ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

お賽銭

2014-01-04 14:53:57 | 昔の道具・暮らし

 

あっという間に三が日が過ぎました。

今日からは通常モード…のはずなんですが、今年は土日がうまいこと挟まりましたね。

というわけで、まだ「お休み」を引きずって…の話題で。

 

昨日は箱根駅伝が最終区に入ってから、父が来ました。

一緒にゴールを見ようというわけです。

年賀にお茶をもらいました。高いお茶なので、この先ちびりちびりといただきましょう。

そして息子には「お年玉」。父にとっては、見かけが子供の息子は、

いつまでたっても「小学生」の感覚なのでしょう。今年もミッキーさんのお年玉袋でした。

ジサマ、ありがとね、しっかり「私」が使わせていただきます。(オイオイ) 

お年玉については、以前書いたことがあります。

なので今日は同じお金でも「お賽銭」のお話をしましょう。

 

初詣でや神社への参詣のとき、お賽銭はつきものですね。

いくらくらい??

これで昨日届いた、あるメルマガに「お賽銭の金額による意味」みたいなものが出ていました。

「5円玉はご縁がありますように」というあれですが、まぁこれがすごいすごい。

 

10円(ただし5円玉二枚)は、重ねがさねご縁がありますように。

10円玉は「十(とお)円(えん)」で、遠縁になり、縁が遠のく…と。

15円、十分ご縁がありますように。

20円、これも5円玉4枚で「よい」ご縁がありますように。

21円、これは割り切れないので「分かれない」ことから恋愛成就、夫婦円満。

まあこの調子で、35円45円とエンエン続くのです。

485円なんてのは「四方八方からご縁がありますように」…。

どんだけ欲張りなんじゃ…と思いました。

1万は「円・万」から「円満に通ず」…それを言うなら「円満」がひっくり返っているのだから、

全部壊れる…みたいなきがしますがねぇ。

 

また「よくない」方というのが、もう大笑いで、

65円が「ろくなご縁がない」、75円は「なんのご縁もない」、85円「やっぱりご縁がない」

95円「これでもご縁がない」、とどめは500円玉一個で「これ以上の効果(硬貨)はない」。

もうここまで来るとダジャレ合戦です。

5円玉で「ご縁がありますように」は、よく耳にもしますが、

485円なんてのは、聞いたことがありません。いろいろ考えるものですねぇ。

「ご縁」というのは、こういう場合、たとえば未婚なら、また未婚者の親族なら、

「よい相手がみつかりますように」でしょうし、商売ならお客様とのご縁でしょうし、

何かサークルとか趣味とかなら「新しい出会いがありますように」とか…。

つまりは「人と人との縁」というもの、それもとてもダイジなことですが、

私は最初に「神様とのご縁」を思います。

氏神様であっても、旅行先の有名神社であっても、ここへお参りできたご縁に感謝します…

そんなキモチでしょうか。

信心の有無ではなくて、やはり神域では謙虚と畏敬の念は持ちたいものだと思うので…。

 

ところで、このメルマガでも最初に書いているのですが、実はお賽銭は「お願い代金」ではありません。

逆に「お礼」の意味です。

だいたい「お金」というものが社会全体に流通するようになったのは、江戸時代にはいってからですから、

元々の「賽」というのは「守りや祈願に対して、お礼としてお供えするもの」で、

お金の流通がなかった時代は、米や幣帛(へいはく)が「賽」としてお供えされました。

「帛」は今でも使われることばですが、基本的には絹布のこと。

日本は農業国であり、米は神様の賜物、米が採れるかどうかで、翌年の自分たちの暮らしが

保証されるわけです。長い間「米」は「お金」でもありました。

 

日本人にとっての米は、いくらでも出てくる打ち出の小槌ではなく、

必死にこまごまと世話をし、それでも天候ひとつで全滅したりという、危ういものでありました。

だからこそ「五穀豊穣」「豊年満作」を祈り、願い、叶ったときにはお礼としてお供えをしたわけですね。

絹布も同じで、古くから始まった養蚕ですが、それからできるものは自分たちの手には残らず、

高貴なお方の下に納められます。それでもその代わりとして、報酬が得られる。

絹布もまた「宝物」であったわけです。

 

そんなわけで、基本的に「お賽銭をあげて願い事をする」のは、ちと図々しいわけで、

まずは「日ごろのお守りに感謝する」或いは「願いがかなったときのお礼をする」、

その後で「今後ともよろしく…」と願う、というのが本来の「お賽銭」の意味です。

 

お賽銭は、放り投げるものではない…というのは、感覚的にもわかりますよね。

親が「ほら、小遣いだ」と、100円玉を投げてよこしたら、あまりいい気分はしません。

お賽銭も賽銭箱の際からそっとすべり込ませるのがエチケット。

とはいっても、たくさん参拝者がいるようなところでは、賽銭箱まで距離があって、

どうしても投げないと入らないところもあります。

そりゃ実は「神社側の都合」によるわけですが、その場合は仕方ありませんね。

毎年多くの参拝者がくるようなところでは、賽銭箱ならぬ「賽銭敷き」で、

大きな枠の中に白い布を敷きつめてあります。

押し合いへし合いでも、できれば直前までいって枠の端からすべりこませるのがいいですけれど、

そうはいかないあのラッシュ。友人が、なんとか前まで行ったけど、うしろからお賽銭が飛んでくる、

アタマにあたったりして「あたしに願ってどーする、と思ったわヨ」と言ってました。

元々初詣というのも、本来は地元の氏神様に参詣するのが基本。

いまのように、遠い大きな神社仏閣に「初詣」というのを仕掛けたのは「電車会社」といわれています。

そうです。電車のなかった昔は、初詣に行くのに歩いてしか行かれませんでしたからねぇ。

 

人間の都合や思惑や、文明の発達発展で、実はとても様変わりしてしまった「お参り」ですが、

神社は観光地ではありません。信心があろうとなかろうと、人が「神宿るところ」ときめた場所です。

最低限のルールは知っておくべき…というのは、

オバサン思考で片付けてほしくはないと思っています。

と…初詣にもいっていないアタシが言うのが、ほんとは一番バチアタリ…。


コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年のお年賀 | トップ | 友人の病の話 »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (陽花)
2014-01-04 17:47:52
テレビでごろ合わせの数字の小切手が
お賽銭の中に中に入っているのを映して
いる事がありますが、皆さん結構そういう
事を考えてお賽銭されているんだと改めて
思いました。
返信する
Unknown (じじ)
2014-01-04 17:52:26
お賽銭の意味。500円で思わず笑っちゃいました。
大きな神社では初詣も大変そう。
こちらの一番人での多い所は、城主さまを祀っています。
私は、古い神社にお参りします。八幡様です。お願い事は余りしません。
神様も大変でしょうからね。
返信する
Unknown (古布遊び)
2014-01-05 07:37:50
「お賽銭の金額による意味」は面白く読ませていただきました。
知らなかったあ~
娘と大笑いしました。これからは485円を用意しなくちゃなんて言っていました。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-01-05 13:26:37
陽花様

そうそう、毎年いますよね。
11104円で「いいとし」とか…。
あれを見て、相手は神様なんだから敬語使って
「410104(よいおとし)円」でなくちゃ、なんて
毒づいてました。
日本人って、語呂合わせ、好きですよね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-01-05 13:28:48
じじ様

私も大笑いしました。
まさしくそのまんまですね。

我が家は近くにお宮さんがあります。
大きな所って行ったことがないのです。
毎年の人出をみただけで「いいわ」…。
私もお願い事は、別ですね。
とりあえず「年頭のご挨拶」です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-01-05 13:30:03
古布遊び様

誰が考え出したのやら、笑えるでしょう。
今度どこかでお賽銭を出すときは、
よーく考えないと…です。
返信する
Unknown ()
2014-01-05 13:54:05
混み合うのを避けて
2日に
「ゆず神社」に行ってきました。
立派な能舞台の前の池には
氷が張って寒々としていました。

お賽銭は
孫には15円渡して
十分ご縁があります様に 
でしたが 
私は小銭入れの中の500円玉を除いた
残りの小銭だけ

これだから ご利益無いのか・・・

本年も宜しくお願い致します。
返信する
Unknown (天鼓)
2014-01-05 23:56:22
年末夜中に、テレビで「日本を訪ねる」みたいなバラエティが映ってまして、「正しい神社のお詣りの仕方」。
のっけから鳥居から石段へと真ん中を通って宮司さんだか禰宜さんだかに注意されてましたが、お賽銭の金額の語呂合わせについては「全く意味が無い」とはっきり断言しておられました。
神様が受け取るのは「気持ち」の方で金額は関係なしとか。
とんぼさんもかいておられるような、「お供えする気持ち」が伝わるということかなあと思います。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-01-06 19:07:45
惠様

テレビでものすごい人出を見ると、
あれだけで行く気が萎えます。
有名なところは、夜中から混みますしねぇ。

まあ何事も「キモチ」がダイジ、ということですから、
まずはご挨拶しておけば…でしょうか。
返信する
Unknown (とんぼ)
2014-01-06 19:11:40
天鼓様

神社仏閣のお参りの方法は、昔は親に倣ったものですが、
そういうこともなくなったのでしょうね。
近所に神社があっても、よそからきたり、
転勤族だったりすれば、あまり馴染みもなくなるのでしょう。
参道の真ん中を通らない、手水の仕方の順序、そんなことも
今は知らない人が多いと思います。
それどころか、旅番組で、神社で拍手打たなかったり、
逆にお寺で拍手うったり…お里が知れる…と思って
見ています。
外国のお客様もどんどん増えるのでしょうから、
自国のしきたりくらいは、知っておいてほしいと思いますが。
返信する

コメントを投稿

昔の道具・暮らし」カテゴリの最新記事