トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

オオコウモリ

2008-12-11 23:40:58 | Weblog
鳥が多くて、車を走らせるとひいてしまいそうです。
もうアカヒゲやアカショウビンはいませんが、冬の渡り鳥や留鳥(ヒヨドリ、ショウビタキ、セキレイ類、シロハラ、メジロ、シギ・チなど)がウロウロ。
夕方はヤマシギに要注意です。図体が大きく道にどっかりと出てきているのですぐわかるのですが、ずいぶん近づくまで逃げない・・・
ようやっと重い腰を上げて飛び立つのですが、ビビリながら低空のままで飛ぶのでぶつかる~。(島での車の速度は40キロくらいがMAXなので事故はありませんが)

今『オオコウモリの飛ぶ島』(山と渓谷社)の著者が島に来ていてオオコウモリの観察をなさっています。飛ぶ姿とペリットを見つけられたそうです。この本は1995年に出版され、著者のご夫婦がオオコウモリの生息する日本の島を巡った紀行文とオオコウモリの生態があわせて書かれています。私はこれを読んで中之島を知ったわけです。
一般にコウモリのイメージはあまり良くありません。小型コウモリは視覚ではなく超音波を使って様々なものの位置を認識しています。そのため受信器官として特殊な顔の形をしています。その奇異な見た目と夜行性と、もしかしたらドラキュラなどの陰のイメージがあるのかもしれません。
オオコウモリは小型のコウモリと違って超音波を使うことはないため、目でものを見ます。だからあまりにも暗いと逆に動けなくなるほどです。
そのため多くは夕方・明け方・そして月明かりのある夜、都会では街灯のあるところで行動します。
主に果物や花を食べ、海外ではフルーツバットと呼ばれ食用になったりもします。顔はまるで子ぎつねのようです。視覚を使うため目もくりくりしていてかわいいです。

中之島にいるオオコウモリは“クビワオオコウモリ”という種で、日本にはこの他に小笠原諸島に棲息するオガサワラオオコウモリがいます。
クビワオオコウモリは沖縄本島に多く棲息するオリイオオコウモリと八重山地方に棲息するヤエヤマオオコウモリ、大東島に棲息するダイトウオオコウモリそしてトカラ列島と口永良部島に棲息するエラブオオコウモリという亜種がいます。
エラブオオコウモリは他の亜種に比べて個体数が非常に少なく、鹿児島の平川動物公園で飼育されている個体を見ることができますが、この2個体が死んでしまえば今後野生から補充することは大変難しいと思います。
オオコウモリは1年に1回の繁殖で1頭の子を生み、哺乳類なので乳を飲ませ子育てをします。母コウモリは子コウモリを体にひっつかせて飛んだりエサを探したりします。
そのため繁殖力はさほどいい方ではありません。エラブオオコウモリの研究も少なく、人工繁殖が行われることもないため数の減少は大きな問題です。
沖縄本土に行くと街路樹の実に多くのオオコウモリが集まってキャッキャキャッキャ争っているのかじゃれあっている姿が見られます。人間を大変見慣れていて、飛べるという自信からなのかえらい余裕です。中之島のオオコウモリとは雲泥の差のように思われます。

中之島は植生が豊かで、エサになりそうな実や花はあります。ただ、人が栽培している果樹の周りに張られている鳥よけのネットに絡まって死んでしまうケースもあり、心配です。

いつまでも島にオオコウモリがいて欲しいと願います

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1 コメント

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オオコウモリ近くで見ました (おおさわ)
2008-12-12 23:52:29
昨日、今日と、けっこう近くでオオコウモリを見ました。お会いしたときお話ししたオオイタビの場所です。3頭か4頭くらいはそのあたりにいるようでした。写真はブログを見てください。これからもぜひ中之島のオオコウモリ情報を教えてください。
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