トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

HOTARU

2008-06-29 21:26:33 | Weblog
暑くて汗をかいて、一番やりがちなのは「飲みすぎ」です。
無糖のものならばいいんですが、やっぱりスポーツドリンクとかジュースとかおいしいんですよね。でもかいた汗の倍の量飲んでしまっている気がする。
この前母が手作りの梅シロップを送ってくれて、水で割って飲んでます。

今日も太陽が出ました。でも曇りました。そして雨もありました。つまりなんでもありの天気でした。
中之島は天気予報では「種子島屋久島地方」だと南過ぎるし、「奄美地方」だと北過ぎる。たまに言う「十島村は」という予報も当たらないのです。
一応十島村代表として中之島の高尾に気象観測機が設置されてはいるのですが。最近これはいいと思ったのが、雨雲の画像を見せてくれる予報です。
これは雨雲の位置が一目瞭然で、今日なんかも南から北に細い雨雲が島の西側に映っていたのですが、やっぱり雲がかかる頃ざーっと雨が短時間だけ降りましたもの。

その雨上がりの島では今、蛍がきれいです。
見やすい条件は雨が上がった後、日没から数時間だとのこと。蛍は水生と陸生があるようですが、島の蛍は陸生です。それなので高尾から里に下る長い坂道の途中でも見ることができます。
きょうはたまたま温泉掃除当番だったので暗くなった8時ごろ見てきました。暗い林の中で小さな緑がかった光が戯れているのがきれいでした。

午前中仕事して、お昼ご飯食べてちょっと昼寝して、愛犬の散歩がてら島の人とおしゃべりして、馬さわって蛍見て温泉入って、帰りはバイクで夜風にあたって。
おだやかないい一日でした。

緑のシューズ

2008-06-28 19:27:05 | Weblog
今日は思っていた以上に晴れ、風はまだ涼しい感じだったのですが湿度と太陽光でへとへとです。
午前中は郵便配達で走り(今日は量が多かったっ)、午後から第3回(6月分)ゴミリサイクル収集を船着場で行いました。
あとからみんなで「これからの季節は作業中でも水分補給が必要だ」という話になりました。
収集するコンテナの裏がちょうど陰になっていて、みんなで一休憩。夏にする作業での必需品、帽子・長袖・水分。

ところが高尾に戻ってみると雲の中なのです。標高の高い山をもつとこうなるのです。御岳様に雲が引っかかっているかたち。
上と下(里)で天気が違うのはよくあることで、合羽着てバイクで下っていくと里はかんかんお日様が出ていたりも。
でも今日の高尾の曇りは太陽から身を隠せてほっとするかんじでした。そのぶん風も涼しく感じられるし。
でも難点はずっと湿度が保たれているということで、あわよくば乾いて欲しいと願って(?)ずっと屋外に置いてあったスニーカーが緑色に変色…。これってこけか?
この靴は雨でべちゃべちゃに濡れてしまったので玄関に入れたくなく、放っておいたもの。まあ、でも、このくらいならこのまま履けちゃうのよね、おおらか(ずぼら)な性格じゃもので。

今日は夜、中央公民館で「メタボ」に関連した健康講座があって、そのあと7月に行われる「日蝕プレイベント」の説明会があるようです。
私は今日はお尻が重くて動けない感じなので、後で行った人に話を聞こう。
「日蝕プレイベント」は中之島に子供たちを集めて1年後の日蝕のことや世界で起こっている日蝕の話や環境の話などを宿泊して知る試みのようです。
婦人会が食事のサポートをするみたいです。

現在はゴミリサイクルで用いる輸送用コンテナに不燃ごみも入れて、鹿児島の業者さんに持ち込んでいます。不燃ゴミの処分料は役場が負担してくれています。
以前は最終処分場という名の裏山に投棄していたので、環境には良いの進歩です。
ところが今度は、ひっきりなしに流れてくる海岸線沿いの漂着ゴミが問題です。住民とはまったく関係ないゴミですが、清掃しようとすれば今後は処分料がかかってしまうのです。小中学校の学生さんたちが遠足や水泳授業の際にボランティアで海岸清掃をしてくれるのですが。
こういった問題も環境問題の議題としてプレイベントで集まった子どもたちに知ってもらえたらいいのではないかなと思います。

ぶかぶか

2008-06-28 00:12:04 | Weblog
ねえちゃんにいちゃんをみてるからか、あっけなく頭絡をかぶってくれたちゃこちゃん(マリーの子)。
本当に人懐っこい子になりました。
もちょっと大きくなったらいっしょに歩こうね。

濃霧

2008-06-28 00:08:06 | Weblog
明けない夜はない、やまない雨はない、といいますがいつまで続くこの雨の日々。沖縄はすっかり梅雨明けだというのに、奄美以北には低気圧がどっしり居座ったままです。
高尾は特に湿度が高く、霧もしょっちゅう出ます。
霧の中の馬はそれはそれでいいものですが、探すのが大変。
ブラックたちの牧場は水がたまってぐじゅぐじゅしていますが、馬たちはすすんで池に入りそこに生えている草を食べています。
雨が降る中、母親について水に浸ってしまっているロコちゃん(ローズの子)を心配していましたが、どうやら大丈夫のようです。

快決

2008-06-20 21:03:07 | Weblog
最近気になることは、私の態度が島に来た当初よりも横柄になってやしないかということです。
島に来た当時は何もかもが新しいことで、出会うこと全てに素直で、“そうゆうものなんだ”と疑問ももたず納得していました。
でも生活して慣れてきて、我が出たのかな地が出たのかな。つまらないことで気分が下ることがあります。
「悩み」の解決って難しいものですが、一番的を得ているなと思ったアドバイスは「他人事として考える」ということです。
自分の悩みは“ある悩み”以外に複線で様々な状況や感情がまとわりついてきます。自分のことだから打算という黒い雲が空を覆ってしまうわけです。
他人からしてみればそんなものはないから単刀直入な答えが導き出せる。
仏教は「こだわりを捨てれば楽になる」みたいなことを説きますが、それが難しいとしたら自分が自分の親友になってみて悩みを聞く。立場が違う人間として答えを見つけてみるということかな。

ロキ脱

2008-06-20 20:21:42 | Weblog
仕事が終わって夕方6時、牧場に行ったらロッキーが脱走中。
かわいそうにグレーが追いかけられています。
見ると柵の支柱ごと倒されていました。幸いメスたち(あず・こむ)は遠くの方で草を食んでいて異変に気が付かない様子。
とりあえず柵の出入り口を確保して管理者さんを呼びました。
管理者さんが支柱を立て直している間にロッキーは自分から戻ったようでした。ブラックの脱柵といい、種オスは血気盛んです。
管理者さん、柵は後々ちゃんと直すと言った後が惜しかった、そのまま戻って行ってしまいました。
日没も近いことですし、できればすぐにその場でパニックになっていた馬たちの傷つき具合を見たほうがいいのでは。
馬同士の怪我はたいしたことないかもしれませんが、はずみで柵や木片に当たって大きな傷を負ったり足をくじいている場合も想像できるからです。
幸いみんなかすり傷でした。
ロッキーは目の近く、グレーは右首の古傷に血がにじんでいました。あきちゃんも左首筋にかすり傷。しゃっくは無傷でした。

ローズの赤ちゃんですが左後ろ足の下部の皮膚が5センチほど縦に細く剥けています。ロー母ちゃんがかまわず池の中に入るのでひやひやします。
管理者さんに聞いてみたら「いつもだよ」と???子馬はみんなそこに傷があるというふうに聞こえたのですが、意味がわからず聞き返しても教えてくれませんでした。
細菌やウイルスがそこから感染する心配はないのでしょうか。もしできるのがわかっている傷ならば防げないものでしょうか。
マリーのあかちゃんが最近なでてくれと寄ってきます。小学校の女の子が「ちゃこ」という愛称を付けてくれました。ローズのあかちゃんは「ロコ」にしておきましょう。


この前、島の人がサメを退治したというので「食べてみたい」といったら切り身をいただきました。
東京の鮮魚店ではパックに入った白い身を見たことがあるのですが、食べたことがありませんでした。白いぶよぶよのイメージがあったのでアブラっぽいのかなと思っていたらぜんぜん違って、どちらかというと淡白でぱさついた感じでした。
味はないよと聞いていたので、教わったとおり味噌味の炒め物にしました。不思議な感じに仕上がりました。
鮫肌は煮てから流水で洗うと面白いように落ちてゆきました。下には硬いゼラチン質の皮が残りました。
島の人は「ふか」と言います。鰭はやっぱり「フカヒレ」にするそうです。

梅雨やすみ

2008-06-19 00:06:06 | Weblog
梅雨の中休み、今日は晴れ間も出ました。気温は蒸し暑いくらい高く、牧場内は水でべちゃべちゃしていますが馬たちの体は乾きました。
ローズの子馬は元気です。心配していた雨にも耐え池にはまることもなく、母親が動くところにちゃんとついていっているようです。
乳もたまる前に飲んでしまうのではと思うくらいに頻繁に口をつけている様子です。
雨の中、小さい体でよく我慢したねと牧場の前を通る島の人たちが言ってくれます。みんな心配してくれています。

3年前、馬は8頭まで減っていました。最盛期には約30頭いたというのですから、その数は限界だと思われました。
ですが牧区を分けたり、種オスがかわったりしてこの2年で4頭の命に恵まれました。今は開聞から来た2頭を合わせて14頭です。在来馬の底力、見せてもらっています。

沖縄は梅雨明けで、奄美の週間予報もたいした崩れはありません。まだ種屋久地方は雨が予想されているので、中之島の梅雨明けはスグにはなさそうですが
ぼちぼち曇っていてくれるくらいがありがたいです。なにせ最近の雨は降ったら降ったでどしゃ降りだし、梅雨が明けたら酷暑が待ってますし。

子馬誕生

2008-06-17 05:02:08 | Weblog
PCは日立のプリウスを使っているのですが、フリーズしたのを強制終了かけて新たに起動させようとしたら立ち上がらなくなりました。。
サポートセンターに電話したらいろいろ教えてくれたのですが、最終的にはメーカー修理という形になってしまいました。その前に島にいる詳しい人に聞いてみようと
思いお願いしたところ、メモリの接続が悪かったらしくまた使えるようにして戻してくれました。感謝。
モーターに埃がたまっても駆動しなくなることがあるとのことで、難しいものです。
いつまた調子が悪くなるかと思うと、PCのご機嫌を伺いながら・・・といった気持ちです。

ここのところ記録的豪雨で、しばらく大雨警報が出たまました。十島村でも地すべりなどの被害があったようです。
道の脇に立つ竹は道をふさぐように大きく頭をたれています。

そんな天気の中、ローズが子馬を生みました。
誕生は日付が変わってからか前日晩くなのかはわかりませんが、15日の早朝、雨の中しっかりと母子寄り添っていました。
女の子です。
元気な様子ですが降り続く雨が心配です。気温は比較的高いのですがそれでもぶるぶる震えている様子もみられます。
お乳を頻繁に飲む様子はあります。お乳は栄養をくれるとともに保温もしてくれます。

見守ります。

他の馬たちもずっと濡れたままです。
ひなは2回目の梅雨ですが、坊とマリーの赤ちゃんは初めての長雨です。

活用馬

2008-06-04 20:57:36 | Weblog
活用馬…文字通り活用する馬のこと。

でもどうしてこんなくくりが出てきてしまうのでしょう。
馬は家畜であり、家畜は活用されるためにいるのに。
古来使役動物として利用されてきた時代は幕を閉じました。畑や田んぼで馬を見ることはなくなり、薪や重い荷を運ぶ姿もモノクロームの写真の中だけです。
現在日本にいる“野生馬”といわれる馬たちはオコジョやキツネやクマタカのような野生動物ではありません。
人間が利用して、それぞれの事情で野に放されたものです。

現代に馬を利用するというのは、どうゆうことでしょうか。
肉をとったり、皮や尾の毛などを利用したりするのも大切です。低脂肪な肉質は栄養とともに見直されていますし、天然素材の製品は今や高級品です。
競馬は娯楽、スポーツの側面でももうなくてはならない文化です。その他の馬事競技もそうですし、サーカスや時代劇だって。
伝統行事・お祭りに使ったりもします、流鏑馬なんかも有名です。
放棄されている植林地や管理されない里山の管理のために家畜を放すという研究も行われていて、牛のほかに馬も登場しています。
ホースセラピー、乗馬クラブ、子供たちの情操教育にも用いられます。
今回の大地震なんかでみられるように、大型の交通手段が遮断されたところでは馬に荷物を運ばせることもできるかもしれません。

活用馬というくくりがあるのなら、不活用馬というのもあるのでしょうか。
表にはそう表現されませんが、もしかしたらいるのかもしれません。
ただただその形質が重要というだけで保存するだけでいいのでしょうか。
西表島の保護センターにいるイリオモテヤマネコだって、将来は野生に戻そうとしています。そこがその動物にとって一番輝ける場所だからです。
もし日本にいる馬たちが輝けるとしたら、強く言えばそれは人と関わっていくことだと思います。
日本中の馬たちが総て人間に活用されればいいとは言いませんが、“広い意味”での「活用馬」であればいいなと思います。