
何かに点火するときは、長らく100円ライターを使っていましたが、
あれもゴミになるし、まとめて捨てるときに、なんかこぅ…もったいないなぁと。
使い捨て…というのはやっぱりどこか気持ちに引っかかるものがあります。
同じゴミにするなら木と紙で…と、マッチを使うようになってずいぶん経ちます。
先日、いつものように仏壇のお蝋燭に点火しようとして、新しいマッチの箱をあけたら…みーっけっ!
マッチが懐かしい方は、たまーに見たことがあると思います。2本がくっついちゃってるの。
これ「二本棒」と呼ばれる、実は不良品。
製造工程で、となりのとくっついちゃうのがたまにあるのだそうです。
当然、検査はしているわけで、本来取り除かれるもの…それが検査をすり抜けて、
製品にまぎれちゃうわけですね。だから数が少ないわけです。
昔、まだ100円ライターもチャッカマンもない時代、ガス台も最初のころは自動点火ではなくて
なにか火をつける用事があるときは、必ず「マッチ」でした。
家庭用に「大箱」もあったし、お米屋さんとか酒屋さんからももらいました。
そんな暮らしだから、なにかおすそ分けをいただいたような時の「おうつり」にも、マッチはよく使われたものです。
家のガス台の脇には、水の入った空き缶とかが置いてあったものでした。
今、我が家はプリンの入っていた小さなガラスのカップを代用。水を切らさず、こまめに軸を捨てています。
マッチは今でもスーパーのレジのところなんかに売ってますが、若い人は使わないでしょうねぇ。
さて、この二本棒…ですが、たまーにこれを見つけると、
母は「いや、大当たりやわぁ」と喜んで、髪にヘアピンのように、挿していました。
まだ黒髪だった母の、ちょっと伸びたパーマ・ヘアに、いかにも安っぽい赤色のマッチは妙にめだつものでした。
子供心に「マッチなんか挿してヘン」と思っていましたが、なんというか…ちょっと得した気分?
めったに出会わないから、いいことあった…みたいな感じだったのでしょうね。
最近の子供は、マッチを擦れるのでしょうかねぇ。
質問サイトで「西部劇などで、靴の裏でマッチを擦る場面がありますが、どうするとつくんですか?」
という質問がありました。今の人は、マッチに種類があるなんて知らないのでしょうね。
昔の「靴底でつくマッチ」は頭薬(マッチの頭についている薬品)は「黄燐」、
イマドキの「靴の底でもつく」のは「ロウマッチ」、硫化燐という成分です。
「黄燐」が毒性があり自然発火などの危険があるとのことで、今は使われていません。
この質問者の答えには、当然「頭薬」が違うとか、今でも売られているとかありましたが、
中に「靴底に、マッチの擦る方(ヤスリ紙」を貼ったらいい」と言うのがあって大笑い…。
検品が厳しくなったのか、マッチを使い始めてこの「二本棒」にあたったのは、二回目?
母のことを思いだして、ちょっと頭にさしてみました。ゥン、なんか、いいことありそうな…?!
母は若いころはずっとショートでパーマでした。
カールがついていれば、ブラッシングでなんとかなる…だったようです。
後家さんになってからは、パーマもヒマとお金がなかったせいか、
一度パーマかけて、それが落ちてくると、毎晩丁寧にピンカールしてましたっけ。
70過ぎまでハイヒールの人でしたが、80をすぎてからでしょうか、髪を切らなくなりました。
「薄ぅなったし、髪細いし貧弱やから、せめて長くして髷にする」と言ったのですが、
歳のせいか伸びるのも遅く、それでも背中半分くらいまで伸ばしました。
後ろでゴムを止めて、くるっとちっちゃいお団子にしてネットかぶせて…。
そのうちゴムが痛いからと、帽子ですっぽり…。
昔、母が近所に住んでいたおばあさんのことを話してくれたことがありました。
明治生まれのその人は、白髪になっても薄くなっても髪は切らず、パーマもかけず毎日髪を梳く。
縁側で膝をついて、お辞儀をするように下を向いて、襟足のほうから大きな梳き櫛で…。
母はたぶん、一生着物で毎日束髪だった自分の母親の姿を重ねていたのだと思うのです。
そのひとが病気で倒れて入院したところ、手間がかからないようにと、髪を切られたのだそうです。
お見舞いに行ったら、お嫁さんが「お義母さん、いっしょけんめ涙こらえててかわいそうで」と言っていたと。
すっかり忘れていた話でしたが、母も最期の入院の時に髪を切りましょう…といわれたわけで。
母は「人に面倒はかけたくない」という人ですから、おそらく泣きもせず「よろしく」だったと思います。
洋風の、なかなかの美人さんでしたから、歳を取ってしわくちゃでもショートヘアも似合っていました。
それでも、命の旅を終えて自宅に戻った母の髪を見たとき、ふと「母の昔話」を思い出して、
とても切なくなりました。ほんとは小さくてもお団子にして逝きたかったのではないかと。
翌日の納棺で、プロの手によって含み綿なども使ってお化粧もしてもらい、10歳は若返って見えました。
寂しいショートヘア…とおもっていたのに、きれいに櫛目を入れたオールバック、
てっぺんも少し膨らませてなかなかのものでした。
二本棒のマッチを見ながら「おかぁちゃん、あの時のアタマは宝塚の男役みたいでカッコよかったけど、
あれではさすがに二本棒は挿せへんかったなぁ」とブツブツ…。
しばらく髪に挿して「いいことが起きそう」な気分を味わってから、二本棒でお蝋燭に火を灯し、
お線香をあげました。写真の母は髪たっぷりのころのモノ、そっちで挿してや…と言いました。
7月にお盆はすませていますが、旧盆は、いただいた絵蝋燭に桜色のお線香を使いましょう。
大箱なんかでたまにありました。
「当たり」っていうのは、卵に二つ黄味が入っているのとかと同じような感覚だったような。
神戸出身なのですが、戦前は黄燐マッチの産地だったそうです。
そういえば、紐のお話で「帯締めそろそろ長尺に…」と書いておられて、以前うっかり間違って買ってしまった長尺帯締め、試しにいかがかなと。
伊賀に行ったときにワゴンのような感じで買った1本だと思うのですが、なんとLL、色がいいだけに手放し難くて。
紫味のピンク、やや渋めのお色です。
一度外して締めかけたんですが、あまりにも長くてもう一度紙封に通し直して数年たんすに眠ってました。
そろそろ長尺、というくらいの方だと長すぎるかもしれませんが。
以前はレストランでも、日本料理の店でも
置いてあり、残っていたのを使いましたが、
今は宅配のときに一緒に求めています。
マッチをすったときのあの炎と香りとが
心を安らかにしてくれます。
7月のお盆は済ませましたが、先日の
日曜日に娘がお墓参りをしてくれました。
私は今朝、花ろうそくに替え、お供物も
すべて新しくしました。
同じ思いですね。
それからね 今日は浴衣を着ましたょ。 違って画面が大きくて快適なので 拝読しています☆娘に着せたりはしていたけれど 自分が着るなんて 何十年ぶりでしょう~
おかげさまで 触発されて すすめられて 励ましてもらって やっと ・ ・ ・ 今日着ましたあ!
なんか 嬉しい ハッピー!!!
しかし 苦しくなってきました(苦笑
さて、しみじみとした いい日記を拝見しました
京女さまで 戦前の教育を受けられたお母様のスマートな凛とした美しさが手に取るようにわかりました☆
今日 二本棒のマッチに遭遇されて お母様もお喜びのことと思いました
文化を守る日本人が(桃花を先頭に(汗)多くなっています
ようやく これでは 駄目だな と 思っています
他民族と交流するとき まず その民族の伝統文化を知りたいんですものねえ~
着慣れることができるか心配ですが(泣) チャレンジしたいと思います。
今でも6箱セットを売っているので、ネットで買っています。
昔は家の中のあちこちにあったものですが。
長尺帯締め、長さと言うものは難しいものです。
長尺と言ってもあれこれ長さは違いますから。
私もやたら長いものがありますが、真ん中で余分をたたんで、
糸で止めつけています。
いずれもっと長いものが必要になったら、糸を切ればつかえますから。
そのようになさってみてはいかがですか。
やっぱりマッチの日はいいですね。
なんかホッコリします。
今日は関西のいとこから「新盆に」と、
立派なお花が届いて…。
おはぎもそろえたので、にぎやかになっています。
あちらでも「今日はまぁごうかだねぇ」と、
母と主人がいっていることでしょう。
先だってよりは、なんぼかマシになってきましたが、
暑いですねぇ。
御坊様をお迎えとのこと、ちゃんとなさってすごいです。
こちらはそういうことをしなくなっていますから。
都会のやりかたですねぇ。
浴衣着てくださったんですね。いいですねぇ。
暑い…のは洋服も同じ…と考えてください。
団扇で袖口から風を送ると、とっても涼しいですよ。
お試しください。