トカラ列島トカラうま!

鹿児島県のトカラ列島にある中之島に県の天然記念物「トカラ馬」が飼育されています。馬好き島民による現状レポートです。

課長さんと話す

2006-06-24 22:27:59 | Weblog
今日仕事が終わったあと、5時半から7時まで教育委員会の課長さんとお話をしました。
島にいる小学校に入る前の児童の教育指導のために幼稚園の先生を連れてきていたついでに私に会ってくれたわけです。

教育委員会内で「トカラ馬飼育管理」に関して話し合いをもたれることは無いということでした。
つまり、教育委員会が自発的にトカラ馬をこうしていこう!というお話は一切されないということです。
文化財については年に2回、文化財審議委員会という協議がもたれます。メンバーは審議委員6名と教育委員長・課長・その他1名の事務方。
話し合う議題はトカラ馬だけではありません。また、この中に馬の専門家はいません。
つまり、トカラ馬に関して村が話し合うことは無いに近いのが現状です。
それから、今年度の予算の事ですが、以前教育委員会の方に説明されたのとは大分違っていました。
96万8千円のうち40万以上は鹿児島大学の先生が年に2回馬を見てくださる旅費と報奨金に費やされます。
14万円が冬場の餌代。残りは消耗品や水道代だそうです。
つまり、前年度と何にも変わっていないということです。牧場内に溜まる水の排水や、牧柵の改良など、何にも話し合われてはいないのだそうです。
もしやるのだとしたら、県に補助金をもらって・・・ということになるのでしょうが、ここは馬に関して話し合いの機会を持たない機関です。進まない。

「教育委員会」というところをやっと理解できてきていたので、感情的にはなりませんでしたよ。友好的にお話を聞けました。
トカラ馬に関して教育委員会のする主な仕事は「予算」をもらうことです。そう、事務方さん。
・・・でも全権を持ってる。

じゃあ、現場を見ているあなたはどうしたら良くなると思うの?という課長さんからの質問に対して私の意見を申し上げました。
私は3つの案を持っています。
1、メス馬を導入する事
人間による維持管理を比較的必要とせず、現在の形態で群れを維持するためにはオス・メスのバランスが絶対必要です。
メスが導入されればオスが極度にメスを囲い込む行動がなくなり、メスは竹やぶに入って雨風・直射日光をさえぎれるし、仔馬も生まれる、オス同士の抗争も減る。入来牧場や開聞岳の集団が維持管理できるのはオス<メスだからです。課長さんは初めて知ったようでした。
(課長によると馬の導入は簡単ではないので、難しいとのこと。)
2、今の8頭で維持管理をするなら、人間の手を入れる事
人間と馬のコミュニケーションを確立する。餌でならし、オモテをつけられ、補定して治療ができるまでにする。
そうすれば、血統管理や出産・仔馬の危機に対応できる。いまのままではメスの牧柵間移動もむずかしい。
(課長によると予算や管理する人間の確保が難しいとのこと。)
3、教育委員が馬の管理をやめること。
教育委員会での馬の管理は限界だとはっきり申し上げました。現状で良くなる兆しはひとつもありません。
(課長によるとトカラ馬保護事業を活発化すれば、他の事業をつぶさなくてはいけない。それはできない。企画観光課にまかせたらと言ったら、文化財は自動的に教育委員会の管轄で移動はできないとのこと。)

とにかく、とにかく、来年生まれるであろう仔馬が無事育つ事のできる環境を、今から作らなくてはいけないのになー。