唐突に感じるかもしれないが、“人類は終わり”に近づいているのではないだろうか。私は科学者ではないので分からないが、東京大学教授 石井菜穂子氏によれば、50年~100年後の地球は、地球温暖化で大変なことになると警鐘を鳴らしている。
同氏によれば、地球温暖化は人類の加速度的な経済発展が、食料生産のための森林伐採やインフラ開発などを通じて、これまで保たれてきた生態系を破壊しはじめたことに起因しているという。だから、地球の生態系とぶつかり合う経済システムをいかに変革するかだという。
だから、最も心配しているのはコロナ禍やそれに伴う世界経済の落込みではなく “地球温暖化”である。専門家によると、この約100年で地球の平均気温は約1.5度も上昇し、このままで温室効果ガスの量が推移すれば、今後の100年~200年で平均気温が2度~4度も上昇する見込みである。
平均気温が1.5度上昇するということは、今の札幌市が仙台市になるようなもので、冬の祭典である“雪まつり”が開催できなくなることを意味している。雪まつりだけではない。あらゆる生態系が変化することを意味している。今年、スペインやポルトガルでは最高気温が45度になり、イギリスでも40度になっている。
地球温暖化は、人間の手で押さえることは出来ないだろう。その理由は、台風やサイクロンを見れば分かるとおり、エネルギーがとても大きいからである。世界各所の森林火災や大雨は、地球を取り巻く偏西風の蛇行などが絡んでいるようであるが、温暖化抑止を粛々とやっていくほかないだろう。
この異常気象の原因は人間のみによって作られたものであり、地球温暖化の抑止が最優先課題であると思っている。そろそろ人類は、今までとは異なる価値観で生きなければならないと思っている。新しい価値観とは、今まで人類が追い求めてきた便利さと逆行する面もあるかもしれない。
人類は戦争やコロナ禍に敏感であるが、地球温暖化にはそれほど危機感を抱いていない人が多いのでないだろうか。下のグラフが示すように、世界の平均気温の推移が、大変なことになっているのである。
「十勝の活性化を考える会」会員