萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

山岳点景:水瀬の花神

2014-04-28 22:25:00 | 写真:山岳点景
春告、雪解の花



山岳点景:水瀬の花神

水芭蕉の群落を見つけました、
前にも歩いた山なんですけど前と違う森に入って出逢った花の清流です。
尾瀬沼の水芭蕉は大きくてオバケミズバショウとも呼ばれますが、ここの花は15cmほどで掌サイズ。
白い掌が舞うような花は水の精と言われる通りな印象、春浅い森の茶色に純白と薄緑は澄んでいました。



この水芭蕉はツキノワグマが食べるんですけど、毒性があります。
葉や花の汁はシュウ酸カルシウム=かぶれ・水ぶくれ、根茎はアルカロイド=呼吸困難・心臓麻痺など。
それなのにツキノワグマが食べるのは冬眠中の体内に蓄積した老廃物などを排出するための下剤効果を遣うのだとか。
クマは体格も大きく人間とは内蔵構造も違う=毒物の効果や致死量が違うためにコンナことも出来るんですけど、人間がやればNGです。

そんな熊は「山オヤジ」とも呼ばれますが山神の乗り物としても描かれます、この山神は女神と考えられることも多いです。
たとえば富士山の神は木花昨夜姫・コノハナサクヤヒメという桜の花の女神かつ巫女神、彼女は天皇家の祖神の妻と言われています。
ちなみに山の神=水源の神であるため雪解け水と共に山から下りて田の神になるんですけど、お産の神としても祀られて多忙なカンジです、笑



水芭蕉の清流は雪解水、澄んだ水は山の朝に凛と涼やかでした。
花咲く森の上部、山は頂近づくほど雪渓あざやかに冬は残っています。
吹きおろす風は冷たくて、残雪期らしい空気感に春を告げる白い水精の花です。



Of five long winters! and again I hear
These waters, rolling from their mountain-springs
With a soft inland murmur.-Once again

五つの長き冬も。そして再び私は聴く 
この水たちは山の泉から集い廻り来る
陸深き処やわらかな囁きと共に、今再び

William Wordsworth「Lines Compose a Few Miles above Tintern Abbey」引用抜粋&自訳

第26回 1年以上前に書いたブログブログトーナメント



Aesculapius「Mouseion29」加筆校正これからします、倍くらいになる予定です。
それ終わったら第75話も加筆します、加筆ばかりですね、笑

取り急ぎ、




にほんブログ村 写真ブログ 心象風景写真へにほんブログ村

blogramランキング参加中!

人気ブログランキングへ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑談寓話:或るフィクション×... | トップ | 第75話 懐古act.4-another,... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

写真:山岳点景」カテゴリの最新記事