快読日記

日々の読書記録

「バカに唾をかけろ」呉智英

2021年07月27日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
7月24日(土)

「バカに唾をかけろ」呉智英(小学館新書 2021年)を読了。

いくらバカでも唾かけないでほしいけど、
その博覧強記ぶりと一貫した正論すぎる主張には感心を通り越して笑ってしまいます。

絶対音感を持つ人は狂った音程にイライラするとよく言うけど、
それに似た感覚なのかもしれません。
ストレスたまりそうです。

かれこれ30年くらい呉智英の本を愛読していますが、
昔は爽快だったのに、最近は切なさを感じるようになりました。

たとえば、「何ともおかしい『歴史的仮名遣い』」の項のこんなところ。

「何十年も前『古事記』を読んでいて気づいた。皇祖神たちは初めから日本語を話している。ああ、皇祖神より日本語の方が先なのだと知った。日本語こそ日本文化の基礎であり核である」(41p)

言葉の誤用や無知 (←特に似非知識人の) にめちゃくちゃ厳しい呉智英ですが、
正しい思考や論説は正しい言葉の上にしか成り立たないからなんです。たぶん。