快読日記

日々の読書記録

「イチローに糸井重里が聞く」 「キャッチボール」製作委員会

2010年06月28日 | プロレス・相撲・ボクシングなど
《6/26読了 朝日文庫 2010年刊(「キャッチボール ICHIRO meets you」(ぴあ 2004年刊)を改題) 【対談 イチロー】》

イチローの話はどれも素晴らしい。
質問に対する姿勢も紳士的。
今まで同じ質問に飽きるほど答えてきたんだろうなあ、と思わせるパーフェクトなお言葉。

でも、人の心が水をたたえた甕(かめ)みたいなものだとしたら、
このインタビューって、一番表面の澄んだ部分をそっとすくい取っているだけってかんじです。
唯一、その水面が乱れて、底に沈んでいた澱が煙のように浮き上がって見えそうだったのは、
「あなたにとってお金とはなんですか」という質問のときでした。
その瞬間を逃さずグイグイ掻き混ぜて欲しかったけど、糸井重里にそれを求めるのは無理かもしれない。
糸井重里って、年齢相応のコクみたいなのがほとんど感じられない人ですよね。
何を語っても薄っぺらくなる。
そういう芸風なのか?

それはともかく。

さらに巻末に、「51個のイチロー哲学」と題して、この本でのイチローの名言がまとめてあるんです。
今読んだばかりの発言がですよ。
こういうのお節介っていうんです、たぶん。
バラエティ番組の目障りなテロップみたい。

名言かどうかは読者それぞれが決めることです。