快読日記

日々の読書記録

「開運離婚」泰葉

2012年05月12日 | エッセイ・自叙伝・手記・紀行
《5/11読了 小学館 2008年刊 【タレント本】》

本になったものを読んじゃうと、その人のことをちょっと好きになるクセがあって困ります。
泰葉なんて、あの金屏風の会見といい、金髪豚野郎発言(正しくは「金髪くそ豚野郎」らしい)や、そのあとのハッスル参戦といい、見ていて飽きない女だなあ、くらいだったのですが、
半笑いでふと手にとったこの本(もちろん本人はしゃべっただけ)を読むと、その不器用さがなんだか切なくて、予想を裏切られました。

自分は意外と「尽くす女」だったという記述があるけど、
読んだ印象としては、「才能あふれる落語家・小朝に憧れて父のように慕い、母・香葉子のように彼に尽くす自分が好きだった。でもそれは本来の自分とはだいぶかけ離れていた。」みたいな話。
“あなたといるときの自分が一番好き”ってやつか。気持ち悪い。しかもかなり無理してます。

結局、「ウチの子にならない?」とプロポーズしてくれた小朝は最初から最後まで彼女にとって「落語家」でしかなく、
その芸風も、瞬発力が持ち味の三平・泰葉親娘とはだいぶ違うと気づき、
さらに谷村新司夫妻に理想の夫婦像を見て愕然、
他にもあれこれ重なっての金屏風離婚です。

でも、この人は、本当に小朝に憧れ、尊敬していたんだということだけはよくわかりました。
小朝の風俗通いに「イヤだとも思わなかったですよ。『どういうタイプの女の子だった?』と聞いちゃうぐらい。いや、それは冗談。実際は聞かなかったですけど。だって、聞いたらヤボだから。」(98p)って、なんだかかわいそうになるでしょ。
中国娘と遊んで帰ってきた小朝を「ニーハオ!」と迎えてたじろがせるなんてことをせず、泣いて嫌がってたら結果は変わったかもしれません。
デート中、歩くのが速い小朝を見失い、すごく怒られて、そのあとの食事も終始無言だったなんてのも、泰葉が不憫。
挙げ句、最後になった日帰り旅行、小朝から京都までの新幹線のチケットを渡され、「向こうの駅で待ってるから」と言われてワクワクして行ったら、まさかの弟・いっ平との3人旅だった、までくると大笑いです。

っていうか、小朝はなんで泰葉と結婚したんだろう?
そもそも泰葉は愛されていたのか?
携帯電話の番号やアドレスも教えてもらえない妻(最後まで持っていないと夫は言い張ったそうな)ってなんなんだ?いじめか?
…という大きな疑問が残る1冊なのでした。


/「開運離婚」泰葉
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