快読日記

日々の読書記録

2月19日(水)

2020年02月20日 | 日本の小説
2月19日(水)

「仮釈放」(吉村昭 新潮文庫)は期待通り、いや期待以上なんですが、ひとつ新潮社に文句が言いたい。

タイトル通り、主人公が“仮釈放”されるところから始まって、
その生活や心情がコツコツとリアルに語られて、
彼が犯した罪というのが中盤になってようやく明らかになるというのに、
そしてそれは作者の意図であるはずなのに、

最初から裏表紙に書いちゃってあるよ!

もうっ!
菊谷(主人公の名前)がどんな男かある程度見えてきて、
「こんな人が犯罪って一体何をしでかしたの?……なるほど〜」っていうふうに読みたかったよー!!

特におもしろいのがわかってる作家のものは、先行情報なしで読みたいのにぃー!
裏表紙目に入っちゃうから!

作者の意図も無視だよ、読者の喜びにも無頓着だよ!