180分という、長い映画だった。
2006年からの、6年間の撮影期間の間にも亡くなられた方は何人かいて、当時の関係者のインタヴューは貴重だ。
当然取材と撮影を拒否した方もあったそうだけど、作品の中で質問に答える人たちは皆、生き生きと当時のことを語っていた。一人一人の人にとっては、人生の、若き日々の記憶なのだ。自分に照らしてみれば、そう思う。私の場合はちまちましたくそったれな記憶も多いけれど、その中にも愛着はある。ところがこちらは、国家規模の秘密に関する事柄なのだから。
戦争に拘らずとも、祖父母に若い日の思い出をもっと話してもらえば良かったと思う。
あまりそういうことには思い至らなかったけれど、一度何かで母方の祖母に戦争当時のことを尋ねた時は、祖母は憶えていることを話してくれ、「そういう時代だったから」と笑ってつけたしていた。でもあまり喋らなかった。
特定の時代の話よりも、もっと個人的な感情の方を憶えているみたいだった。でもそれは、若き日のものではなくて、もっと最近のものだ。若き日の感情なんて、忘れているか、人に話すように整理されてはなかったんだろう。でももっと自分が良いインタヴュワーだったらな。て、映画と全く関係ないけれど。
陸軍の秘密兵器の開発をしていた、「消された研究所」に関するドキュメンタリー。
楠山忠之監督、2012年、日本。
2006年からの、6年間の撮影期間の間にも亡くなられた方は何人かいて、当時の関係者のインタヴューは貴重だ。
当然取材と撮影を拒否した方もあったそうだけど、作品の中で質問に答える人たちは皆、生き生きと当時のことを語っていた。一人一人の人にとっては、人生の、若き日々の記憶なのだ。自分に照らしてみれば、そう思う。私の場合はちまちましたくそったれな記憶も多いけれど、その中にも愛着はある。ところがこちらは、国家規模の秘密に関する事柄なのだから。
戦争に拘らずとも、祖父母に若い日の思い出をもっと話してもらえば良かったと思う。
あまりそういうことには思い至らなかったけれど、一度何かで母方の祖母に戦争当時のことを尋ねた時は、祖母は憶えていることを話してくれ、「そういう時代だったから」と笑ってつけたしていた。でもあまり喋らなかった。
特定の時代の話よりも、もっと個人的な感情の方を憶えているみたいだった。でもそれは、若き日のものではなくて、もっと最近のものだ。若き日の感情なんて、忘れているか、人に話すように整理されてはなかったんだろう。でももっと自分が良いインタヴュワーだったらな。て、映画と全く関係ないけれど。
陸軍の秘密兵器の開発をしていた、「消された研究所」に関するドキュメンタリー。
楠山忠之監督、2012年、日本。

