれているようでしたね。政治家役のみなさんたちも、じっさいの永田町の政治家の方々よりりっぱでした(笑)

特撮の面白さもたのしめました。今回は、フルCGで描くゴジラなので、動きがよりリアルでおそろしかったですね!第2形態のグロテスクさから、第4形態に至る「変化」ぶりも最初はショックでしたが、慣れてみると、よくできた造りになっていて面白いです。そして私、気が付かなかったですが「第5形態」がまた空恐ろしい展開になっていて、じつはこれが「ゴジラ対へドラ」(津島平吉さんというのが、私の東宝テレビ部時代の上司で、彼はこの映画の助監督をつとめたのですが、ほんとうによかったですね!天国でどうぞやすらかに・・・)へのオマージュだったりすることに気付いて、ビックリした次第です。

毎度ゴジラ映画で話題になる、「ゴジラに壊される場所」というのも、なかなか新鮮だし、「これ、壊されたら洒落にならないな」というところまで見事に粉砕されていて、なんだかおもはゆかったです。なぜか私の住んでいるあたりも登場したのですが、ゴジラ君、全然こわさないでスルーしてくれたので感謝です(笑) なぜか京浜急行と京浜東北線あたりが粉砕されるので、それはいったいなぜなのかな、とか素朴な疑問もありましたが、これを機に、ぜひ「聖地巡礼」をシン・ゴジラファンの方はしていただければうれしいです(^^)

あ、なぜ、「ゴジラは、なぜ、東京でも日比谷と丸の内1-1-1は壊さないのですか?」という疑問もあると思いますが、それはやはりゴジラ映画のお約束なのです(笑)日比谷は東宝本社がありますし、丸の内1-1-1は・・・さすがにまずいでしょ、ということで、毎回いつも無事です。こういうところがまさに日本的な忖度、ですね。

※ちなみに歌舞伎座タワーは見事に壊されてましたね。松竹さんにちゃんと了解もらったのかな(笑) 東映さんはやられてなかったですけど、銀座がまるごとふきとばされてましたね。ま、これもお約束ですね。

ゴジラの造型が(第4形態)がちょっと「ゴジラVSデストロイア」のゴジラ(白目をむいてますよね)に似ているような気がしたのですが、どうでしょう?ゴジラファンの方はどうおもわれますか?なかなか、狂暴かつおそろしげなゴジラになっていてよかったと思います。

自衛隊でも在日米軍でもゴジラをやっつけられなかったのに、なぜか、東京のJRのいろいろな電車が無人爆薬となってゴジラをやっつけるというのも、おたくゴコロをくすぐって面白いですね。てっちゃんファンにはたまらない展開でした。ミリタリーおたくのみなさんもたまらないのではないでしょうか。(ちなみに私は、どちらもおたくではありませんので、みなさんの解説にゆだねます)

最後にこのポスタービジュアルにふれたいと思います。いつもゴジラ映画のイラストを描いてくださっていた生頼(おうらい)さんが亡くなられて、この実写のおそろしげなポスターになったのは、天の配剤というべきでしょうか、見事だったと思います。キャッチコピーもすばらしいですし、宣伝マンの方、お見事でした(^^) 

というわけで、大変たのしめた「シン・ゴジラ」でした。うれしいのは、庵野監督や樋口真嗣監督というすぐれた才能に出会ったことももちろんですが、オール東宝で作れたことがなにより、元東宝OGとしては非常にうれしいですね!オール東宝でやれたことで、宣伝費や製作費は負担が大変だったと思いますが、自由に宣伝展開が組めて、興行収入も非常によく(昨年の実写作品ではナンバー1でした)、映画賞レースにも絡めるという、まさに「三親切」を地でいく映画になりましたね!感無量です。

ゴジラの着ぐるみに入った青春時代も、いまはなつかしい思い出ですね♪

会社時代お世話になった先輩や、後輩のみなさんたちが、大活躍して、テロップにのっていたのですが・・・みごとカット(;^_^ADVDも買ってみようかな、とひそかに思う、実は(歌舞伎もミュージカルもクラシック音楽も大好きですが)ゴジラも大好きな、かつらぎでした♡♡

(・・・じゃなかったら、東宝に入るわけないじゃないですか^^!)

 

 



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