十勝の活性化を考える会

     
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森林の伐採

2022-06-07 05:00:00 | 投稿

先日、帯広市と幕別町の境を流れる“札内川”の愛国大橋付近の川原に、犬の散歩のために行ってきた。それで驚いたのだが、橋の付近にあった森林が約500メートルにわたって伐採されていたのである。

森林や木の伐採は、これだけではない。自宅の近くにある鬱蒼と茂った200メートルの公園の木々も、一部を残して伐採されていたのである。倒木被害や防犯予防のために伐採されたと思うが、地球温暖化の観点から少しガッカリである。

森林などは、世界の温室効果ガス総排出量の30%近くを吸収しており、森林破壊や山火事の防止を通じて、二酸化炭素の吸収量を増やすことは有効な地球温暖化対策となる。

人間にやさしい地球を作るための持続可能な開発目標(SDGs)とは、2015年の国連総会で採択されたもので、20300年までに全世界で達成を目指す国際的な目標のことである。その目標の13番目に、「気候変動に具体的な対策を」とある。森林の伐採が、持続可能な開発目標にはいるとは全く思われない。

2020年、菅義偉首相は所信表明演説で、日本は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」と宣言した。このような脱炭素社会の形成は、森林の伐採を見る限りでは不可能だろう。

それでは、日本はどうすべきであろうか。温室効果ガスの排出をゼロにすれば良いのだろうが、経済がダウンするので国民が満足しない可能性がある。すべてが良ければ良いが、そうとはならないので取捨選択とならざるを得ない。

川原や公園は国有地なので、森林の伐採は国の予算で行なわれる。そして、その公共投資で潤う企業や従業員もいるのは事実である。だから、自分にとって何が大切なのかを取捨選択することが必要である。これで思い出すのが、ケネディー大統領の演説である。

彼は、「あなたの国があなたのため に何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」と述べたのである。

「十勝の活性化を考える会」会員