快読日記

日々の読書記録

「世界初 写実絵画専門美術館 「ホキ美術館」に見る 写実絵画の魅力」安田茂美 松井文恵

2015年07月04日 | アート・映画など
《☆☆ 5/17読了 世界文化社 2013年刊 【絵画 美術】 やすだ・しげみ(1951~)》

登場する画家:野田弘志/大矢英雄/五味文彦/大畑稔浩/石黒賢一郎/小尾修/永山優子/森本草介/島村信之/藤原秀一/塩谷亮/青木敏郎/生島浩/原雅幸


4月の終わりころ、行ってきましたよ、ホキ美術館。
ずっと行きたかった写実専門の美術館。
もううっとりですわ。
また行きますわ。

そんなわけで、ミュージアムショップで絵はがき数枚と一緒に買ったこの本。

現在の「写実」は、昔流行った「スーパーリアリズム」とは違う、むしろダ・ヴィンチやレンブラントといった王道の画家の系譜なんですね。
わたしは数年前に初めて見た磯江毅の虜になりまして、そこから野田弘志を知り、この美術館に行ったのですが、単純に言えば“見たままをそのまま写す”ことこそ絵画の基本であり、究極なんではないかと思いました。
主義主張や思想がゼロに近づくほど写実美が際立って、見るものを圧倒する。
例えば、鬱蒼とした森に立って景色を見るのと、それを徹底的に写し取った絵画を見るのと、どちらに感動するでしょう。
わたしはあきらかに後者です。
そこに理由があるのか、前者を選ぶ人とはどんな違いがあるのか、わたしは一体何に感動してるのか、全然わかりません(それもどうなのか)。

「ものを見ることと描くということは主観と客観の共存した姿だというので、そのなかにある「解釈」や「理解」、「認識」という部分においてはできるだけ透明な自分でいたい。だからそれが描く姿勢としての写実のあり方なのかと思ったりしています。(略)「祈り」とか「念い」で描いているところがすごくあります」(77p)

小学生のとき、世界美術全集みたいなやつで一番好きだったのが「ベルギー・オランダ」の巻でした。
まだ半分お猿さんみたいな子供をもうっとりさせる写実!おそるべし。
そんな作品を生み出す画家の話を読めば、その魅力の根源がわかるかも…と思ったけど、よくわかりませんでした。

まあ、わからないからこその「うっとり」だから、それでいいんだけど。

/「世界初 写実絵画専門美術館 「ホキ美術館」に見る 写実絵画の魅力」安田茂美 松井文恵