NEW LIFE

今月に入り、２人の方とのお別れがありました。

Ｊさん。
テニアンで一番大好きだったローカルのおじいさん。
日本語がとてもお上手で、
いつも穏やかな笑顔が印象的でした。
娘さんのアンジェリカの顔を見たら、取り乱してしまいそうで、
あの子を必要以上に動揺させたくないから、
葬儀を後で見て、帰ってきてしまいました。
教会の入り口右手には、いつもの笑顔のＪさんの遺影。
「来てくれたんですかぁ～？」と話しかけられたような気がして、
涙が止まりませんでした。
左手には、生前の記念写真が切り抜かれていて、その中に私が撮ったものもありました。
いつも笑顔だったＪさん。
近年は肺がんを患い、フィリピンに治療に何ヶ月も行ったりしてました。
「私はね、たばこを吸ってる人を見ると言うんです。
私はたばこのせいで肺が真っ黒。真っ黒い水を背中から抜くの。
痛い。痛いなんてモンじゃない。だからね。たばこ止めなさいって言うの。
知らない人にも言うもんだから、嫌な顔されるけど、気にしない。
私のようになったら、可哀想だからねぇ」
以前、こう話してくれました。
ご遺体との対面は叶いませんでしたが、
旦那ちゃんの仕事が終わるのを待って、二人でお墓に参ってきました。
真新しいお墓に沢山のお花。
頂いたセレモニーの小冊子にキリストの絵と共に
「In Celebration of His New Life」と書いてありました。
キリスト教の死は、神様の下に召されるということ。
決して寂しいお別れではありません。
戦争体験や病気、辛かったことから解き放たれて、新しい世界に旅立ったＪさん。
これからは、天国からアンジェリカを始め、沢山のファミリーを見守ってください。

もうお一人は、Ａさんのお母様。
Ｊさんが連れて行ってしまったのではないかと思うような、
次の日のお別れでした。
最後にお会いしたのは、もう昨年になるのですね・・・。
大きなとうがらしを乾燥させたものを、かわいい袋に詰めてくれました。
「いつでも遊びにきてくださいね」ちょっと照れた上品な笑顔が忘れられません。
具合が悪くなられてからはお会いしてないので、
本当に、嘘のような突然のお別れでした。
一度、手料理を頂いたことがあります。
色とりどりの、日本料理屋さんのような繊細な味付けでした。
お素麺のおつゆの中にしいたけが入っていたのが印象的で、
それからは、まねをして入れたものです。
お母様の笑顔がそのまま、少しずつ少しずつテニアンの光の中に溶け込んで、
白く白く輝いて、天国に招待された、頭の中ではそんなイメージが湧いています。
これからは、Ａさんが一人になってしまうので、寂しくないようどうぞお守り下さい。


そして、一年前の昨日、私のボスが亡くなりました。
あれから１年。激動の１年間でした。
私事ですが、今月２５日をもって退職することになりました。
これからは、畑仕事がわたしの仕事になります。
あ、まず旦那ちゃんのお世話かな（笑）
離れていた写真も、また再開したいと思います。
人間の寿命は人それぞれです。
若い頃は、生きた証を残さない人間を目指してました（笑）
今は、私にしか出来ない「何か」を探しています。
まだまだ進行形の私です。