十勝の活性化を考える会

     
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個人情報保護法とは・・・

2022-08-19 05:00:00 | 投稿

 

コロナ禍が教えてくれたもの”に、人とのつながりや命の大切さなどがある。それが、ソーシャルディスなどでいま失われようとしている。その原因は、①価値観の多様化、②個人主義化、③人間関係の希薄化などであろう。

上記のことは、いずれも現代人の持つ自由に関係している。人間の自由というものは、“公共 ”というものが前にあって、そのあとに自由がくると思っていたが、現代社会は自由が公共の前にあり、住みにくい社会ができつつあるようだ。

これに関連して、“個人情報保護法というものがある。個人情報保護法とは、何だろうといつも考えている。というのは最近、何かあれば「それは個人情報ですから言えません」とか、「それは個人情報に抵触します」と言われるからである。

古代ギリシャの哲学者ソクラテスが「悪法も法なり」といったが、この悪法ともいえる個人情報保護法を、何とかならないものだろうか。この個人情報保護法を悪用して、個人攻撃をする輩もいる。“ヘイトスピーチ”などは、その最たるものであろう。

個人情報保護法との関連で憲法は、そもそも国政は、国民の厳正な信託によるものであって、その権利は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福祉は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。と述べている。

憲法第11条では、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことができない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる」。

第12条では、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う」。

第13条では、「すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」と定めている。

権利を濫用してはならないとは、どういうことだろうか。公共の福祉に反しないということは、どういうことだろうか。私が最も心配しているのは、個人情報を保護することは良いことだが、いま進んでいる人間同士の分断である。

個人情報の保護が、町内会の加入率低下や26人が死んだ大阪駅前のビル火災における発生原因などに繋がっていなければよいと思っている。

町内会の根本的な意義は、そもそもお互い住人が助け合うのが目的で、「この町内会を住みよい所にしよう」という一人一人の願いにある。町内会の加入率を上げることも確かに重要であるが、それ以上に自分の住む町を住みやすい街にしようという意欲を住民に沸き起こすことが必要だと思われる。

その意欲であるが、お互いの考え方にも違いがあり全ての住人に入会してもらうことには無理があろう。なお、私の属している町内会は18世帯の9割の加入率であり、町内会の女性会長はきめ細かくて風とおしが良いので、参考にしてほしい。

コロナ禍のソーシャルディスタンスで人との距離が遠くなっている。共産主義国家の中国では、新コロナウイルス陽性者の情報公開は、次のように行われている。

どこの病院に入院していたか

どこに住んでいるか 

どこの会社で働いているか               

罹患するまでに、どんな行動をとったか

以上のとおりコロナ対策でも、中国は個人よりも国家が優先し、有無を言わせず「個人情報」を公表する。日本は自由主義国家で基本的人権や個人主義が浸透しているから、このような違いになるのだろう。

人間にとって権利と義務をはき違えると、とんでもない住みにくい社会ができるので、日本の未来を作っていく子供たちにそのことを教えることも、大人の責任だと思っている。

  「十勝の活性化を考える会」会員